
こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
力強いスモーキーさと繊細な甘みが同居する、アイラモルトの真骨頂「アードベッグ」。個性あふれる香味と確かな品質で世界中のファンを魅了し続けています。
この記事では、「アードベッグ・デー2025」限定ボトル「アードベッグ スモーキバース」のテイスティングレビューを中心に、アードベッグ蒸留所の特徴やボトルの評価についても詳しくご紹介します。
「アードベッグ スモーキバース」について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。
アードベッグ蒸溜所とは?
アードベッグ Ardbeg
設立:1815年
地域:アイラ島
オーナー:モエヘネシー・ルイヴィトン社
蒸留器:初留x2基、再留x2基
仕込み水:ウーガダール湖
年間生産量:250万リットル
アードベッグは、ポートエレン製のピートをたっぷり含んだ麦芽を用い、クセの強い、力強いウイスキーを生産している蒸留所です。「アードベッグ」という名前はゲール語で「小さな岬」という意味。実際に蒸留所の近くにはその名の岬があり、周辺の岩礁地帯には野生のアザラシが生息しています。
2008年には、そのフラッグシップである「アードベッグ10年」が世界ウイスキー賞で最優秀ウイスキーに選ばれるなど、アードベッグは世界中の愛好家たちを魅了し続けています。
アードベッグ蒸溜所は約100年にわたり、創業家のマクドゥーガル家が経営していましたが、20世紀以降は何度もオーナーが替わり、蒸留所は浮沈を繰り返しました。1980年から1989年までは閉鎖。ウイスキー造りは完全にストップします。
その後、1997年にグレンモーレンジィ社が買収し、ビル・ラムズデン氏の手によって復活を果たします。アードベッグの息を吹き返らせたラムズデン氏は、様々な改革を行います。その中の一つとして、シングルモルトのみを造ることを決め、ブレンデッドウイスキーには供給しない方針を採用。その結果、アードベッグはシングルモルトとしてアイラ島の代表的な存在にまで昇りつめます。
シングルモルトの急速な成長に対応するため、増産を計画。2021年3月には、これまでの倍の生産能力を持つ新しい蒸留所(蒸留棟)を完成させます。
そして現在は、年間240万本を販売。過去25年間で、100倍以上に増加したことを示しており、今日まで続く、アードベッグブランドの人気ぶりは、しっかりと販売本数に反映されているのです。
【スコッチウイスキーレビュー】アードベッグ スモーキバースを評価
アードベッグ スモーキバース ARDBEG SMOKIVERSE
- 容量:700㎖
- アルコール度数:48.3 %
- 樽:バーボン樽(ノンチルフィルター)
- 抜栓時期:2025年5月
- テイスティング時期:2025年8月
- whiskybaseでの評価:88.33/100
- 希望小売価格:19,800円(税込)
- 楽天市場価格[2025年8月]:19,900円 送料無料
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アードベッグ スモーキバースとは?
「アードベッグ スモーキバース」は、アードベッグが2025年の「アードベッグ・デー」に向けて限定発売したウイスキーです。2025年5月より、アードベッグのコミッティーストア(ECサイト)と共に、一般販売でもリリースされました。
このボトルのテーマは「高重力実験」。通常より多くの麦芽を糖化工程に投入し、糖度の高い麦汁を使用して仕込む、「ハイ・グラビティ・マッシュ」という独自の製法で造られました。
糖化工程で、より多くの麦芽を加えることで、より糖度の高い麦汁を得ることができ、より濃厚でリッチな原酒「天文学的にフルーティーな香味」を生み出しています。
香り
バニラ、洋梨、かりん、エルダーフラワー、キャラメルアーモンド、ダークチョコレート、燻製、ヨードチンキ。
加水後は青りんご、マスカット、ドライイチジク、モルトスナック。フルーティーさと酵母の風味が広がります。
味わい
甘くてスモーキー。ミディアムライトボディ。スムースでドライ。引き締まった味わいです。フルーティーさの後、中盤以降は燻製、薬品、ゴム製品。フィニッシュにかけてもドライでヘビーなスモーキー&ピーティー。余韻は中程度の長さ。スッキリとしています。
加水するとなめらかな口当たりになりますが、強烈なスモーキーさは変わらず、ドライでスムース。大きな変化は現れず、安定した煙臭さが続きます。
評価
「アードベッグ スモーキバース」の評価としては、「実験的でありながら、盤石な個性を持つアードベッグ」です。
「アードベッグ スモーキバース」は、糖化工程で通常より多くの麦芽を加えることで糖度の高い麦汁を仕込み、原酒に“天文学的にフルーティーな香味”を与えるという特殊な製法で造られたウイスキーです。
実際にテイスティングすると、確かに加水後には白ワインやドライフルーツを思わせるニュアンスが強調され、フルーティーさを感じ取ることができます。ただし、スタンダードの「アードベッグ10年」にも同様の要素は備わっているため、劇的に違うかと問われれば、そこまで大きな差は感じませんでした。個人的にはもう少し違いを見せて欲しかった…
とはいえ、アードベッグらしいスモーキー&ピーティーな強烈な焦げ臭は健在。特別な仕込みを施しても、アードベッグの本質は揺らがない――その安心感のようなものも、このボトルの魅力かもしれません。
麦芽のフェノール値については公開されていませんが、通常より多くの麦芽を使用していることを考えると、数値上はよりスモーキーな仕込みになっている可能性があります。ただ、実際に味わってみると、「スモーキバース」のクセの強さは「10年」や「5年」と大きく変わらない印象でした。
熟成年数は非公開ですが、テイスティングの感覚では10年以下の原酒が主体のように思われます。全体の若々しさによる力強いスモーキーさは「5年」を彷彿とさせ、一方で加水後のフルーティーさは「10年」と重なる部分もあります。
アードベッグ・デー限定ボトルは奇抜で実験的なものも多いのですが、「スモーキバース」は王道のアードベッグ像から外れない、盤石な個性を備えています。
私はストレートからトワイスアップ程度まででテイスティングしましたが、さらに加水量を増やせば、例えばハイボールのような飲み方では、既存のボトルとは違った一面が見えてくるかもしれません。
奇抜な限定ボトルも多いアードベッグ・デーの中で、「アードベッグ スモーキバース」は王道の個性をしっかりと貫いた1本。フルーティーな実験性と揺るぎないスモーキーさの融合。アードベッグの確かな個性を改めて感じさせてくれる限定ボトルでした。
「アードベッグ スモーキバース」を、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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