
こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAKをオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
ウイスキーの飲み方に悩んだ経験はありませんか?
ウイスキーが好きだからこそ、「ウイスキーの飲み方」にはこだわりたいですよね。
私もバーテンダーになる前はどんな飲み方が一番おいしく飲めるのかを悩んでいました。そして、プロになって経験を積むことでウイスキーの飲み方にはそれぞれ特徴があることがわかりました。
この記事では
- ウイスキーの飲み方6種類
- 6種類の飲み方の特徴
- おうちで実践!作り方のコツ
を解説。
あなたの「ウイスキー人生」に大きな変化をもたらす、重要な事実を知ることができるでしょう。そしてこれまでのウイスキーの飲み方が変わるだけでなく、ウイスキーとの向き合い方、愉しみ方にも幅が広がり、充実したウイスキーライフを送れるようになると思います。ぜひ最後までご覧ください。
バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選
- ストレート(ニート)
- ハイボール
- ロック(オンザロックス)
- 水割り
- トワイスアップ
- お湯割り
バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選①ストレート(ニート)
<飲み方・作り方>
- グラスにそのままウイスキーを注ぎます。
少しだけ加水(お水を数滴だけグラスにいれる)すると、さらに香りがでる場合があります。飲み方のコツは、一気に口に含んだりせず、唇に当てるような感覚で飲むことです。少量で十分にウイスキーの味わいは感じ取れると思います。グラスは「スニフター」と呼ばれる、香りを感じやすいストレート用のグラスを使うのがベスト。おうち飲みでは代用品として、香りの広がりやすい「ロックグラス」でも大丈夫。
おすすめのスニフター(ストレート)グラス
ストレートで飲むのが一番のおすすめ
私がウイスキーの飲み方で最もおすすめするのは「ストレート」。
理由は、この飲み方がいちばんウイスキーの味がわかるから。
さまざまな飲み方がある中で、これに代わるウイスキーの飲み方はありません。ウイスキーのもっている全てを感じとることができるのです。
とは言っても…
いきなりアルコール度数40度以上ウイスキーを口に含んでも、慣れないうちは美味しく飲むことはできないと思います。ですから、まずはご自身の好きな飲み方で大丈夫。ウイスキーを飲む経験を積んで、より一層ウイスキーに対しての興味・愛情が深まった時には「ストレート」にチャレンジしてみてください。
ウイスキーをストレートで飲めるようになると、あなたのウイスキー人生が必ず豊かになります。
最後にもう一度。私がウイスキーの飲み方で最もおすすめするのは「ストレート」です。
バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選②ハイボール
<飲み方・作り方>
- タンブラーに氷をいれてウイスキーを注ぎます。
- 数回、氷とウイスキーを混ぜます。
- 炭酸をグラスの淵からゆっくりと入れます。ウイスキーと炭酸の割合のおすすめは(ウイスキー1:炭酸3)です。
- 氷を持ち上げるように「縦」に一回だけ動かします。(この辺はバーテンダーによってもいろいろな意見があります。正解はないです。) ハイボールを作るときは、しっかり冷えている炭酸を使って下さい。ぬるいと美味しくないです。あと、炭酸はどのメーカーのどれがいいのか?とよく聞かれますが、難しく考えず、普通のソーダでよいと思います。ただし、フレーバーが入っているものは、ウイスキーの味を邪魔してしまうのでダメ。あと、個人的な好みですが「強炭酸」はあまりおすすめしませんね。炭酸が強すぎて、「風味を感じにくいなー」と思ったことがあるから。
おすすめのハイボール用グラス
ハイボールで気軽に愉しむ
ハイボールはウイスキーの飲み方で、一番人気があります。
バーテンダーとして「生涯一番多く作ったカクテル」は、間違いなく「ウイスキーハイボール」になると思います。この飲み方は、日本では一般的ですが、海外だとあまり飲まれていません。

日本のウイスキーメーカーさんが、当時人気のなかったウイスキーを普及させるために、ウイスキーハイボールでの飲み方を推奨し、それが成功して広まっていきました。
ウイスキーの種類や個性に限らず、ある程度は万能な飲み方だと思います。炭酸のガス圧が香りを広げてくれますし、あとは何といっても飲みやすい。アルコール度数も日本人にあっていると言えますし、ハイボールは飲むシチュエーションを選びません。
食前~食後までいつでもウイスキーをおいしく飲める飲み方です。
ちなみにハイボールの「濃さ」の話なのですが、大手酒販メーカーのアンケート調査で分かった事実があります。それは、一般の人がどれくらいの濃さのハイボールが一番おいしいと思うか?です。
結論は、ウイスキー1:炭酸:5が最もおいしいと答えた人が多かったのです。これは、人それぞれのベストな濃さがあると思うので、あくまでも参考程度のお話です。「一般人はずいぶん薄いハイボールが好きだな…」と個人的には思いましたね(笑)
「ウイスキー1:炭酸3」 この割合でつくることを私はおすすめします。


バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選③ロック(オンザロックス)
<飲み方・作り方>
- ロックグラスに氷を入れて、ウイスキーを注ぐ。
- 軽く混ぜる。(バーテンダーによっては一切混ぜない人もいます。混ぜるのを忘れているわけではありませんからね)
おすすめのロックグラス
ゆっくりと時間をかけてたのしみたい
ウイスキーロックは、バーではハイボールに次いでよく飲まれている飲み方です。海外でもよく飲まれています。氷は「スーパーやコンビニで売っているロックアイス」で十分。
おすすめできないのは、製氷機の氷と冷凍庫で固めた丸氷(丸氷をつくる型を使った氷)です。両方とも空気が多く含まれているためけやすくなっており、ウイスキーが急激に薄まってしまう恐れがあります。
冷凍庫で固めた丸氷は、形が丸いので…確かに雰囲気こそバーっぽさがでてますが、実際は家庭用の冷凍庫で固めているので、製氷機でつくったものと同じレベルの氷だからです。

そもそも、丸い形に固めた氷が「丸氷」ではないですよ。良質な角氷を、丸く成型したものこそ「丸氷」です。
それと、バーテンダーの使っている氷は、氷屋さんの固くしまっているものなので、コンビニの氷が良くなっているとはいえ、バーでの使われている氷が最強ですね。
ウイスキーロックの良いところは、加水によって少しずつ、ウイスキーの味が変化していくのを楽しめるところ。ゆっくり時間をかけて飲むことが、ほかのウイスキーの飲み方にはない魅力の一つ。また、ウイスキーの飲み方としてはストレートよりも刺激が少ないため、ウイスキーが飲みやすくなるのもいいところです。
バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選④水割り
<飲み方・作り方>
- タンブラーに氷をいれてウイスキーを注ぎます。
- 数回、氷とウイスキーを混ぜます。
- 水を入れて混ぜます。(水は計って入れるほうがいいです。)
ウイスキーの水割りは、入れる水の量が重要。ウイスキーと水のおすすめの割合は、(ウイスキー1:水2.5~3)です。水割りの場合はハイボールの時よりも、割る量に気を付けてください。水とウイスキーの味わいを感じなくなってしまいます。
水割りはハイボールが流行りだしてからは、注文されることが少なくなりましたが、それでも人気の飲み方です。水割りは海外ではほとんど飲まれませんので、海外のバーなんかでウイスキーの水割りを頼むと、「ジャパニーズ・クール!」なんて思われるかも。
水割り用におすすめの「ミネラルウォーター」
日本で生まれた、食事中にあうウイスキーの飲み方
水割りの良いところは、アルコールの刺激がすくなくて飲みやすいところ。ハイボールと同じですが、食前~食後までいつでも飲めるところ。とくに、食事とのマリアージュの点で優れています。
全ての料理との相性がよいですから、食事中のウイスキーの飲み方としては一番おすすめですね。

個人的にはハイボールよりも水割りのほうが好き。炭酸がないほうがウイスキーの味が変化しにくいので。
バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選⑤トワイスアップ
<飲み方・作り方>
- スニフター(ストレート用グラス)にウイスキーを注ぐ。
- ウイスキーと同量の常温の水をいれる。
- グラスを手に持ち、スワリング(グラスをくるくると回してウイスキーと水を合わせること)する。
飲み方は、ストレートと同じように口に少量ずつ含んで飲みます。ポイントは常温の水を使うことです。冷たい水だとウイスキーの香りが閉じてしまうからです。
トワイスアップはストレートと同じように、ウイスキーの本来の味わいがたのしめるのでおすすめです。トワイスアップという飲み方は、ウイスキーの商品開発をする「ブレンダー」がウイスキーの香りを判別するために使う飲み方となります。
ウイスキーと水を1:1で割ると、アルコール度数は20%~25%程度になります。じつはこのアルコール度数こそが、ウイスキーの香りを一番感じとれる状態。
ウイスキーの香りを最大限に活かした、プロも実践している飲み方
私の場合は、まずはストレートでウイスキーを注文して、残り3分の1くらいになったら、自分で水をいれてトワイスアップを作ります。そうすると、ストレートでは感じることができなかったアロマを発見できるのです。
トワイスアップはウイスキーのプロも実践している飲み方ですから、試したことのないかたは是非とも挑戦してみてください。「ストレート」に次いで、おすすめするウイスキーの飲み方です。
バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選⑥お湯割り(ホットウイスキー)
<飲み方・作り方>
- ホット用のタンブラーやカップにウイスキーを注ぎます。
- 熱湯をお好みの量入れて、2、3回軽く混ぜます。
お湯の温度は90℃~80℃くらいがいいと思います。
熱すぎるとアルコールと一緒に、ウイスキーの香りも抜けてしまうからです。
お湯割りは、正直に言うとほとんど頼まれたことがありません。ですが、昔から飲まれてきたスタンダードなウイスキーの飲み方です。

バーでは空調が効いていますから、冬でも「寒いから…ホットウイスキーで!」とはあまりならないみたいですね。
ウイスキーお湯割り用のおすすめ耐熱グラス
香りが爆発!寒い日にのみたい…
ホットウイスキーの良いところは、香りの出かたが半端なく強いところです。
私の経験上、特にすごいのがアイラ島の癖の強いスコッチウイスキーです。もともと香りが強いウイスキーなのですが、普段よりもさらに強烈な消毒液の香りが店内中に充満しました!例えるならタバコやシガーの香り以上に強くて、そのときは、病院の待合室よりも、消毒液の香りが強いレベルでした。
ウイスキーの香りをダイレクトに感じとれる飲み方が、ウイスキーのお湯割り(ホットウイスキー)です。ちょっと寒い日に、バーやご自宅で。アウトドアでもおすすめの飲み方。
バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選 その他の飲み方(ミスト・ハーフロック・ウイスキーフロート)
他にはこのような飲み方があります。
ミスト
クラッシュアイスにウイスキーをいれて飲むスタイルです。
ごめんなさい。個人的にはオススメしていません。小さい氷の粒が口に入ったりするのがあんまり好きではないからです。冷たくウイスキーを飲むなら「オンザロック」でいいと思っています。ウイスキーをベースとした「カクテル」ならクラッシュアイスも悪くありませんが…
ハーフロック
「オンザロック」にウイスキーと同量の水を加えて作ります。ウイスキー1:水1の「濃い水割り」とも言えます。ロックだときつい…水割りだと薄い…そんな気分の時はハーフロックも有りだと思いますね。
ウイスキーフロート
グラスに氷と水をいれて、その上にウイスキーを静かに注ぎます。ウイスキーと水を混ぜずに「層」を作って提供するスタイルのこと。最初は混ざっていない状態ですが、飲み続けることで次第にウイスキーと水が混ざっていき、味の変化を楽しめるというおもしろい飲み方です。
作るのが難しいので、まず最初はバーで注文して飲んでみることをおすすめします。
まとめ
バーテンダーが解説!ウイスキーおすすめの飲み方6選【2021年版】
・ストレート(ニート) →この飲み方がいちばんウイスキーの味がわかる
・ハイボール →ウイスキーの種類や個性に限らず万能な飲み方
・オンザロック →ウイスキーの味が変化していくのを楽しめる
・水割り →食事中のウイスキーの飲み方としては一番おすすめ
・トワイスアップ →ウイスキーのプロも実践している飲み方
・その他 ミスト、ハーフロック、ウイスキーフロート
ウイスキーの飲み方は、人それぞれ違っていていいと思っています。
しかし、ウイスキーの種類や個性」によっては、最大限にその味わいを表現できない場合があります。そうならないために、バーなどで初めて飲む銘柄の場合はおすすめの飲み方をバーテンダーに相談するのもありだと思います。
さいごに、バーテンダーの経歴9年の私が皆さんに伝えたいのは
ウイスキーの飲み方は、飲むウイスキーの銘柄を決めるのよりも重要であること!
この記事が参考になってくれたらうれしいです。ご自身にあう飲み方で、素敵なウイスキーライフを送ってください!

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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