Antiquary アンティクァリー

種類:ブレンデッド・スコッチウイスキー
ブランドオーナー:トマーティン・ディスティラリー社
ブランド誕生:1888年
親会社:宝酒造
構成原酒:ハイランド、スペイサイドのモルト/ローランドのグレーン
現行ラインアップ:15年、21年、30年
アルコール度数:40%
容量:700ml
「The Antiquary(アンティクァリー)」は、1888年に誕生した歴史あるブレンデッド・スコッチウイスキーです。
ブランド名は、スコットランドを代表する作家サー・ウォルター・スコットが1816年に発表した小説『The Antiquary(ジ・アンティクァリー)』に由来しています。
「Antiquary」とは、古物や古文献などを研究・収集する「好古家」を意味する言葉です。
現在は、シングルモルト「トマーティン」を製造するトマーティン・ディスティラリー社がブランドを所有しています。
日本では以前「アンティクァリー12年」が比較的よく知られていましたが、2024年にブランドが大きくリニューアルされ、現在の公式ラインアップは15年、21年、30年を中心とした構成に変更されています。
アンティクァリーの歴史
アンティクァリーのルーツは、19世紀のエディンバラにあります。
1857年、ジェームズ・ハーディーによって、紅茶やワイン、スピリッツなどを扱う商社が設立されました。
その後、息子のジョンとウィリアムが事業に加わり、ウイスキーのブレンディングにも進出。
1888年、「The Antiquary」がブランドとして登録されました。
名前の由来となったのが、サー・ウォルター・スコットの小説『The Antiquary』です。
長い歴史の中でブランドの所有者は何度か変わりましたが、1996年にJ&Wハーディー社がトマーティングループの傘下に入り、アンティクァリーもトマーティン・ディスティラリー社のブランドとなりました。
トマーティン蒸留所とアンティクァリー
現在アンティクァリーを所有するトマーティン・ディスティラリー社は、スコットランド・ハイランド地方にあるトマーティン蒸留所を運営しています。
トマーティン蒸留所は1897年創業。
1970年代には23基ものポットスチルを所有し、世界最大級のモルトウイスキー蒸留所となった時代もありました。
しかし、1980年代のスコッチ不況によって経営が悪化し、1986年に宝酒造と大倉商事が蒸留所を買収。
現在も宝酒造がトマーティン・ディスティラリー社の過半数株主となっています。
つまりアンティクァリーは、スコットランドで造られるブレンデッドスコッチですが、日本企業と非常に深い関係を持つブランドでもあります。
アンティクァリーの原酒と味わい
アンティクァリーは、ハイランドとスペイサイドのモルトウイスキーに、ローランドのグレーンウイスキーを組み合わせたブレンデッド・スコッチです。
ブランドの特徴は、一般的なブレンデッドウイスキーと比べてモルト原酒の存在感を重視していること。
トマーティン公式も、アンティクァリーについて「高いモルト比率」を特徴のひとつとして紹介しています。
旧来のアンティクァリー12年もモルト比率の高いブレンデッドとして知られ、日本国内の商品情報ではモルト原酒を45%使用した仕様として販売されていました。
味わいはフローラルで華やか。
モルト由来の甘さや果実感があり、一般的なスタンダードクラスのブレンデッドスコッチよりも、しっかりとしたモルト感を楽しめるタイプです。
個人的には、味わいだけでなく、アンティクァリーならではのクラシカルなボトルデザインも魅力だと思います。
アンティクァリー12年について
日本でアンティクァリーといえば、長年「アンティクァリー12年」が代表的な存在でした。
12年以上熟成したモルトウイスキーとグレーンウイスキーを使用し、アルコール度数40%、容量700mlで販売されていたプレミアム・ブレンデッドスコッチです。
国内の商品情報では、約30種類のモルト原酒を使用し、モルト比率は45%とされていました。
フローラルで穏やかな甘さに加え、モルト由来のコクを感じやすいのが特徴。
現在も日本の酒販店や中古市場などで見かけることがありますが、トマーティン公式サイトの現行ラインアップには12年は掲載されていません。
現在のアンティクァリーは、2024年に登場した新しい15年、21年、30年の3種類が中心となっています。
2024年にアンティクァリーがリニューアル
2024年6月、トマーティン・ディスティラリー社はアンティクァリーを大幅にリニューアルしました。
ブランドの歴史や「モルト比率の高いブレンデッド」という特徴を受け継ぎながら、新たにワイン樽などを活用した3種類の長期熟成ウイスキーを発売しています。
現在のラインアップは以下の3種類です。
・アンティクァリー15年 クラレットカスク
・アンティクァリー21年 ポートカスク
・アンティクァリー30年 シェリーカスク
いずれも単に長期間熟成するだけではなく、ワインや酒精強化ワインの樽で原酒をマリッジさせることで、アンティクァリーの新しい方向性を表現しています。
アンティクァリー15年 クラレットカスク
現行ラインアップの中で最も若いのが「アンティクァリー15年 クラレットカスク」。
アルコール度数40%、容量700ml。
15年以上熟成したブレンデッドウイスキーを、フランス・ボルドー地方の赤ワイン「クラレット」に使用された樽でマリッジしています。
公式テイスティングノートでは、オレンジやグリルした桃、クローブなどの香りに、ルバーブ、ラズベリー、バニラなどの味わいが表現されています。
赤ワイン樽由来の果実味を取り入れた、現在のアンティクァリーを象徴する一本です。
アンティクァリー21年 ポートカスク
「アンティクァリー21年 ポートカスク」は、21年以上熟成した原酒を使用した上級品。
アルコール度数40%、容量700ml。
ポルトガルの名門シミントン・ファミリー・エステーツから調達したトーニーポート樽で、さらに3年間マリッジされています。
香りにはダークモカ、サフラン、バニラなどがあり、味わいにはプラム、ワイルドストロベリー、ダークチョコレート、オレンジなどの複雑なニュアンス。
長期熟成原酒とポート樽による、濃厚な果実味が特徴です。
アンティクァリー30年 シェリーカスク
現行ラインアップの最高峰が「アンティクァリー30年 シェリーカスク」。
アルコール度数40%、容量700ml。
30年以上熟成したウイスキーを、スペイン・ヘレス地方のシェリー樽で3年以上マリッジしています。
公式テイスティングノートでは、パッションフルーツ、マンゴー、グリルしたパイナップルなどのトロピカルフルーツに、メープルシロップや熟成した木材のニュアンスも表現されています。
30年という長期熟成に加え、シェリー樽による追加熟成を施した、アンティクァリーのフラッグシップ的な一本です。
アンティクァリーのまとめ
アンティクァリーは、1888年に誕生した歴史あるブレンデッド・スコッチウイスキーです。
サー・ウォルター・スコットの小説『The Antiquary』をブランド名の由来とし、現在はトマーティン・ディスティラリー社が所有しています。
ハイランド、スペイサイドのモルトとローランドのグレーンを組み合わせ、一般的なブレンデッドスコッチよりもモルト原酒の存在感を重視しているのが特徴です。
日本では長らく「アンティクァリー12年」が知られていましたが、2024年にはブランドが再始動。
現在は、
15年 クラレットカスク
21年 ポートカスク
30年 シェリーカスク
という、樽熟成に個性を持たせた3種類が公式ラインアップとなっています。
日本国内ではまだ見かける機会の少ないブランドですが、歴史の長さ、トマーティンとの関係、そしてモルト比率の高さなど、ブレンデッドスコッチ好きなら一度は試してみたい銘柄です。
