【2023年5月 秩父蒸溜所見学】イチローズモルトのウイスキー造りを解説

【2023年5月 秩父蒸溜所見学】イチローズモルトのウイスキー造りを解説|樽工場(クーパレッジ)

2013年に完成した樽工場では、秩父蒸溜所のウイスキーを熟成させる樽の製造・補修を行っています。

樽工場の設備は現在は閉鎖となった「マルエス洋樽製作所」から引き継いだものを使用。貯蔵庫にする予定だった場所に、樽工場の設備を移設する形で誕生しました。

ベンチャーウイスキーでは、伝説の洋樽職人として長らくウイスキー樽をつくっていたマルエス洋樽製作所の社長「齋藤光雄」氏から、設備だけでなく、樽の製造技術も引き継いでいます。

 

参考記事(外部リンク)↓

 

樽工場全体の様子。新樽の作成や、樽の組み替え、補修などを行います。

大手メーカーにも引け劣らない立派な工場です。

 

内側を焦がした樽。ウイスキーの熟成樽は、樽の木質成分を活性化させるために樽の内側をチャー(熱処理)する必要があります。

 

「鏡板」を新しくしたホグスヘッド樽。樽の側板(がわいた)を増やしたことで、元の鏡面が合わなくなるため、新しいものを作ってはめ込みます。

 

樽に置かれた工具。「ノミ」と「ハンマー」。あとはなんだろ(笑)

この日は樽の製造を行っていませんでした。

 

組み上げ途中の樽。この状態から、樽の内側を火であぶりながら側板を曲げて、もう一つの鏡板をはめ込みます。

 

熱処理を行うための設備。

 

鏡板は小型のガスバーナーでチャーします。

 

材木を割る装置。これでないとミズナラの木はうまく割れないとのこと。

 

ミズナラの原木。

水楢(ミズナラ)はブナ科・コナラ属の落葉広葉樹。北海道から九州まで日本各地に生育しています。別名は「オオナラ」。ウイスキーの樽以外に、木目が美しいことから高級家具や建築材としても利用されています。

 

組み立てを終えたミズナラの新樽。樽の中に水を入れて、液漏れが無いのかを確認するための「水張り検査」を行っています。

ミズナラの木は性質状、漏れやすい傾向にあります。水漏れしやすい楢の木、だから「水楢」。水分が多く燃えにくい性質からも名付けられています。

本来はウイスキーの熟成用としては不向きな木材ですが、ミズナラ特有の香気成分に魅力を感じたベンチャーウイスキーさんは、数多くのミズナラ樽を製造しウイスキーを熟成させています。

樽へ加工するのが難しいミズナラですが、斎藤社長から受け継いだ高い技術によって、優れたミズナラ樽を自社製造しています。

 

樽の製造はほとんどが手作業ですが、樽の「輪締め」の仕上げを行うときは専用の機械を使います。鉄製の帯(帯鉄【フープ】)を樽がふくらんでいる方向にはめ込みます。

 

奥に見える枯草のようなものは「ガマ」と呼ばれるもの。

このガマ(蒲(ガマ)の葉)を板と板の間に挟むことで、樽からウイスキーが漏れるのを防ぐことができます。ガマにも「樽」と同じく伸縮性があるため、温度や湿度の変化が起きても液モレしないようです。

ウイスキーの樽は、基本的に鉄釘や接着剤は使いません。鏡板、側板、帯鉄だけで構成されており、その補助的な役割を果たすのが「ガマ」ということになります。

 

ユースケ
ユースケ

ウイスキーの樽に「接着剤」は使わないと言いましたが、一部のバーボンウイスキーの「鏡面」には使用されているらしい…

 

樽工場の外で加工前の木材を天日干ししています。

2年間の自然乾燥を経て、ようやく樽材として利用されるとのこと。

雨が降ったときもそのまま。濡れたり乾いたりを繰り返すことで、良質な樽材になります。

 

樽工場に関しては見るものが多すぎて困りました。

15分くらいの見学でしたが、ここだけで1時間は必要です(笑)

 

 

最後のページでは「原酒サンプル6種類のテイスティング」と
「おすすめのイチローズモルト」について解説

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