こんばんは ユースケです。
自己紹介：BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中！
「ウイスキーはハイボールがお好きでしょ？」
居酒屋の乾杯から、自宅でのくつろぎ時間まで。ハイボールは今や、すっかり日本の“日常酒”として定着しました。でも実は、このシンプルな「ウイスキー＋ソーダ」の組み合わせには、知れば知るほど奥深い世界が広がっているのです。
この記事では、ハイボールの基本から歴史、黄金比レシピ、さらに自宅でも楽しめる本格的な作り方までを丁寧にご紹介。そして後半では、筆者おすすめのウイスキー銘柄5選もピックアップしました。どれもハイボールとの相性抜群、しかも手に取りやすい価格帯ばかり。
初心者でも安心、経験者にも発見あり。
ハイボールがもっと楽しくなる“ちょっといい話”、一緒に味わってみませんか？
ウイスキーはハイボールがお好きでしょ？ ハイボールについて
ハイボールとは？
― シンプルだけど奥が深い、その正体 ―
ハイボールと聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「ウイスキーのソーダ割り」でしょう。確かに、現在日本で“ハイボール”と言えばこのスタイルが定番ですが、実はもう少し広い意味を持つカクテル用語でもあります。
本来「ハイボール」とは、スピリッツ（蒸留酒）やリキュールを炭酸飲料で割って作る、いわゆる“ロングドリンク”の一種。ソーダだけでなく、トニックウォーターやジンジャーエールで割ったものも含まれます。
つまり、ウイスキーだけに限らず、ジンやラム、焼酎なども“炭酸で割って背の高いグラスに注げば”立派なハイボール。場合によっては炭酸を使わないこともあり、それでも「ハイボール」と呼ばれるケースも存在するのが面白いところ。
カクテルとしての定義は広くとも、日本においての“ハイボール”はやはり「ウイスキー＋ソーダ」が王道。そのシンプルさの中に、ウイスキーの個性や炭酸のきめ細かさ、そして作り手のこだわりが光ります。まさに、奥深い大人の飲み物ですね。
ハイボールの起源とは？
― 名前の由来にまつわる2つの有力説 ―
今や日本の食卓でもすっかりおなじみとなった「ハイボール」。でもその不思議な名前の由来、ご存知ですか？ 諸説ある中から、特に有力とされている２つの説をご紹介します。
1. ゴルフ場に飛び込んできた“あの球”？
【通称：ゴルフボール説】
物語の舞台はスコットランドのゴルフ場。ウイスキーのソーダ割りを楽しんでいた人々のグラスに、どこからともなく飛び込んできたゴルフボール――その“飛んできたボール（＝ハイボール）”が名前の由来になったという説です。
他にも「飲むと気分が“ハイ（High）”になる、まるで弾丸（Ball）のような刺激だから」や、「背の高いグラス（High Bowl）で提供されるから」など、似たような語感をもとにした由来話がいくつも語られています。
2. 鉄道の信号機から来たという説
【通称：ボール信号機説】
もうひとつの有力な説は、19世紀のアメリカ開拓時代にさかのぼります。当時の鉄道では、「ボール信号機」と呼ばれる信号装置が使われていました。丸い球体のサインが上がっていれば“進行”、下がっていれば“停止”を意味したそうです。
開拓者たちは駅近くの酒場で、ウイスキーのソーダ割りを片手に信号を眺めながら、次の仕事や列車のタイミングを待っていた……。そんな日常の中で、その飲み物はいつしか「ハイ・ボール」と呼ばれるようになった、というわけです。
どっちの説が本当？
ユースケ的には、「ゴルフボール説」のユーモラスな雰囲気も好きですが、歴史的に信ぴょう性が高いとされているのは「ボール信号機説」です。ハイボールの名には、当時の人々の生活や風景が刻まれているんですね。
今度ハイボールを飲むときは、ちょっとだけその語源に思いを馳せてみてください。何気ない一杯が、少しだけ味わい深くなるかもしれません。
ハイボールの黄金比は？おすすめの分量とアルコール度数を解説
ハイボール作りにおいて意外と悩ましいのが「ウイスキーとソーダの割合」。どのくらいがベストなのか、正解はあるのでしょうか？
基本のレシピは【ウイスキー1：ソーダ3〜4】
まずは王道のレシピから。ウイスキー1に対して、ソーダ3〜4がもっともスタンダードな比率です。
たとえば、【ウイスキー1：ソーダ3】の分量なら：
-
ウイスキー 30ml
-
ソーダ 90ml
このレシピは、ウイスキーの個性をしっかり楽しみたい方におすすめ。逆にソーダの量を4に増やすと、食事にも合わせやすくなり、軽やかな味わいになります。
ちなみに、大手メーカーが実施したアンケートでは、「1：5」の薄めレシピが最もおいしいと感じたという人も多かったそう。つまり、自分にとってちょうどいい濃さを見つけるのが一番ということですね。
🍹 ユースケのおすすめは…【ウイスキー1：ソーダ3】！
しっかり味わいたい派の方は、ぜひこの比率で試してみてください。
分量別・ハイボールのアルコール度数まとめ
使用するウイスキーを「アルコール度数40％」とし、1ショット＝30mlで計算したときの、分量別のアルコール度数を見てみましょう。
| 割合 | 総容量 | アルコール度数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1：3 | 120ml | 10% | バーなどで提供される、しっかり濃いめ。ウイスキーの香りとコクをダイレクトに楽しめます。 |
| 1：4 | 150ml | 8% | 食事と相性が良い、バランスのとれた濃さ。市販のハイボール缶（7%前後）に近い感覚。 |
| 1：5 | 180ml | 約6.7% | かなりライトな味わい。ウイスキー初心者や、お酒に強くない人におすすめ。 |
ちなみに、「1：5」のハイボールがバーで出てきたら、個人的にはちょっとガッカリです（笑）。
でも、まろやかで飲みやすいので、リラックスした家飲みにはぴったり。
自分の「ちょうどいい」を探そう
ハイボールの面白いところは、ウイスキーの種類やその日の気分によって、ベストな濃さが変わること。今日はしっかり味わいたいなら濃いめに。食事と楽しみたいなら軽めに。自分好みのバランスを見つけることが、ハイボールの醍醐味です。
あなたの“ベストレシピ”を、ぜひ見つけてみてください！
おいしいハイボールの作り方、教えます。
ハイボールを自宅で楽しむなら、ちょっとしたコツでお店のような味に近づけます。ポイントは「冷たく・しっかり・やさしく」。それでは基本の手順を見ていきましょう。
基本の手順（ウイスキー1：ソーダ3が黄金比）
- よく冷えたタンブラーに、氷をたっぷり入れる
- ウイスキーを注ぎ、氷を数回ステア（混ぜる）してしっかり冷やす
- ソーダをグラスの内側をつたわせるように、ゆっくりと注ぐ
- 最後に氷を軽く「縦」に1回だけ持ち上げるように混ぜる（混ぜすぎ厳禁）
※炭酸の泡を極力逃さないように注ぐのが、美味しさのカギ。
おいしさの3つの条件
ハイボール作りにおいて大切なのは、技術よりも“基本を守ること”。これさえ押さえておけば、誰でも満足の一杯が作れます。
- よく冷えていること
氷とグラス、できればソーダも冷蔵庫でしっかり冷やしておきましょう。 - ウイスキーとソーダがしっかり混ざっていること
軽く混ぜて、味のムラをなくします。ただし混ぜすぎると炭酸が飛びます。 - 炭酸が生きていること
炭酸の“シュワシュワ感”がハイボール最大の魅力。やさしく扱いましょう。
丁寧に作った一杯は、まさに自分へのご褒美。
家飲みでも驚くほど美味しいハイボールを楽しめますよ！
ハイボールに「レモン」はアリ？ナシ？
ハイボールに「レモン」はアリ？ナシ？
結論から言うと──
レモンを入れると、それはもう「ハイボール」ではなく、別のカクテルです。
ハイボールとは、基本的に「ウイスキー＋ソーダ」のシンプルな組み合わせのこと。そこにレモンを加えると、厳密には“ハイボール”という名前からは外れます。
では、なぜレモン入りのハイボールが広まったのでしょうか？
実はこの文化のルーツには、「粗悪なウイスキーを飲みやすくする」という目的がありました。クセのある香りや味をレモンの酸味でマスキングし、さっぱりと仕上げたんですね。つまり、レモンは“ごまかし”の手段だったわけです。
しかし今や、ウイスキーは味も香りも進化しています。現代のウイスキーを楽しむなら、レモンなしでも十分に美味しい。むしろ、せっかくの香りをレモンで打ち消してしまうのは、少しもったいないかもしれません。
とはいえ──
「レモン入りが好きなんだ！」という方に、やめろとは言いません。レモンが加わることで爽やかさが増し、暑い季節には特に美味しく感じられるはずです。それはそれで、素晴らしいウイスキーの楽しみ方です。
ただひとつだけ、覚えておいてください。
レモンを入れたその一杯は、“ハイボール”ではなく、“ウイスキーカクテル”であるということを。
ハイボール用のソーダ（炭酸水）選びの参考にどうぞ↓
ウイスキーはハイボールがお好きでしょ？作り方とおすすめ銘柄５選
ホワイトホース ファインオールド
ホワイトホース ファインオールド
ブレンデッド・スコッチウイスキー
アルコール度数： 40％
容量： 700ml
楽天市場価格[2025年6月]：1,148円
手軽なのに本格派。毎日の一杯に、賢い選択を。
ホワイトホース ファインオールドは、1000円以下という驚きの価格ながら、東京ウイスキー＆スピリッツコンペティション（TWSC）2020で銀賞を受賞した実力派。
軽快でスムーズな口当たりに、ラガブーリン由来のピート感がほんのり香る、絶妙なバランスが魅力です。ハイボールにすると、その控えめなスモーキーさが爽やかさを引き立て、毎日の晩酌にもぴったり。
「コスパで選んだのに、気がつけば定番に」──そんな愛され方をする一本です。
クラガンモア１２年
クラガンモア１２年
シングルモルト・スコッチウイスキー
アルコール度数： 40％
容量： 700ml
楽天市場価格[2025年6月]：4,708円
静かに咲く花のような一杯。フローラルな余韻が心をほどく。
クラガンモア12年は、スコットランド・スペイサイド地方の蒸留所から届けられるシングルモルト。
その香りはまるで春の庭に咲く花のように華やかで、味わいは驚くほどまろやか。ハイボールにすると個性は控えめながら、ふんわりとしたフローラルな風味が立ちのぼり、心をゆるめるような優しい余韻を楽しめます。
強い主張はないけれど、じんわりと沁みてくる“品のあるおいしさ”。ウイスキー初心者にも、穏やかな夜に寄り添ってくれる一本です。
タリスカー１０年
タリスカー１０年
シングルモルト・スコッチウイスキー
アルコール度数： 45.8％
容量： 700ml
楽天市場価格[2025年6月]：4,698円
海のスモーキー・スパイス。「黒コショウ×ハイボール」で香りが弾ける。
タリスカー10年は、スコットランド・スカイ島で造られる孤高のシングルモルト。潮風を思わせる塩気、焚き火のようなスモーキーさ、そしてじわりと広がるスパイシーな余韻が特徴です。
ハイボールにするとその個性が一層引き立ち、まるで海辺のバーベキューを想起させるような風味に。仕上げに黒コショウをひと振りすれば、スパイスとウイスキーの香りが立ち上がり、前菜やグリル料理との相性も抜群。食中酒としても活躍する一本です。
フォアローゼスブラック
フォアローゼスブラック
アメリカン・バーボンウイスキー
アルコール度数： 40％
容量： 700ml
楽天市場価格[2025年6月]：3,797円
バニラ香る芳醇バーボン。力強くも華やかなハイボールに。
４輪のバラを冠した、アメリカ発のクラシックバーボン「フォアローゼス ブラック」。スタンダードの「イエローラベル」よりもリッチな造りで、バニラや熟した果実を思わせる甘い香りと、樽由来の深いコクが特徴です。
ハイボールにすると、芳醇な香りがより際立ち、バーボンらしい力強さとフルーティーさが絶妙に溶け合います。オン・ザ・ロックや水割りでも個性がしっかりと楽しめる、懐の深い一本です。
ブラックブッシュ
ブラックブッシュ
ブレンデッド・アイリッシュウイスキー
アルコール度数： 40％
容量： 700ml
楽天市場価格[2025年6月]：2,798円
シェリー樽が香る、まろやかで奥行きある味わい。フルーティー＆クリーミーな一杯。
アイルランド最古ともいわれる蒸留所「ブッシュミルズ」から生まれた「ブラックブッシュ」。その最大の特徴は、シェリー樽で熟成させたモルトウイスキーを贅沢にブレンドしていること。口に含めば、芳醇な果実の香りと、なめらかなクリーミーさが広がります。
アイリッシュウイスキーならではのやさしい味わいと、シェリー樽由来の甘やかさが絶妙に調和したハイボールは、スコッチとはひと味違った個性が楽しめます。
ウイスキーはハイボールがお好きでしょ？関連記事の紹介
当ブログの「ハイボール」に関する記事をまとめましたので、ご興味のある方は合わせてご覧ください。
ハイボールの話をしていたら、なんだか無性に飲みたくなってきました。
ちなみに、僕のお気に入りの比率は【ウイスキー1：ソーダ3】。この黄金バランスが、香りと爽快感のちょうどいい交差点なんです。
ぜひ皆さんも、今回ご紹介した作り方を参考にしながら、自分好みの一杯を見つけてみてください。
結局のところ――大事なのは「自分にとって美味しい」と思える作り方と、お気に入りのウイスキーを見つけること。それだけで、ハイボールはもっと自由に、もっと楽しくなります。
さあ、今日も一杯。あなたの「ハイボールライフ」に、乾杯！🥃
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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