Black Bull ブラックブル

Black Bull ブラックブル

種類:ブレンデッド・スコッチウイスキー
ブランドオーナー:ダンカンテイラー・スコッチウイスキー
ブランドの起源:1864年
ダンカンテイラーによる再始動:2009年
主要モルト:非公開
ブラックブル12年:モルト50%/グレーン50%
熟成年数:12年以上
アルコール度数:50%
容量:700ml
熟成樽:シェリー樽、バーボン樽
参考価格:約4,500~6,300円前後

「Black Bull(ブラックブル)」は、1864年まで歴史をさかのぼるブレンデッド・スコッチウイスキーです。

現在は、スコットランドの独立系ウイスキー会社「ダンカンテイラー・スコッチウイスキー」が所有しています。

ブラックブル最大の特徴は、一般的なブレンデッドスコッチと比べてモルト原酒の比率が高く、アルコール度数も50%と高めに設定されていること。

代表商品の「ブラックブル12年」は、

モルトウイスキー50%
グレーンウイスキー50%
アルコール度数50%

という、いわば「50・50・50」の個性的な設計です。

シェリー樽とバーボン樽で12年以上熟成したモルトとグレーンを使用し、濃厚で力強い味わいに仕上げられています。

ブラックブルは1864年誕生の歴史あるブランド

ブラックブルは、ダンカンテイラーによって新しく作られたブランドではありません。

その歴史は1864年までさかのぼります。

スコットランド・ダンディーのウイスキーブレンダー「George Willsher & Co.」によって誕生したブランドで、当時からモルト原酒の比率が高く、高いアルコール度数で瓶詰めされる力強いブレンデッドウイスキーとして知られていました。

その後、ブラックブルはアメリカ市場でも展開され、禁酒法が廃止された1930年代以降に大きく成長。

100プルーフという高いアルコール度数を特徴とする、個性的なスコッチとして支持を集めました。

しかし、時代の変化とともにブランドの存在感は低下していきます。

後にブラックブルの権利を取得したダンカンテイラーが、ブランド本来の高モルト・高プルーフという方向性を生かして復活させました。

ダンカンテイラーとは?

ブラックブルを現在所有する「Duncan Taylor Scotch Whisky(ダンカンテイラー)」は、1938年にグラスゴーで設立された独立系ウイスキー会社です。

もともとはスコッチウイスキーの樽を売買する「カスクブローカー」としてスタートしました。

1960年代には、アメリカでウイスキー事業を展開していたエイブ・ローゼンバーグが会社を取得。

ローゼンバーグは将来の熟成を見越して、スコットランド各地の蒸留所から大量のモルトとグレーンウイスキーの樽を購入しました。

その結果、ダンカンテイラーは現在でも希少な長期熟成原酒を多数保有する独立系ボトラーとして知られています。

2002年にはスコットランド人ウイスキー商ユアン・シャンドが会社を取得し、本拠地をアバディーンシャーのハントリーへ移転。

現在はシングルモルトやシングルグレーンに加え、「The Octave」「Black Bull」など、多数の商品を展開しています。

2009年にブラックブルを本格的に復活

ブラックブルのブランド権は、ダンカンテイラーが取得した資産のひとつでした。

ユアン・シャンドは、歴史あるブラックブルを現代に復活させることを決断。

2009年頃から新しいラインアップを積極的に展開しています。

復活にあたって重視されたのが、ブラックブル本来の

「モルト比率を高くする」
「高いアルコール度数で瓶詰めする」

という考え方です。

一般的なスタンダードクラスのブレンデッドスコッチが40%前後であるのに対し、ブラックブルの主要商品は50%。

ブレンデッドでありながら、シングルモルトのような濃厚さや原酒感を楽しめる個性的なブランドとして復活しました。

ブラックブル12年は「50・50・50」

ブラックブルを代表する商品が「Black Bull 12 Year Old」です。

最大の特徴は、

モルト原酒:50%
グレーン原酒:50%
アルコール度数:50%

という構成。

モルト比率50%は、一般的なブレンデッド・スコッチウイスキーと比較しても高い割合です。

12年以上熟成したモルトウイスキーとグレーンウイスキーを使用し、シェリー樽とバーボン樽で熟成された原酒をブレンドしています。

アルコール度数は100プルーフ=50%。

加水しすぎずに高い度数で瓶詰めすることで、モルトや樽由来の風味を濃厚に残しています。

主要モルトは非公開

ブラックブル12年には、スコットランド各地の厳選されたモルトウイスキーとグレーンウイスキーが使用されています。

ただし、現在の公式情報では具体的な蒸留所名や配合比率は公開されていません。

ダンカンテイラーは長年にわたり、スコットランド各地の有名蒸留所から樽を購入してきた会社。

その豊富なストックの中から、熟成状態や香味を確認してブラックブルに適した原酒を選んでいます。

「主要モルトがどこの蒸留所なのか」という楽しみ方よりも、複数の高品質なモルトとグレーンをダンカンテイラーがどのようにまとめるのか、という点に注目したいウイスキーです。

ノンチルフィルタード・ナチュラルカラー

ブラックブル12年は、ダンカンテイラーらしく原酒本来の個性を重視したスタイルです。

冷却ろ過を行わない「ノンチルフィルタード」で瓶詰めされ、人工的な着色も行わないナチュラルカラー仕様として展開されています。

さらに50%という高いアルコール度数で瓶詰めすることで、香味成分をできるだけ残しています。

ブレンデッドウイスキーでは40%前後まで加水し、冷却ろ過を行う商品も多いため、この仕様はブラックブルの大きな個性です。

ボトラーズブランドらしい考え方を、ブレンデッドスコッチにも採用した商品といえるでしょう。

ブラックブル12年の味わい

ブラックブル12年は、50%という高いアルコール度数に負けない、濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。

公式テイスティングノートでは、香りに、

チョコレート
トフィー
シェリー
バニラ
レモンシャーベット

などが表現されています。

口に含むと、ミルクチョコレート、糖蜜を思わせるトフィー、洋梨、青リンゴ、バニラなど。

50%という度数から想像するほど荒々しいだけではなく、熟した果実や甘さを伴った丸みのある味わいです。

フィニッシュには濃厚なフルーツとクリーミーな甘さが長く残ります。

一般的な40%のブレンデッドスコッチでは少し物足りないという方にもおすすめです。

おすすめの飲み方

ブラックブル12年を初めて飲むなら、まずはストレートがおすすめです。

50%という高いアルコール度数によって、シェリー樽由来の果実味やチョコレート、バニラ、モルトの風味をしっかり確認できます。

アルコールの刺激が強い場合は、少量ずつ水を加えるのもおすすめ。

加水すると香りが開き、バニラや洋梨、リンゴなどのフルーティーさが感じやすくなります。

ハイボールにしても50%という高い度数とモルト比率のおかげで、ウイスキーの味が炭酸に負けません。

濃いめのハイボールにすると、通常のスタンダードブレンデッドとは違った、力強い味わいを楽しめます。

ブラックブル カイロー

ブラックブルには、12年物以外にも「Black Bull Kyloe(ブラックブル カイロー)」があります。

アルコール度数は12年と同じ50%。

「Kyloe」は、スコットランドの厳しい自然環境で育つハイランド牛の古い呼び名に由来しています。

熟成年数表記を持たないノンエイジの商品で、バーボン樽やシェリー樽で熟成されたモルトとグレーンを使用。

12年物よりもリーズナブルで、ブラックブルのパワフルなスタイルを気軽に楽しめる一本です。

日本でも比較的入手しやすく、2026年時点では2,000円台後半から3,000円台で販売されています。

ピーテッドタイプも存在

「Black Bull Kyloe Peated Finish」は、ブラックブルのスモーキーなタイプです。

アルコール度数は50%。

モルトとグレーンウイスキーをブレンドした後、ピーテッドウイスキーを熟成していた樽でフィニッシュしています。

香りには乾いたスモーク、塩気、麦芽、青リンゴ、ブラウンシュガー。

味わいにはアーシーなピート、ローストナッツ、柑橘、甘さなどが感じられます。

スタンダードのカイローよりもスモーキーですが、ピート一辺倒ではなく、ブラックブルらしい甘さと力強さも残したタイプです。

ブラックブル30年と「Blended at Birth」

旧記事では、「ブラックブル30年はニューポットの段階でモルトとグレーンを混ぜ、30年間熟成したウイスキー」と紹介していました。

このエピソードには背景があります。

ダンカンテイラーがブラックブルを復活させた初期に、同社の倉庫から非常に珍しい古い原酒が発見されました。

それは1970年代にモルトとグレーンを非常に早い段階でブレンドし、そのまま3樽で約30年間熟成されていたもの。

関係者はこれを「blended at birth(生まれた時からブレンド)」と表現しています。

この原酒の品質が非常に高かったことが、ダンカンテイラーによるブラックブル復活のきっかけのひとつとなりました。

ただし、「ブラックブル30年はすべてニューポット段階でブレンドして30年間熟成する」という意味ではありません。

近年発売された30年物の限定商品では、30年以上熟成したモルトウイスキーとグレーンウイスキーの樽を厳選し、ブレンドして造られています。

旧記事の説明は、特定の歴史的なブラックブル30年に関する製法として理解するのが適切です。

ブラックブルの現在価格

ブラックブル12年は、日本国内でも現在流通しています。

2026年時点では700ml・50%で、おおむね4,500~6,300円前後。

販売店によって正規品・並行輸入品、在庫状況などが異なるため価格には幅があります。

以前の参考価格4,000円と比較すると値上がりしていますが、

12年以上熟成
モルト比率50%
アルコール度数50%
ノンチルフィルタード

というスペックを考えると、現在でも特徴のはっきりしたブレンデッドスコッチです。

ブラックブルのまとめ

ブラックブルは、1864年まで歴史をさかのぼるブレンデッド・スコッチウイスキーです。

現在は独立系ボトラー「ダンカンテイラー」がブランドを所有し、2009年以降、本格的に再展開しています。

代表商品のブラックブル12年最大の特徴は、

モルト50%
グレーン50%
アルコール度数50%

という「50・50・50」のスタイル。

一般的なブレンデッドスコッチよりモルト比率とアルコール度数が高く、チョコレート、トフィー、シェリー、バニラ、洋梨、リンゴなど、濃厚でクリーミーな味わいを楽しめます。

さらにカイローやピーテッドフィニッシュ、長期熟成の限定品など、個性的な商品も展開。

ダンカンテイラーが持つ豊富な原酒ストックとブレンディング技術を生かした、ボトラーズブランドならではのブレンデッドスコッチです。

 

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