日本のブレンデッドウイスキーを解説!おすすめボトルも紹介|キリンディスティラリー
20. ロバートブラウン
ロバートブラウン
- 750ml 43%
- 楽天市場価格:1740円
1907年に創業したキリンビール株式会社は、日本のビール業界を長年にわたりリードしてきました。1970年代初頭にはキリンビールはウイスキー事業に乗り出します。そして1974年にキリンウイスキー第1号としてリリースされたのが「ロバートブラウン」になります。
1971年に、アメリカのシーグラム・オーバーシーズ・セールスカンパニー社とのライセンス契約を結び、日本で同社製品を販売する権利を獲得。キリンは洋酒事業へ本格的に進出することになります。翌年にはシーグラム社とシーバスブラザーズ社との3社合弁会社「キリンシーグラム社」を設立。ウイスキー製造をスタートさせます。
そして1973年、静岡県御殿場市に富士御殿場蒸留所を完成させます。豊富な伏流水や冷涼な夏、厳しい冬、湿潤な気候など、ウイスキー製造に適した条件下のなか、原酒造りがスタートします。
「ロバートブラウン」は、シーグラム社とアメリカからの提供を受けた高品質な原酒を主体に、スコットランドとアメリカで技術研修を積んだブレンダーによって丹精込められ、競合各社の製品との比較を通じて開発されています。
名前の由来はかつてシーグラム社が所有していた、スコットランドの蒸留所から。独特なボトルの形状は、シーグラム社のパッケージデザイナーが京都の寺で見た「釣鐘」をモチーフにしたもの。
現在の「ロバートブラウン」は、富士御殿場蒸溜所の原酒と輸入原酒がブレンドされており、バランスがとれた香味とまろやかな味わいが特徴です。リーズナブルで品質の高いブレンデッドウイスキーとして評価され続けています。
21. ボストンクラブ
ボストンクラブ (終売)
- 750ml 40%
- 楽天市場価格:4400円
「ボストンクラブ」は1986年に発売されたブレンデッドウイスキー。「オークマスター樽薫る」と入れ替わる形で、2016年に終売となりました。重厚感のあるスクエア瓶に詰められ、海外のブレンデッドウイスキーかのような風格を持つ特徴的なデザインがほどこされています。
キリンは1974年に「ロバートブラウン」を発売して以来、数々のブレンデッドウィスキーを市場に投入してきました。その蒸留設備や技術は、シーグラム社やシーバスブラザーズ社の知恵を結集させ、自社生産のモルトやグレーンウイスキーの品質を大幅に向上させたことで実現できたと言えます。
「ボストンクラブ」は何度かのリニューアルを経て、オリジナルの系譜を引き継ぐ「豊醇原酒」と、“飲みやすさ”を追求した「淡麗原酒」がありました。
「豊醇原酒」は、富士御殿場蒸溜所のヘビリーピーテッド麦芽で仕込まれたモルト原酒を中心に熟成を重ねたブレンドで、魅惑的なスモーキーフレーバーと力強いコクのあるボトルでした。
22. 陸
陸
- 500ml 50%
- 楽天市場価格:1260円
「陸」は2020年に販売開始。海外の輸入グレーンウイスキーと、御殿場蒸留所の原酒をブレンドしたワールドブレンデッドウイスキーです。2023年2月にパッケージがリニューアルされ、「富士御殿場蒸溜所」のロゴが新たに表記。商品名「陸」のロゴがボトルの中心に配置されてました。
このウイスキーはグレーンウイスキーがベースになっており、富士御殿場蒸溜所の3種の連続式蒸留器から生み出された、個性的なグレーン原酒を主体にブレンド。一般的なブレンでドウイスキーは、モルト原酒の「下支え」を行うのがグレーンの役割となりますが、「陸」の場合はむしろ逆で、グレーンの味わいを調整するためにモルトが加えられているかのような味わいに思えます。
アルコールも高めの50度。今までにない、パワフルな厚みが同居する1本です。
23. 富士山麓 シグニチャーブレンド
富士山麓 シグニチャーブレンド
- 700ml 50%
- 楽天市場価格:4400円
「富士山麓 シグニチャーブレンド」は、2018年8月に発売された商品。それ以前に「富士山麓樽熟50°」というボトルがありましたが、こちらは2019年3月に終売となっているため、シグニチャーブレンドは樽熟50°と交代する形でリリースされています。
「富士山麓 シグニチャーブレンド」は「熟成期間」ではなく、原酒によってそれぞれ異なる「熟成度」に着目してブレンドが施されています。成熟した原酒を厳選しブレンドすることで、ノンエイジボトルでありながら円熟した味わいに仕上げられています。
キリンのウイスキーは、小さな樽で熟成させる「小樽熟成法」を採用しています。キリンウイスキーの「小樽」とは、アメリカン・ホワイトオークのバーボン樽を指しており、容量が180~200リットル(一般的なバーボン樽と同じ容量)の樽を使用することで、ウィスキーと樽の接触面積が増え、原酒の熟成を促進させています。
バーボン樽での熟成は「天使の分け前」が多く、コントロールが容易でないという難点もありますが、御殿場蒸溜所では樽詰めの前に加水し、樽に入れる時のアルコール度数を通常の「63~64%」ではなく、「50%」にまで落としています。この製法により、樽の影響を程よく受けた穏やかな原酒を生み出すことができます。
「富士山麓 シグニチャーブレンド」は、香味成分を多く残すために、通常よりも高い50%のアルコール度数ですが、心地よい樽熟香の中に広がるエレガントなアロマは、まさに富士御殿場蒸溜所の「小樽熟成法」の真骨頂。
おすすめの飲み方はオンザロック。アルコール度数を下げることで、香りや味わいが豊かに広がります。
24. シングルブレンデッド ジャパニーズウイスキー 富士
シングルブレンデッド ジャパニーズウイスキー 富士
- 700ml 43%
- 楽天市場価格:5280円
キリンビールが所有する富士御殿場蒸留所で造られたモルト・グレーン原酒のみをブレンドした商品。一つの蒸留所(シングル)で造られた原酒をブレンドしていることから、あまり聞き覚えのない「シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー」という商品名が付けられています。
「富士」ブランドは全3種類。全て国産原酒100%のジャパニーズウイスキー。ブレンデッドの他、「シングルモルト ジャパニーズウイスキー 富士」と、「シングルグレーン ジャパニーズウイスキー 富士」があります。
キリン富士御殿場蒸留所が目指したのは、他にはない独自性を備えたモルト原酒の製法です。日本が後発であることから、従来の概念にとらわれず新しい製法を試すことができる状況を活かしました。
モルト原酒の独自性を際立たせつつ、ブレンデッドウイスキーに欠かせないグレーンウイスキー造りには、それ以上の強いこだわりを持っています。連続式蒸留器を使い分けることで、異なるタイプのグレーン原酒を製造。ライトタイプのグレーン原酒には、五搭式のマルチカラム(多塔連続式蒸留機器)を使用し、すっきりとした味わいの原酒を蒸留します。
「シングルグレーン ジャパニーズウイスキー 富士」に使用されている原酒は、ブレンデッド用とは異なるヘビーなタイプ。こちらにはバーボンウイスキー製造においてスタンダードとなった「ダブラー」と呼ばれる蒸留機が利用されています。
この蒸留器は元々、シーグラム社が開発したもの。グレーンウイスキー製造に使用する例は稀とのこと。こうした独自の手法によって、個性的なグレーン原酒を生み出しています。
「シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士」は2022年6月から通年販売を開始。全ての原酒が同じ環境でつくられたということもあって、非常に調和している印象。モルトウイスキーのフルーティーさに、グレーンウイスキーのバニラ、ウッディネスな風味がバランスよく感じられます。
日本のブレンデッドウイスキーを解説!おすすめボトルも紹介|本坊酒造
25. TWIN ALPS
TWIN ALPS
- 750ml 40%
- 楽天市場価格:1837円
「TWIN ALPS(ツインアルプス)」はマルス信州蒸溜所が位置する「中央アルプス」と東方の「南アルプス」から名付けられているブレンデッドウイスキー。
マルス信州蒸溜所は標高約800メートルという、現在日本で2番高い場所に位置する蒸溜所。中央アルプスの雪解け水は地下120mから汲み上げられており、ツインアルプスにも使用されています。
「TWIN ALPS(ツインアルプス)」の構成原酒に関して、詳細は明らかにされていませんが、英国、カナダ、国内製造のグレーンウイスキーをブレンドしていることは公開されています。信州蒸溜所のモルト原酒が含まれているかどうかは分かりません…。
26. 岩井トラディション
岩井トラディション
- 750ml 40%
- 楽天市場価格:2420円
マルスウイスキーは1980年代の日本のウイスキーブームの火付け役となり、リリースされるウィスキーの質の高さと生産量の少なさから、当時は「幻の銘品」とまで呼ばれていました。
しかし、1992年(平成4年)以降は、焼酎ブームなどに押されて国内のウィスキー需要が低迷します。信州マルス蒸留所もその影響を受け、19年間にわたりモルトウイスキーの生産は休止状態となります。
蒸留が再開されたのは、石和の蒸留所が開設されてから約半世紀経った2011年。この時、「マルスウイスキーの父」と呼ばれる岩井喜一郎の名を冠した「岩井トラディション(IWAI TRADITION)」が、その前年の2010年にブレンデッドウイスキーとして発売されました。
信州の大地で眠る特別な原酒を厳選してブレンドした「岩井トラディション」は、蒸留再開の喜ばしいニュースと共に、発売直後からウィスキーファンの間で大いなる注目を集めました。
岩井喜一郎がデザインしたポットスチル、駒ヶ岳の清冽な伏流水、そして類い稀なる熟成環境が結びつき、この地ならではの特別な雰囲気を持つ信州マルス蒸留所を代表するブレンデッドウイスキーとなります。
2013年にはパッケージをリニューアル。国際ワイン&スピリッツコンペティションでは銀賞を獲得。姉妹ボトルの「岩井トラディションワインカスクフィニッシュ」も、同コンテストで銀賞を受賞しています。
「ワインカスクフィニッシュ」は、山梨マルスワイナリーで使用した赤ワイン樽で「岩井トラディション」を1年以上フィニッシュ(追加熟成)させた商品。国内のブレンデッドウイスキーで赤ワイン樽を使用しているものは多くはありませんが、マルスではいち早く導入しています。
27. マルスウイスキー 3&7
マルスウイスキー 3&7
- 720ml 40%
- 楽天市場価格:1430円
「マルスウイスキー3&7(スリー・アンド・セブン)」という名前は、3年以上熟成されたグレーンウィスキーと7年以上熟成されたモルトウィスキー原酒をブレンドしていることに由来しています。
本格的なウィスキーの生産を目指して、本坊酒造は1960年に山梨県笛吹市石和町に蒸留所を開設。蒸留所の設立においては、岩井喜一郎という人物が重要な役割を果たしました。
岩井は「マルスウィスキーの生みの親」と呼ばれ、竹鶴政孝と同じ大阪高等工業学校醸造学科(第1期生)の出身。竹鶴は岩井の紹介で摂津酒造に入社し、岩井の手でスコットランド留学が実現しました。岩井は竹鶴の才能と情熱を認め、若き竹鶴をスコットランドに送り出した人物としても知られています。
竹鶴はスコットランドでのウィスキー研修の成果をまとめた「実習報告(竹鶴ノート)」を岩井に提出。このノートは現在、ニッカの余市蒸溜所に展示されていますが、これは岩井の親戚が後に寄贈したもの。岩井は竹鶴が摂津酒造を退社した後も、彼のノートを大切に保管し、石和での蒸留所建設の際には大いに参考にしたとされています。
「マルスウイスキー3&7」は1988年に発売。かつての3&7は、信州マルス蒸留所で眠る原酒をブレンドしたものでしたが、現在は英国、米国、カナダ製造の原酒と、国内製造のグレーンウイスキーがブレンドされています。
信州で25年間長期熟成させたモルト原酒同士をブレンドした「モルテージ3プラス25ピュアモルト」という高級ボトルも存在していました。このウイスキーは『ウィスキーマガジン』誌主催の“ワールド・ウイスキー・アワード (WWA)”で世界最高賞を受賞していますが、今では目にすることのない幻の1本となっています。
28. マルス モルテージ 越百
マルス モルテージ 越百
- 700ml 43%
- 楽天市場価格:4053円
「マルスモルテージ越百 モルトセレクション」はタイプの異なる複数のモルト原酒をヴァッティングさせたブレンデッドモルトウイスキー。マルスウイスキーの国内製造モルト原酒とスコッチモルトウイスキーをブレンドしています。
マルスモルテージの「越百(こすも)」とは、中央アルプスに連なる山の一つである「越百山(こすもやま)」から名付けられたもので、宇宙を連想させる越百(コスモ)と、央アルプス山麓から見上げた夜空を星々をラベルのデザインに採用しています。
マルスウイスキーがリリースするブレンデッドモルトウイスキーは、100%国産原酒を使用した「MARS The Y.A.」もありますが、こちらは数量限定ボトル。モルトブレンドで通年販売されているのは、マルスモルテージ越百のみとなります。
バニラやハチミツ、ナッツ、メープルシロップを連想させる、ふくよかで甘い香りが中心。スコッチモルト由来のかすかなスモーキーさが、全体を複雑にまとめ上げています。
29. マルスウイスキー エクストラ
マルスウイスキー エクストラ
- 1800ml 37%
- 楽天市場価格:2101円
「マルスウイスキー エクストラ」はマルスウイスキーのロングセラー商品で、国内唯一の一升瓶(1800ml)にボトリングされているウイスキーです。「大容量のウイスキー」なら、ジャパニーズを問わずにして銘柄は豊富ですが、このウイスキーは1800mlがスタンダードとなっており、こんなウイスキーは世界中を見ても存在しません。
一升瓶でありながら、価格は2000円程度とかなりリーズナブル。アルコール度数は本格的なウイスキーとは言い難い37%。
本坊酒造の公式ページによると、原料原産地は「国内製造(グレーンスピリッツ)」と表記されていることから、ウイスキー以外のスピリッツを使用していることが予測できます。
見た目のインパクトもあるので、自宅飲みとしては面白いかもしれません。
日本のブレンデッドウイスキーを解説!おすすめボトルも紹介|笹の川酒造
30. 山桜
山桜
- 700ml 40%
- 楽天市場価格:2068円
「山桜」は笹の川酒造が手掛けるブレンデッドウイスキーです。同社は1765年に福島県郡山市で創業した老舗の蔵元。終戦直後の1946年にウイスキーの製造免許を取得しています。
代表的な銘柄「チェリーウイスキー」は1980年代に一世を風靡しました。一時期はウイスキーの生産を休止していましたが、ウイスキーの需要増加を受け再び生産開始に乗り出しました。
2016年に安積蒸留所を操業。笹の川酒造の敷地内にあった古い蔵を改装し、本格的なモルトウイスキーを製造しています。
「山桜」のラインナップはスタンダートとなる「山桜 黒ラベル」のほか、安積蒸溜所のモルトを使用している上位ボトル「山桜プレシャス」。モルト原酒のみで構成されている「山桜ピュアモルト」などがあります。
31. 963
963
- 700ml 46%
- 楽天市場価格:3300円
「963」は、福島県南酒販が企画・販売しているブレンデッドウイスキーです。”963”とは福島県郡山市の郵便番号のこと。笹の川酒造で原酒を熟成させていることから、笹の川酒造のウイスキーといったイメージを持つ方も多いとは思いますが、正確には福島県南酒販によってリリースされています。
最も気になるのは、ウイスキーの原酒をどこから調達しているということ。
笹の川酒造からの全面協力の元、ウイスキーを製造している訳ですが、「963」に安積蒸溜所産のモルトが使用されているとの情報は確認できません。このことから、「963」は日本国内(安積蒸溜所)で海外原酒を熟成させ、ブレンドした商品ということになります。
代表的な銘柄は「963 リッチ&スウィート(赤ラベル)」と「963 スムース&ピーティー(黒ラベル)」。赤はシェリーカスクの原酒を使用したフルーティーなタイプで、黒はスモーキーさを際立たせたスコッチタイプの仕上がりです。
日本のブレンデッドウイスキーを解説!おすすめボトルも紹介| 江井ヶ嶋酒造
32. ホワイトオークあかし
ホワイトオークあかし
- 500ml 40%
- 楽天市場価格:1188円
「ホワイトオークあかし」を造る江井ヶ嶋酒造は、江戸時代となる1888年に創業した老舗の酒蔵。同社がウィスキーの製造免許を取得したのは、山崎蒸溜所が誕生する直前の1919年(大正8)。「ホワイトオークあかし」は、江井ヶ嶋酒造の長い歴史を背景にしたブレンデッドウイスキーです。
江井ヶ嶋酒造は、1888年(明治21)に有志によって設立され、日本酒以外にも焼酎、ワイン、ブランデーなど、さまざまなアルコール飲料の製造に挑戦しました。ウイスキーもその一環でしたが、1919年の創業当時は蒸留設備は存在していませんでした。
ウイスキーの製造が本格化したのは1984年のこと。敷地の一角に「ホワイトオーク蒸留所」(現在の「江井ヶ嶋蒸溜所」)を開設。1961年から使用していたポットスチルを改造・移設し、粉砕機、仕込槽、ウォッシュバックを新設。
約2万坪の広大な敷地に広がる江井ヶ嶋酒造は、播磨灘に面しています。現在はウイスキー蒸留所だけでなく、7つの木造蔵で日本酒が醸造されており、麦焼酎の醸造蔵も併設しています。
江井ヶ嶋蒸溜所でのウイスキーの仕込みは、年間を通して行われていません。製造は5月~7月の3か月間のみ。この期間には、日本酒の醸造が終了した後で、杜氏の手によってウイスキーづくりが行われています。
日本のプレミアムウイスキー市場が拡大した2008年には、同蒸留所初のシングルモルトウイスキー「ホワイトオークあかし8年」を発売。その後も限定的に「5年」や「15年」といったシングルモルトがリリースされ、国内外のウイスキーファンから注目を集めています。
「ホワイトオークあかし」は、カジュアルに楽しめるブレンデッドウイスキーとしてリリースされています。江井ヶ嶋蒸溜所のモルト原酒を中心に、グレーンウイスキーやスピリッツをブレンド。淡麗辛口な味わいで、昔ながらの大衆ウイスキーといった個性。
その他のラインナップとしては、上位ボトルの「ホワイトオーク あかし700 スペシャルブレンド」や、容量1800mlの「ホワイトオーク ゴールド」。モルトウイスキーの「ホワイトオーク シングルモルトあかし」などがリリースされています。
日本のブレンデッドウイスキーを解説!おすすめボトルも紹介|ベンチャーウイスキー
33. イチローズモルト&グレーン
イチローズモルト&グレーン
- 700ml 46%
- 楽天市場価格:4378円
ベンチャーウイスキー(秩父蒸溜所)がリリースした初のブレンデッドウイスキー「イチローズモルト & グレーン」は、同社のイチローズモルトを代表する定番ウイスキーです。「イチロー」とは、創業者である肥土伊知郎氏の名に由来しています。
肥土本家は江戸時代の1625年から続く日本酒の醸造業者で、埼玉の秩父で創業しました。秩父と羽生を結ぶ鉄道が開通したことを機に、肥土は羽生に進出。肥土の祖父が設立した東亜酒造は、1946年にウイスキーの製造免許を取得し、1980年には2基のポットスチルを導入して本格的なウイスキーの生産を始めました。
しかし、東亜酒造の事業は軌道に乗らず、2004年には経営が悪化。羽生の工場が売却されることになりましたが、残された400樽は肥土氏によって引き取られ、イチローズモルトというオリジナルブランドを設立することになります。
肥土は先代が残した原酒を、さまざまな樽で後熟を加えることでオリジナリティのある味わいに仕上げます。そのウイスキーは「カードシリーズ」という名でリリースされ、特に海外のコアなウイスキー愛好者に認められる存在となります。
2008年には秩父蒸留所を開設。新たに導入された2基のポットスチルは、スコットランドのフォーサイス社製の極小サイズ。発酵槽は世界でも例を見ないミズナラ製というユニークな設備で、ウイスキーづくりが行われています。
「イチローズモルト & グレーン」には秩父のモルトウイスキーや、閉鎖した羽生蒸溜所の貴重なモルトも一部に使用。その他、スコットランドから仕入れたモルト原酒とグレーン原酒を合わせています。
輸入した全ての原酒は、一旦樽から取り出し、秩父蒸溜所で製樽したものに移し替えています。元は輸入原酒ですが、秩父の環境と自社の樽で熟成させることに重点を置き、妥協することなく優れたウイスキーを生み出しています。
日本のブレンデッドウイスキー36銘柄を解説!おすすめボトルも紹介|ガイアフロー
34. ガイアフロー ブレンデッド M
ガイアフロー ブレンデッド M
- 700ml 48%
- 楽天市場価格:5950円
ガイアフローはウイスキーの輸入インポートをしている会社で、2014年にガイアフローディスティリング株式会社を設立し、2016年に静岡県初となる本格的なモルトウイスキー蒸留所「ガイアフロー静岡蒸溜所」を操業します。
「ガイアフローウイスキー ブレンデッドM」は、気軽に楽しむことをコンセプトに、静岡蒸溜所が始動した瞬間から構想されていた商品。静岡蒸溜所のモルト原酒に加え、外国産の原酒(モルト・グレーン)を仕入れ、蒸留所の敷地内で熟成を経てからブレンド。ワールドブレンデッドウイスキーのカテゴリーとなります。
親しみやすく、スポーティーな印象を与えるブライトオレンジのラベルを採用。商品名に純粋なジャパニーズウイスキーと誤解を受けないように、アルファベットの「M」を使用しています。
商品名の「M」というのは、「MEET(出会う)」の頭文字から取ったもの。静岡蒸溜所の生まれたモルトウイスキーと海外産ウイスキーが出会い、結びついたことを表現しています。
ガイアフローのスタンダードアイテムとして通年販売されていますが、生産量が限られているため、希望小売価格3,180円に対して約2倍の6000円前後で流通しています。
日本のブレンデッドウイスキー解説!おすすめボトルも紹介|サクラオブルワリーアンドディスティラリー
35. ブレンデッドジャパニーズウイスキー戸河内 PREMIUM
ブレンデッドジャパニーズウイスキー戸河内 PREMIUM
- 700ml 40%
- 楽天市場価格:2970円
SAKURAO DISTILLERY(桜尾蒸留所)「旧 中国醸造株式会社」、現在は「株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー(サクラオB&D)」の100年の節目である2018年にオープンした蒸留所。2019年にはグレーンウイスキーの蒸留も開始させ、同蒸留所のモルトとグレーンをブレンドした「ブレンデッドジャパニーズウイスキー戸河内 PREMIUM」を、2023年9月にリニューアル販売しました。
このシリーズの誕生によって、これまで販売されていた「戸河内ウイスキー」シリーズは終売となります。これにより、SAKURAO DISTILLERYが販売するほとんどのウイスキーが、日本洋酒酒造組合が制定した「ジャパニーズウイスキー」の定義に当てはまるものとなりました。
サクラオブルワリーアンドディスティラリーは、中国醸造時代の1920年にはウイスキー製造免許を取得しており、80年代には海外原酒を含むブレンデッドウイスキー「戸河内ウイスキー」シリーズや、「グローリーエキストラ」などのウイスキーをリリースしていました。しかし、1989年にウイスキーの蒸留は休止されます。
SAKURAO DISTILLERYの開設により、再びウイスキーの生産開始させ、原酒が3年以上の酒齢となったことでジャパニーズウイスキーをいち早くリリースしています。
ウイスキーの熟成は桜蒸留所内にある「桜尾貯蔵庫」と、山地にある戸河内トンネル内の「戸河内貯蔵庫」の二カ所で行われています。戸河内貯蔵庫で熟成したウイスキーは、桜尾蒸留所で造られた原酒ですが、それぞれを区別するために「シングルモルト戸河内」の名前で販売されています。
戸河内トンネルは旧国鉄時代の「廃トンテル」。ダンネージ式で樽が積まれており、全長750mのスペースに4000樽の貯蔵が可能となっています。
ブレンデッドジャパニーズウイスキー戸河内のラインナップは全4種類。
スタンダードとなる「戸河内 PREMIUM」
自社製純米酒を熟成した樽で後熟した「戸河内 SAKE CASK FINISH」
IPAビール樽で後熟した「戸河内 BEER CASK FINISH」
ピーティ―な燻製香のウイスキーが熟成された樽で後熟した「戸河内 PEATED CASK FINISH」
創業年数が数年しか経っていないのにも関わらず、自社生産の国産原酒100%でブレンデッドウイスキーを造ることは容易ではありません。それにも関わらず、4種類もの個性的な商品をリリースしていることには驚きですね。
日本のブレンデッドウイスキーの評価はうなぎ登り。
2022年のウイスキー輸出統計では、前年2021年の輸出量増加率は60%以上となっており、そのほとんどがブレンデッドです。
2024年もリーズナブルな国産ウイスキーの輸出量は増え続けることが予測できますが、個人的には輸入原酒を含む「国産ウイスキー」と、日本洋酒酒造組合の制定している「ジャパニーズウイスキー」を明確に分けて、産地呼称を明確にしてほしいと思っています。
ジャパニーズウイスキーが持つ「ブランド力」をより高めるためにも、ウイスキーメーカー各社がこの取り組みに協力できる体制を構築してほしいですね♪
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
高級ジャパニーズウイスキーを定価で買うなら…
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