ジェムソン(Jameson)

種類:ブレンデッド・アイリッシュウイスキー
ブランドオーナー:アイリッシュ・ディスティラーズ(ペルノ・リカール)
創業:1780年
創業者:ジョン・ジェムソン
蒸留所:ミドルトン蒸留所
生産地:アイルランド・コーク県ミドルトン
原酒:ポットスチルウイスキー、グレーンウイスキー
蒸留回数:3回
アルコール度数:40%
容量:700ml
参考価格:約1,800~2,200円
ジェムソンとは
「ジェムソン(Jameson)」は、アイルランドを代表するブレンデッド・アイリッシュウイスキーです。
現在、世界で最も売れているアイリッシュウイスキーブランドとして知られ、アイルランド国内だけでなく世界各国で販売されています。
ブランドの歴史は1780年に始まります。スコットランドのアロアに生まれたジョン・ジェムソンは、1770年代後半にアイルランドのダブリンへ移り、1780年にボウ・ストリートの蒸留所でウイスキー造りを始めました。
19世紀にはダブリンを代表する大規模蒸留所へと成長し、ジェムソンはアイリッシュウイスキーを象徴するブランドの一つとなります。
しかし20世紀に入ると、戦争やアメリカの禁酒法、輸出市場の縮小などによって、アイリッシュウイスキー産業全体が長い低迷期を迎えました。
1966年に「アイリッシュ・ディスティラーズ」を設立
アイリッシュウイスキー産業が厳しい状況に置かれるなか、1966年に「ジョン・ジェムソン&サン」「ジョン・パワー&サン」「コーク・ディスティラリーズ・カンパニー」の3社が統合。
新会社「アイリッシュ・ディスティラーズ(Irish Distillers)」が設立されました。
その後、生産拠点を一本化するため、コーク県ミドルトンに新しい蒸留所を建設。1975年からジェムソンの生産は「新ミドルトン蒸留所」へ移されました。
かつてジェムソンを造っていたダブリンのボウ・ストリート蒸留所は現在、蒸留を行っていませんが、「Jameson Distillery Bow St.」としてブランドの歴史を伝える観光施設となっています。
1988年にはアイリッシュ・ディスティラーズがフランスの大手酒類グループ「ペルノ・リカール」の傘下となり、ジェムソンは世界市場で大きく成長しました。
現在もジェムソンは、ミドルトン蒸留所で生産されています。
ポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーをブレンド
ジェムソンのスタンダードボトルは、2種類の異なるウイスキーを組み合わせたブレンデッド・アイリッシュウイスキーです。
一つは、モルト化した大麦と未発芽大麦を使用し、銅製ポットスチルで蒸留する「ポットスチルウイスキー」。
もう一つが、主にトウモロコシなどを原料として連続式蒸留機で造る「グレーンウイスキー」です。
濃厚でスパイシーな個性を持つポットスチル原酒と、軽やかで穏やかなグレーン原酒をブレンドすることで、ジェムソンらしいバランスの取れた味わいを生み出しています。
ジェムソンの特徴は「3回蒸留」
ジェムソンを語るうえで欠かせないのが「3回蒸留」です。
スコッチウイスキーでは2回蒸留が一般的ですが、ジェムソンではポットスチルウイスキー、グレーンウイスキーともに3回蒸留を行います。
蒸留を重ねることで酒質を軽やかに整え、ジェムソン特有のスムースで飲みやすいスタイルを作り出しています。
アイリッシュウイスキーのすべてが3回蒸留というわけではありませんが、ジェムソンにとってはブランドを象徴する重要な製法の一つです。
バーボン樽とシェリー樽で熟成
蒸留した原酒はオーク樽で熟成されます。
ジェムソンでは主に、アメリカンウイスキーの熟成に使用されたバーボン樽と、シェリーの熟成に使われたシェリーバットを使用しています。
バーボン樽からはバニラやキャラメル、甘いスパイスなどの風味が加わり、シェリー樽からはドライフルーツやナッツを思わせるニュアンスがもたらされます。
これらの原酒をブレンダーが組み合わせることで、毎回安定したジェムソンの味わいを作り上げています。
ジェムソンの味わい
ジェムソンは、アイリッシュウイスキーらしいスムースな口当たりと、穏やかな甘みが特徴です。
香りは軽やかで、バニラ、ハチミツ、穀物、ほのかなフローラル感。口に含むと柔らかな甘みとナッツ、バニラに加え、ポットスチル原酒由来の軽いスパイス感が広がります。
余韻も比較的穏やかで、クセが強すぎないため、アイリッシュウイスキーを初めて飲む方にもおすすめしやすい一本です。
ストレートやロックはもちろん、ハイボールやジンジャーエール割りなどにも合わせやすく、幅広い飲み方で楽しめます。
世界を代表するアイリッシュウイスキー
ジェムソンは現在、世界で最も売れているアイリッシュウイスキーとして、そのカテゴリーを代表する存在となっています。
アイリッシュ・ディスティラーズによると、2020年代には年間販売量が1,000万ケースを突破。2026年度においても、世界最大のアイリッシュウイスキーブランドとしての地位を維持しています。
200年以上にわたる歴史を持ちながら、比較的リーズナブルな価格で購入できることもジェムソンの魅力です。
「アイリッシュウイスキーを飲んでみたい」という方なら、まず候補に入れておきたい定番銘柄といえるでしょう。
