ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?

ユースケ
ユースケ

こんばんは。ユースケです。

僕の自己紹介:経歴9年の現役バーテンダー。ウイスキー文化研究所認定「ウイスキーエキスパート」。JSA認定「ソムリエ」。

この記事ではカナディアンウイスキーのことを、わかりやすく初心者向けにお話しようと思います。

皆さんは、「カナディアンウイスキー」をのんだことがありますか?最近はスコッチバーボンが人気になりましたが、コアなファンが多いのがカナディアンウイスキーです。日本ではちょっと人気に火がつかないウイスキーですが、カナディアンウイスキーは世界のウイスキーの代表である「5大ウイスキー」の一つです。

実は、カナディアンウイスキーはアメリカでとても人気があります。生産量の7割がアメリカで消費されています。カナダとアメリカはお隣同士ということもあって、アメリカンウイスキーとカナディアンウイスキーには歴史的にみても密接な関りがあるのです。

そんな話も含めまして、今回はちょっとマイナーなカナディアンウイスキーの紹介と、誕生の歴史についてもお話しします。

カナディアンウイスキーにいままで興味がなかった方も、最後まで是非ご覧ください。

 

ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?

カナディアンウイスキーとは

穀物を原料に作られるウイスキーで、どちらかというと「バーボンに近い系統のウイスキー」になります。

蒸留所は11か所ほどあって、生産規模が大きい大手企業(海外資本も含む)の所有がほとんどです。この辺もアメリカンウイスキーと似ている所ですね。

味わいのイメージは、バーボンを少し飲みやすくしたような感じです。

5大ウイスキーの中では一番マイルドで軽いウイスキーと言われています。

「飲みやすいウイスキー」これがカナディアンウイスキーの最大の特徴といえますね。ライトな口当たりから、何杯のんでも疲れてこないウイスキー。カナディアンウイスキーにしかないこの魅力が人気の秘訣になっています。

 

カナディアンウイスキーの定義

カナディアンウイスキーの法定義です。

法定義

穀物を原料に酵母によって発酵を行い、カナダで蒸留し、小さな樽(700リットル以下)で、最低3年間貯蔵したもの

ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2015下巻』より引用

ウイスキーコニサー資格認定試験教本
↓2018上巻


↓2020中巻

↓2021下巻

これは最低限の法定義になります。カナディアンウイスキーにはこの他にもルールがあります。重要なところを要約してまとめてみました。

  • カナダ国内で糖化、蒸留、熟成を行う。
  • 樽詰めの度数は40%以上で、3年間以上、木製の樽で熟成させる。
  • フレーバー(カナディアン以外のスピリッツやワインなど)を添加してもよい。
  • カナディアンウイスキーとして認められる品質であること。

「小さな樽=700リットル以下」と表記してありますが、そもそも700リットルという樽をウイスキーの熟成で使うことはありません。サイズが大きすぎるからです。世界中探してもこのサイズの樽を、ウイスキーの熟成に使うことはないです。

ですから、「常識的なサイズの樽で熟成させる」という意味に捉えることができますね。

「フレーバーを添加してよい」というところですがこれはカナディアンウイスキー特有のルールで、他のお酒を添加しても良いことになっています。

ちょっと驚きですよね?

他のウイスキーの例から見ると、スコッチ、アイリッシュ、アメリカンでは他のお酒が入ることは一切禁止です。唯一、添加が許されているのは、色を付けるために使われる「カラメル色素」くらいです。これは、ウイスキーの風味に影響を与えるものではありません。

カナディアンウイスキーはウイスキーの風味に影響を与えるような、スピリッツ(蒸留酒)やワイン(カナダ産以外の物を含める)を添加していいことになっていて、5大ウイスキーの中でもカナディアンだけの特別なルールとなっています。

でも、あまりにも他のお酒を大量に入れたら、当然ですが「ウイスキー」ではなくなります。そうならない為に、「9.09%までは加えてもいい」という量の制限が付いたルールになっています。

 

ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?3種類あります

カナディアンウイスキーは、大きく3種類に分かれています。

  • フレーバリングウイスキー(ブレンド用原酒)
  • ベースウイスキー(ブレンド用原酒)
  • カナディアン・ブレンデッドウイスキー

 

1と2は原酒として製造されます。(そのままでは製品化されません)

この二つをブレンドしたものが3の「カナディアン・ブレンデッドウイスキー」です。

現在、カナディアンはほとんどが、このブレンデットウイスキーになっています。

ユースケ
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その他「シングルモルト」や「ライウイスキー」のようなタイプも作っていますが、ここでの解説はカナディアンウイスキーの主流である「ブレンデッドウイスキー」のことを話します。

 

≪フレーバリングウイスキー≫

アメリカのバーボンウイスキーに似たタイプの力強いタイプのウイスキー。ブレンデッドの原酒用。

フレーバリングウイスキーは、ライ麦、トウモロコシ、大麦麦芽などを原料にしています。蒸留器はバーボンで使われるような連続式蒸留器がよく使われています。そして、作り方も味わいもバーボンに似ています。バーボンよりもライ麦由来のスパイシーな風味があり、重厚でしっかりしたタイプのウイスキーです。

ブレンデッドウイスキーにした時の、味の「核」になるのがフレーバリングウイスキーです。

 

≪ベースウイスキー≫

ニュートラルスピリッツ(熟成前の状態)に近い、軽いタイプのウイスキー。ブレンデッドの原酒用。

トウモロコシなどを原料に、連続式蒸留器で、フレーバリングウイスキーのときよりも高いアルコール度数に蒸留します。ベースウイスキーはクセがなく、よりニュートラルなスピリッツを目指して作られるのです。

そのあと、古樽に入れられ、熟成が少ない状態の若くて軽いウイスキーにします。ブレンデッドウイスキーの味のベースになる為に作られるのが、ベースウイスキーです。

 

≪カナディアン・ブレンデッドウイスキー≫

フレーバリングウイスキーとベースウイスキーをブレンドして作る。現在のカナディアンウイスキーの主流。

主な銘柄:カナディアン・クラブ、クラウンローヤル、アルバータ・スプリングスなど

現在のカナディアンウイスキーのほとんどが、このブレンデッドウイスキーです。

ブレンデッドウイスキーのブレンド比率

  • フレーバリングウイスキー 10~30%
  • ベースウイスキー 70~90%
  • (その他のお酒 9.09%までは添加しても良い。または入れなくてもよい)
ユースケ
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添加するお酒は、ほとんどの場合「バーボンウイスキー」です。

その他にはフルーツブランデーや酒精強化ワインなどを入れます。

カナディアンウイスキーは2種類の原酒をブレンドして作る、ブレンデッド・カナディアンウイスキーが主力商品になっているのです。

 

ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?カナディアンの歴史

カナディアンウイスキーの歴史について、簡単にご説明します。

1756~1763年 英仏植民地戦争。カナダはフランスの植民地になります。その後、1763年のパリ平和条約により、イギリスに譲渡されます。

1769年 カナダ・ケベック州に「ジョン・モルソン蒸留所」が設立。公式記録でカナダ初の蒸留所です。

1776年 アメリカ独立宣言。独立戦争後、イギリス王室支持者たちは、アメリカに住むのを嫌がりました。そして、イギリスの植民地であるカナダへ移住。ライ麦や小麦などを作りました。やがて余剰な穀物を使ったウイスキー産業が、五大湖周辺のエリアで発展していきます。現在のカナディアンウイスキーの土台がここから始まります。

1840年代 カナダ統一政府誕生。この頃、カナダ全土で200以上のウイスキー蒸留所がありました。

1860年代 カナディアンウイスキーのアメリカへの輸出が始まります。

1882年 ハイラム・ウォーカーがウイスキービジネスで成功。「クラブ」を商標登録。のちに、「カナディアン・クラブ」となり、世界中で知れ渡るようになっていきます。

1920~1933年 アメリカ禁酒法時代。アメリカではウイスキーを製造できなくなった為、カナディアンウイスキーの需要が一気に高まります。カナダはウイスキーの輸出を禁止していませんでした。アメリカへの密輸が大量に行われ、カナディアンウイスキーの全盛期となります。
ユースケ
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密輸はカナディアンウイスキーの発展に貢献したけど、マフィアの活動資金にもなって社会問題になったよ。

1930年代~1970年代 大手企業による蒸留所の買収や統廃合が盛んに行われます。1972年にはシーグラム社がキリンビールと共同出資して「キリン・シーグラム社」を設立。

1980年代 ハードリカー不況。蒸留所の閉鎖が相次ぎます。大手企業による統廃合がさらに進みます。

そして現在

かつて200以上あったカナディアンウイスキーの蒸留所も、統廃合の結果、現在は11か所ほどになりました。

アメリカンウイスキーと同様に、大手企業の資本力によって大量生産と品質管理ができるようになり、カナディアンウイスキーは発展していきました。

そして、今では5大ウイスキーで一番クセがなく、飲みやすいウイスキーとして、再び人気を取り戻しています。

カナディアンウイスキーの歴史 まとめ

  • カナディアンウイスキーはカナダに移住した人たちによって作られ始める。
  • アメリカ禁酒法時代に大量に消費され、その後もアメリカの市場を獲得することで大きく発展。
  • ウイスキー不況で統廃合があったが、大手企業の資本力により人気になっていった。

 

ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?おすすめの飲み方

カナディアンウイスキーのおすすめの飲み方

 

結論 「オンザロックス」「ハイボール」「水割り」

 

カナディアンウイスキーは軽くて飲みやすいウイスキーです。モルトウイスキーやバーボンのように、ウイスキーの味わいに個性がありません。ウイスキーの味が単調だと、「ストレート」で飲むと途中で飽きてしまう感覚があります。ですから、少し割って飲む飲み方がおすすめですね。

ユースケ
ユースケ

私はロックや水割りが好きですね!

ウイスキーの飲み方はこちらの記事も参考にしてください。

 

ただし、高級なカナディアン・ブレンデッドウイスキー(長期熟成など)、カナディアン・シングルモルトはストレートで飲んだほうがよいです。

 

ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?おすすめカナディアンウイスキー

ウイスキー初心者、またはカナディアンウイスキー初心者向けにおすすめの銘柄をご紹介します。今回の選考基準は「カナディアンウイスキーといったらこれですよ!」といった王道のウイスキーです。カナディアンウイスキーは、この3本を飲めば「知っている」ことになります!

値段も割とリーズナブルですので是非飲んでみてください。

おすすめカナディアンウイスキーその1「カナディアン・クラブ12年」

おすすめポイント!

☆超有名なカナディアンウイスキーの代表格。

☆ちょっとリッチな12年熟成だけど、安くておいしい。

☆ただ飲みやすいだけでなく、しっかりとしたコクがある。

おすすめカナディアンウイスキーその2「クラウンロイヤル」

おすすめポイント!

☆イギリス王室のために作られたカナディアンウイスキーの代表格。

☆とにかく飲みやすい!軽快な味わいとドライさが魅力的。

☆普段から飲めるお手頃な価格。

おすすめカナディアンウイスキーその3「カナディアンミスト」

☆ライ麦を主原料に作ったカナディアンウイスキー。おすすめポイント!

☆スパイシーな風味と樽熟成からの甘みを感じる。

☆飲みやすいだけでない、複雑でしっかりとした味わい。

 

まとめ

・ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?

→カナダで作られる、5大ウイスキーの中では一番マイルドで軽いタイプのウイスキー。

・ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?3種類あります

→「フレーバリングウイスキー」「ベースウイスキー」「ブレンデッドウイスキー」

・ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?カナディアンウイスキーの歴史

→アメリカからの移民によって生まれる。禁酒法時代に人気なり、その後世界中に輸出される。

・ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?おすすめの飲み方

→「オンザロックス」「ハイボール」「水割り」

・ウイスキー初心者向け講座 カナディアンウイスキーとは?おすすめカナディアンウイスキー

→「カナディアン・クラブ12年」

→「クラウンロイヤル」

→「カナディアンミスト」

 

カナディアンウイスキーの種類から歴史まで、たっぷり解説させて頂きました!

アメリカ禁酒法時代に密造酒として大きく飛躍したカナディアンウイスキー。その後もアメリカ市場で高い人気を維持し、現在は世界中で愛されるウイスキーとなりました。

現在は、マイクロディスティラリーが増え、カナディアンウイスキーは新しい時代を迎えています。これまで飲みやすいウイスキーをつくってきたカナディアンですが、近い将来、個性の強いウイスキーが一般的になる可能性もありますね。これからもカナディアンウイスキーに注目していきたいと思います。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧いただきありがとうございました。それでは、また。

 

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