こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
この記事では、シングルモルトスコッチウイスキー「スキャパ スキレン」のテイスティングレビューと、蒸留所の情報やボトル評価についても解説致します。
「スキャパ スキレン」の味わいを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【ウイスキーレビュー】スキャパ スキレンとは?蒸留所解説
スキャパ Scapa
- 地域:アイランズ(オークニー諸島メインランド島)
- 創業年:1885
- オーナー:ペルノ・リカール社
- 蒸留器:初留x1基、再留x1基
- 仕込み水:蒸留所背後の丘の泉
- 年間生産量:130万リットル
オークニー諸島メインランド島にある蒸留所といえば、「ハイランドパーク」と「スキャパ」になりますが、スキャパ蒸留所はスキャパ湾を望む高台にあり、海に面した位置に建てられています。
同じ島にあるとはいえ、「ハイランドパーク」と「スキャパ」は対局な個性と言ってよいでしょう。
ハイランドパークではヘザーピートの効いた自家製麦芽を使用し、オークニーらしい個性的な原酒造りをしていますが、スキャパはノンピーテッドモルトを使用したライト仕上がりです。
仕込み水が「中硬水」であることや、独特な島の気候で熟成していることから、少し個性的になっても良いのでは?と思う所もあるのですが、最終的にボトリングされたウイスキーは、アイランドモルトにしては落ち着きのある風味のように感じます。
スキャパの特異な部分としては、現代のスコッチではあまり使用されていない「ローモンドスチル」で蒸留していることが挙げられます。
ローモンドスチルには、通常なかに仕切りがあり、その仕切りを稼働させることでウイスキー風味を変えることができるのですが、スキャパのローモンドスチルは1970年代に何故か取り外されており、外側だけがローモンドスチルの形を成しているだけ。ユニークな蒸留器で独特なウイスキーを生みだしています。
生産能力は年間130万ℓと小規模。ポットスチルは初留、再留1基ずつ。ブレンデッドウイスキー「バランタイン」の原酒となっています。
【ウイスキーレビュー】スキャパ スキレンを評価
スキャパ スキレン
- 40% 700ml
- 正規販売ボトル
- バッチ:BATCH24
- 抜栓時期:2024年9月18日
- テイスティング時期:2024年9月19日
- whiskybaseでの評価: 81.33 / 100
- 希望小売価格:7,040円(税抜)
- 楽天市場価格[2024年9月]:6,358円
スキャパに関しては、オフィシャルボトルは「スキャパ14年」が2004年にリリースされ、2008年に登場する「スキャパ16年」に切り替わりました。2015年には16年物が終売となり、現在は「スキャパ スキレン」と、イギリス国内限定の「スキャパ グランサ」がオフィシャルボトルとしてリリースされています。
「スキャパ スキレン」は、長らく定番ボトルとして販売されていた「スキャパ16年」に代わり、2015年からリリースされているノンエイジボトルとなります。ファーストフィルのバーボン樽で熟成させた原酒を100%使用。
香り:はちみつ、青りんご、洋梨、かりん飴、麦芽飴、イチゴ、マーマレード。フルーティーでキャンディーのような甘やかなアロマが前面に出ています。加水すると穀物系のアロマ。レモングラス、メープルシロップ。
味わい:フレッシュで爽やか。ハーバルな印象とモルトの香ばしさ。ミディアムライトボディ。スムースでクセが少なく飲みやすい味わい。中盤以降はドライ。バニラ、ドライイチジク、優しくスパイシー。余韻はやや短め。スモーキーさは全くないので、スコッチが苦手な方にもおすすめできます。
加水後は口当たりが柔らかくなり、クリーミーに変化。アイリッシュのような穀物主体のなめらかさとは異なり、スコッチらしいドライでキレのある飲みやすさ。
「スキャパ スキレン」の人気は高く、ウイスキー専門店でも見かけることは少ないかと思います。実際、BARWHITEOAKで納品があったのも、つい最近のこと。発注しても「在庫なし」の状態が続いていました。
正規品(サントリー)に関しては、未だに「出荷調整中」となっており、スタンダードボトルにもかかわらずバッチナンバーが記載されていることからも、年間生産量は多くないことが伺えます。とはいっても、定価は7,040円(税抜)で、楽天やAmazonでは6000円台で購入できることから、そこまでレアボトルという訳でもありません。
「スキャパ スキレン」の評価としては、「ハイランドパークとは違いすぎる、オークニー諸島のソフトで美味しいモルトウイスキー」です。
スモーキ―さはなく、ノンエイジボトルとなってからも原酒の未熟さを感じません。ファーストフィル・バーボンバレルによる樽香も、スキャパ本来の個性を消してしまうほど強くはありません。
全体的にバランスがとても良い優等生。ですが、スペイサイドやハイランドとも異なるテクスチャーもあるので、個性もありつつ成績優秀。スキャパってやっぱりすごい。
公式テイスティングノート↓
スキレンは、トロピカルフルーツ、柑橘類、海岸のヒースの香りがほのかに漂う、なめらかでクリーミーな甘さから、ハニートロピカルウイスキーと名付けられています。スカパの職人が厳選した、ファーストフィルのアメリカンオーク樽でのみ熟成されています。
香り: フレッシュな洋ナシの香りがほのかに漂う、繊細な花の香り。柑橘系の酸味のある甘くフルーティーなパイナップルの香り。味: 滑らかで甘い、熟したハニーデューメロンのスライス、フルーティーな洋ナシとレモンシャーベットの味わい。フィニッシュ: 長く爽やかで、きらめく甘さ。
「スキャパ スキレン」のテイスティングレビューを通じて、その魅力や蒸留所の背景について詳しくご紹介しました。
オークニー諸島にあるスキャパ蒸留所ならではの、ノンピーテッドでライトな味わいが特徴のこのウイスキーは、フルーティーでスムースな口当たりが楽しめる一方で、他のアイランドモルトとは一線を画す独自の個性を持っています。
アイランズモルトの新たな魅力を発見できる一本。ぜひ一度、試してみてください♪
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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