【ジャパニーズウイスキーレビュー】響21年を評価

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では、サントリーが誇る最高峰のブレンデッドウイスキー「響21年」について、実際のテイスティングレビューを中心に、定価や市場価格、ボトルとしての評価、さらに使用されている構成原酒の特徴まで詳しくご紹介します。

「響21年」の奥深い味わいや、「響」ブランド全体の魅力を知りたい方にとって、有益な内容となっています。ぜひ最後までお楽しみください。

 

 

 

サントリーウイスキー響とは?

サントリーウイスキー「響」は、ジャパニーズウイスキーの象徴的な存在として、国内外で高い評価を受けています。その希少性と洗練された味わいから、世界でも入手が難しいプレミアムブレンデッドウイスキーのひとつとなっています。

 

「響」の誕生秘話

サントリーは戦前から戦後にかけて、多くの革新的なウイスキーブランドを生み出してきました。特に1984年に発売されたシングルモルト「山崎12年」は、ジャパニーズウイスキーの品質を世界に知らしめる重要な作品となりました。二代目マスターブレンダーである佐治敬三は、この成功を基盤に、さらに高みを目指すべく「響」の開発を進めました。

1989年、サントリー創業90周年を記念し、佐治は稲富孝一に「サントリーの粋を結集したウイスキーを創りたい」という思いを託します。この熱意が原動力となり、「響」という名の傑作が誕生しました。

 

ボトルデザインに込められた美学

「響」の特徴的な24面カットのボトルは、日本の「24節気」や一日の「24時間」を表現しており、日本特有の季節の移ろいや時間の流れを象徴しています。このデザインは、ウイスキーが時間をかけて熟成するプロセスとも響き合い、サントリーの企業理念である「人と自然が共鳴する」という精神を体現しています。また、ラベルには和紙を採用し、日本文化の繊細さと美しさを強調しています。

 

構成原酒の多様性

「響」の最大の特徴は、ブレンド技術の高さ。サントリーが所有する山崎、白州、知多から生まれる数十種類の原酒が使用され、それぞれが絶妙な調和を奏でます。

モルト原酒: 山崎蒸溜所のフルーティーで甘美なモルトと、白州蒸溜所の軽やかでかすかにピートの効いた爽やかなモルト。

グレーン原酒: 知多蒸溜所の円熟したグレーンウイスキー。

「響」はラインナップごとに異なる熟成樽の原酒を用い、その多様性が大きな魅力。使用される熟成樽には、アメリカンホワイトオークやバーボン樽、スパニッシュオーク(シェリー樽)のようなオーソドックスなタイプから、ミズナラ樽、桜樽、梅酒樽、赤ワイン樽など、個性的な種類の樽も含まれます。これらの樽が生み出す個性豊かな風味が複雑で奥深い味わいを形成。

特に、梅酒樽で後熟させたモルトは、ほのかな甘さと独特の香りを加え、「響」ならではのユニークな味わいを際立たせています。

「響」は数十種類の原酒が絶妙なバランスでブレンドされており、この調和が特別な風味を形成。飲むたびに新たな発見があり、楽しみ方が尽きないウイスキーとして愛されています。

 

国際的評価と影響

House of Suntory International Spirits Challenge Awards 2023. Picture: DANNY LOO/CPG Media

サントリーウイスキー「響」は、調和と伝統が織りなす至宝のウイスキー。

これまでに「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」や「ワールド・ウイスキー・アワード」で複数回の金賞を受賞し、その品質が世界で認められています。特に「響12年」は、ヨーロッパ市場でジョニーウォーカーやシーバスリーガルといった名立たるブランドと肩を並べ、ジャパニーズウイスキーの新たな地位を確立しました。

 

「響」のラインナップ

響12年:2009年発売(2015年終売)
響17年:1989年発売(2018年終売)
響50.5:2004年発売(17年物の無濾過無加水ボトル。2009年終売。)
響21年:1994年発売
響30年:1997年発売
響35年:2016年発売(インターネット限定販売。定価100万円)
響ジャパニーズハーモニー:2015年発売
響ブレンダーズチョイス:2018年発売
響ブロッサムハーモニー:2021年発売(数量限定)
響ディープハーモニー:2013年発売(ハーモニーシリーズ第1弾。BAR業態限定ボトル。)
響メロウハーモニー:2013年発売(ハーモニーシリーズ第2弾。限定ボトル。)

現在の「響」のラインナップは、「ジャパニーズハーモニー」と「ブレンダーズチョイス」が主力。「響21年」と「響30」は終売となっていませんが、生産量が極めて少ないことから高額で取引されています。

 

 

響21年とは?サントリーウイスキーの名作を紐解く

「響(Hibiki)」はサントリーが誇るプレミアム・ブレンデッドウイスキーの代表格。中でも「響21年」は、世界中のウイスキー愛好家や評論家から非常に高く支持を受けるボトルです。まさに“芸術品”と称される逸品。数々の国際的アワードを受賞。「響21年」は、日本のウイスキー文化の高さを世界に知らしめた立役者とも言える存在です。

使用されている原酒は、山崎蒸溜所の華やかなシェリー樽原酒、白州蒸溜所のスモーキーかつクリーンなモルト、そして知多蒸溜所の繊細なグレーンウイスキー。これらの21年以上熟成させた長期熟成原酒を、サントリーのブレンダー陣が卓越した技術でブレンドさせています。

熟成年数が長いため、樽由来のタンニンや複雑な香味が強調されがちですが、響21年ではむしろ「調和」が際立っています。個々の原酒が自己主張するのではなく、全体として一つにまとまっており、嗜好のウイスキーに仕上がっています。

 

世界が認めた品質|受賞歴と評価

響21年は世界的なウイスキーコンペティションでも高い評価を受けています。

WWA(World Whiskies Awards)
複数年にわたり「World’s Best Blended Whisky」を受賞。

ISC(International Spirits Challenge)
金賞常連。ブレンデッド部門で圧倒的な存在感を示す。

「響21年」は、その完成度の高さから、ウイスキー評論家ジム・マーレイ氏など、数多くの国際レビュアーから「世界最高峰のブレンデッド」と評されています。

 

定価と現在の市場価格

「響21年」の定価(希望小売価格)は、2024年の価格改定により、税別32,000円から税別55,000円(税込60,500円)に値上がりしました。

近年のジャパニーズウイスキーブームの影響で、響、山崎、白州などのプレミアムウイスキーの市場価格は年々高騰していました。しかし、2024年末頃から、海外での買い占めに限りが見始めたことから、ピークは過ぎた印象です。しかし、依然として「響21年」などの高級ライン銘柄に関しては、高値での取引が続いており、価格が下がった事実なく、今でも高騰し続けています。

【響21年の価格推移】

年度 税抜定価   流通相場 主な動向・背景
2014年 20,000円 18,000~25,000円 「山崎シェリーカスク2013」が世界一に。ジャパニーズウイスキーブーム到来も、まだ定価以下で入手可能。
2015年 25,000円 25,000~40,000円 定価値上げ。響12年が終売。ジャパニーズハーモニー登場。品薄・高騰開始。
2016~2017年 25,000円 25,000~50,000円 出荷制限強化。セット販売が主流に。入手困難化。
2018年 25,000円 50,000~70,000円 響17年の休売発表で買い占め激化。21年も実質的に休売状態。
2019~2021年 25,000円 50,000~60,000円 相場やや落ち着くも、流通は非常に少ない。
2022~2023年 32,000円 70,000~90,000円 定価値上げ。コロナ禍で高級酒需要増加、価格上昇。
2024~2025年 55,000円 80,000~100,000円 定価さらに引き上げ。依然として高値継続。

響21年 アニバーサリーエディション【100周年記念ボトル】

2023年、ジャパニーズウイスキーは誕生から100年という大きな節目を迎えました。それを記念して発売されたのが、「響21年 アニバーサリーエディション(100周年記念ボトル)」です。

この特別なボトルは、通常の響21年と構成原酒が異なります。サントリーのチーフブレンダー・福与伸治氏とそのブレンダーチームが、「響」のブレンド哲学を一から見直し、再構築。従来の「響21年」はシェリー樽由来の深い甘みが特徴でしたが、アニバーサリーエディションでは日本の伝統に敬意を表し、“ミズナラ樽”の比重を高めたブレンドが採用されています。

ミズナラ特有のウッディでスパイシーな香味が全体を支えつつ、細やかで繊細なハーモニーを奏でる、特別な響21年。ラベルデザインも100周年仕様となっており、味わいだけでなく外観からも特別感が漂う1本です。

響21年 花鳥風月

「響21年 花鳥風月」は、「響21年」の特別限定ボトルです。日本では未発売。免税店向けにリリースされました。

ボトルには、桜、鶴、松、月といった伝統的な日本の自然モチーフが描かれ、絢爛で雅やかな和の世界観を表現しています。このデザインは、インバウンド向けの高級ギフト市場を意識したものでもあり、特にアジア圏での人気が非常に高いボトルです。

 

【ジャパニーズウイスキーレビュー】響21年を評価

サントリーウイスキー響21年
Suntory Whisky Hibiki 21 years old

 

香り

レーズン、アーモンド、プラム、ブルーベリー、アプリコットジャム、ドライアップル、ドライマンゴー、イチジク、洋梨、金柑、オレンジキュラソー、シナモン、クローブ、フラワーブーケ、カカオ、マドレーヌ、グレープフルーツ。

フルーティーでバリエーション豊富なアロマを持っています。

加水すると青りんご、マスカットグミ、青畳、ハチミツ。

 

味わい

甘くて柔らかい味わい。香りが豊かに広がります。ミディアムボディ。中盤以降はドライ。フルーティーで柔らかすぎず、飲みごたえがあります。後半にかけては若干ビターな味わいを感じます。余韻の長さは中程度。フィニッシュにかけてもややドライでスッキリと、まとまっていくような印象。

加水後は丸みを帯びますが、骨格のある味わいが継続します。水を加えてもボディはしっかりとしています。

 

評価

「響21年」の評価としては、「やっぱりすごいよ響21年!かすかなピート香、あなたには届くだろうか…」です。

「響21年」は、「響30年」を除けばシリーズ最上位ボトルとして君臨する、サントリーウイスキーの最高峰と呼ぶにふさわしいブレンデッドウイスキーです。(響30年は生産量が極めて少ないため、別格)

21年以上熟成された長期原酒だけを用い、山崎・白州・知多の個性が織りなす香味は、まさに芸術的。香りは非常に豊かで、甘やかさ、フルーツ、ウッディさ、ほのかなスモーク…と次々に表情を変え、いつまでも嗅いでいたくなるような心地よさがあります。

味わいは、複雑でありながらもどこか親しみやすく、バランスは絶妙。「ジャパニーズハーモニー」や「ブレンダーズチョイス」と比べても、その深みと完成度はまさに別格です。

贅沢で、特別で、でも不思議と身近にも感じられる――そんな、サントリーらしい“調和の極み”を感じさせる1本。わかってはいたけれど、飲むたびに「やっぱりすごい」と唸らされます。

「響21年」のキーモルトには、山崎蒸溜所のシェリー樽熟成原酒が使われているとされています。確かに、シェリー樽由来のリッチで甘やかなニュアンスは明確に感じられますが、それが前面に出すぎることはありません。

むしろこの原酒は、全体のボディに厚みと果実味を与え、ウイスキー全体を豊かに包み込むような“土台”として機能しています。そこに、白州の軽快なモルト原酒や、知多のクリーンなグレーンが絶妙にブレンドされることで、過度にシェリー樽寄りにならない、緻密でバランスの取れた香味が完成されています。

さらに注目すべきは、加水後の変化です。水を加えることで香味がふわりと広がり、「旨味」とも言えるような複雑で奥行きのある味わいが現れます。これは「ブレンダーズチョイス」にも通じる要素ですが、響21年はその洗練度が格段に上。高級感と上品さが、舌の上で静かに花開きます。

そして、ごくかすかに感じられるピートの存在も、響21年の魅力のひとつ。スモーキーさが主張するわけではなく、あくまでも隠し味としてごく僅かに効いており、飲み込んだ後の余韻に、ほんの一瞬だけふわりと現れる程度。特に加水して飲むと、わずかに顔を覗かせるこのピーティーなニュアンスが、全体の香味に奥行きと品格を与えているように感じられます。

「響21年」の税込価格は60,500円。定価で購入できたとしても、高級なウイスキーですが、この味は本物でしょう。6万円超という価格帯は気軽に手が出せるものではありませんが、それでも“頑張れば届く”範囲にあるラグジュアリーボトル。クオリティを考えれば、むしろコスパが良いとさえ思える訳です。

ただし、「響21年」の真価に気づけるかどうかは、その人がどれだけウイスキーを飲んできたかにもよるかもしれません。複雑に重なり合うフレーバーや繊細な余韻は、ウイスキー初心者には少し難解に映るかもしれません。ある程度経験を重ねた“上級者”だからこそ感じ取れるもの。

そういった意味でも、「響21年」はまさに“芸術的なブレンデッドウイスキー”と言える一本です。

「響21年」の飲み方ですが、ストレートで半分飲んだ後、トワイスアップ(1:1の水割り)にするのがおすすめ。ストレートで全部飲んでしまうよりも、加水後の味わいも愉しんで欲しい1本です。そして可能であれば、「ジャパニーズハーモニー」や「ブレンダーズチョイス」と飲み比べもしてみてください。それぞれ良さがありますが、「響21年」の凄さがより理解できると思います。

 

 



 

 

「響21年」は、山崎のシェリー樽熟成モルトを中心に、白州の軽やかなモルトや知多のクリーンなグレーンが絶妙にブレンドされています。甘やかさ、フルーティーさ、ウッディさ、隠し味程度のピートまで、多層的かつ調和の取れた、素晴らしいブレンデッドジャパニーズウイスキーです。特別な日の一杯として、あるいは一生の記憶に残るウイスキーとして「響21年」は、その名にふさわしい存在感を持っています。

ジャパニーズブレンデッドウイスキー「響21年」を飲みたい方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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