
こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
シングルモルトスコッチウイスキーの世界には、長年にわたって語り継がれる名シリーズがいくつもあります。その中でも、特にコレクターや愛好家に根強い人気を誇るのが、ディアジオ社(旧UD社)の手がけた「花と動物シリーズ」です。
本記事では、このシリーズの誕生背景や特徴を紹介するとともに、正規リリースされた全26本を一覧でご紹介します。「花と動物シリーズ」が気になっている方や、購入を検討している方にもおすすめの内容です。
バラエティ豊かなシングルモルトスコッチウイスキーの魅力が詰まったこのシリーズを、一緒にじっくり味わっていきましょう♪
- 花と動物シリーズ(Flora & Fauna Series)とは?
- シングルモルトスコッチウイスキー「花と動物シリーズ」全26本を徹底解説|一覧
- アバフェルディ 15年 花と動物 / Aberfeldy 15 Year Old
- オスロスク 10年 花と動物 / Auchroisk 10 Year Old
- オルトモア 12年 花と動物 / Aultmore 12 Year Old
- バルメナック 12年 花と動物 / Balmenach 12 Year Old
- ベンリネス 15年 花と動物 / Benrinnes 15 Year Old
- ブラッドノック 10年 花と動物 / Bladnoch 10 Year Old
- ブレアアソール 12年 花と動物 / Blair Athol 12 Year Old
- カリラ 15年 花と動物 / Caol Ila 15 Year Old
- クライヌリッシュ 14年 花と動物 / Clynelish 14 Year Old
- クライゲラキ 14年 花と動物 / Craigellachie 14 Year Old
- ダルユーイン 16年 花と動物 / Dailuaine 16 Year Old
- ダフタウン 15年 花と動物 / Dufftown 15 Year Old
花と動物シリーズ(Flora & Fauna Series)とは?
「花と動物シリーズ(Flora & Fauna Series)」は、スコットランドのシングルモルトを集めた、ディアジオ社(旧ユナイテッド・ディスティラリーズ/United Distillers)によるオフィシャルボトルシリーズです。1990年代初頭にスタートし、いくつかのボトルは終売となったものの、2025年現在も継続的に生産されています。
このシリーズの最大の魅力は、それまで市場に出回ることの少なかった蒸溜所の原酒を、オフィシャルボトルとして世に送り出したことにあります。当時はまだシングルモルトの認知度は高くなく、ほとんどの蒸溜所はブレンデッドウイスキー向けに原酒を供給しており、シングルモルトとしてボトルが出回ることは珍しい時代でした。
そのため、このシリーズからのリリースが唯一のオフィシャルシングルモルトとして登場した蒸溜所も複数存在し、「花と動物シリーズ」がきっかけでその名を知られるようになったブランドも少なくありません。
シングルモルト市場の拡大を語るうえで、「花と動物シリーズ」はまさに先駆け的な存在であり、ウイスキー史におけるその貢献度は高かったといえるます。
名付け親はウイスキー評論家「マイケル・ジャクソン」氏
「花と動物シリーズ(Flora & Fauna Series)」という名称は、実は著名なウイスキー評論家マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)氏によって名付けられたとされています。
彼はその著書や評論活動を通じて、数多くのシングルモルトを世に広めた人物であり、このシリーズにも特別な関心を寄せていました。各ラベルに描かれた動植物の美しいイラストと、それぞれの蒸溜所の個性豊かな味わいが調和している点を高く評価し、「Flora & Fauna(花と動物)」という名称を提案。「Flora & fauna」とは、「動植物」を指すラテン語由来の言葉となります。
このネーミングによって、シリーズは単なる蒸溜所別のオフィシャルボトルの枠を超え、自然とウイスキーの調和を感じさせる芸術的なコレクションとして、多くのウイスキー愛好家に認知されるようになりました。
ラベルデザインの特徴
「花と動物シリーズ」のラベルデザインには、各蒸溜所の周辺に生息する動物や植物が描かれています。これは、シリーズに統一感と親しみやすさを与えるだけでなく、「各蒸溜所が育まれてきた自然環境とのつながり」を象徴的に表現していると考えられています。
「花」や「動物」のイラストは、英国の伝統的な水彩画風で描かれており、クラシカルかつ温かみのある印象は、現在でも多くのウイスキーファンから愛されています。
また、一部のボトルは「ホワイトシール」と呼ばれる、後期ラベルで再リリースされており、同じ銘柄でも年代やラベルによって味わい多少の差異があります。こうした違いを比較するのも、ウイスキーコレクターにとっての楽しみのひとつとなっています。
コレクション価値と現在の入手性
現在「花と動物シリーズ」は全26種類が存在するとされていますが、そのうち現行品として2025年現在もリリースされているのは、およそ10本程度。
リリース当初は、どのボトルも比較的リーズナブルな価格で入手できました。しかし、現在では多くのボトルが終売となり、オールドボトルとして扱われています。特に希少性の高いものは、中古市場でプレミア価格が付くことも珍しくありません。
例えば、既に閉鎖された蒸溜所のボトルのレアリティは非常に高く、「ピティヴィアック」や「ローズバンク」などは流通量が非常に限られていることから、シリーズの中でも特別な価値を持つアイテムとして高く評価されています。
上位ラインナップは「レアモルトセレクション」
「花と動物シリーズ」のリリース当時、同じくUD社が展開していた上位ラインに、「レアモルトセレクション(Rare Malts Selection)」というシリーズが存在しています。
これは1980年代後半から2000年代初頭にかけてリリースされていた、数量限定のシングルモルトシリーズです。「花と動物シリーズ」は、加水調整されたボトルですが、「レアモルトセレクション」は、カスクストレングス(無加水)、長期熟成、閉鎖蒸溜所など、より希少性の高い原酒がボトリングされています。
「花と動物シリーズ」が、蒸溜所の個性をより広く知ってもらうための入門編だとすると、「レアモルトセレクション」はプレミアムラインとして、ウイスキー上級者やコレクター向けのアイテムとして人気を誇っていました。現在は生産終了となっており、1本20万円以上で取引されることも珍しくありません…
シングルモルトスコッチウイスキー「花と動物シリーズ」全26本を徹底解説|一覧
1ページ目
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- アバフェルディ 15年 花と動物 / Aberfeldy 15 Year Old
- オスロスク 10年 花と動物 / Auchroisk 10 Year Old
- オルトモア 12年 花と動物 / Aultmore 12 Year Old
- バルメナック 12年 花と動物 / Balmenach 12 Year Old
- ベンリネス 15年 花と動物 / Benrinnes 15 Year Old
- ブラッドノック 10年 花と動物 / Bladnoch 10 Year Old
- ブレアアソール 12年 花と動物 / Blair Athol 12 Year Old
- カリラ 15年 花と動物 / Caol Ila 15 Year Old
- クライヌリッシュ 14年 花と動物 / Clynelish 14 Year Old
- クライゲラキ 14年 花と動物 / Craigellachie 14 Year Old
- ダルユーイン 16年 花と動物 / Dailuaine 16 Year Old
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ダフタウン 15年 花と動物 / Dufftown 15 Year Old
2ページ目
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- グレンエルギン 12年 花と動物 / Glen Elgin 12 Year Old
- グレンスペイ 12年 花と動物 / Glen Spey 12 Year Old
- グレンダラン 12年 花と動物 / Glendullan 12 Year Old
- グレンロッシー 10年 花と動物 / Glenlossie 10 Year Old
- インチガワー 14年 花と動物 / Inchgower 14 Year Old
- リンクウッド 12年 花と動物 / Linkwood 12 Year Old
- マノックモア 12年 花と動物 / Mannochmore 12 Year Old
- モートラック 16年 花と動物 / Mortlach 16 Year Old
- ピティヴィアック 12年 花と動物 / Pittyvaich 12 Year Old
- ローズバンク 12年 花と動物 / Rosebank 12 Year Old
- ロイヤルブラックラ 10年 花と動物 / Royal Brackla 10 Year Old
- スペイバーン 12年 花と動物 / Speyburn 12 Year Old
- ストラスミル 12年 花と動物 / Strathmill 12 Year Old
- ティーニニック 10年 花と動物 / Teaninich 10 Year Old
アバフェルディ 15年 花と動物 / Aberfeldy 15 Year Old

出典:https://theultimatespirits.jp/products/aberfeldy-abahuerudei-15nian-ud-hua-todong-wu-sirizu
アバフェルディ 15年 花と動物
- 地域:ハイランド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:在庫なし
「アバフェルディ 15年 花と動物」は、現在は終売となっているレアリティの高いボトルです。ディアジオ社は1998年に、傘下の「ジョン・デュワー&サンズ」をバカルディ社に売却。アバフェルディ、オルトモア、クライゲラヒ、ロイヤルブラックラの4つの蒸留所が他社に移り、各ボトルは生産終了となりました。
「アバフェルディ 15年 花と動物」は、当時から評価が高く、数少ないオフィシャルボトルとして愛されていました。アバフェルディは、デュワーズの原酒としても重要な役割を果たしており、バカルディ社所有となってからも、シングルモルトとしてのリリースが少なかったことから、このボトルの終売は、当時のファンにとっては悲報でした…
オスロスク 10年 花と動物 / Auchroisk 10 Year Old
オスロスク 10年 花と動物
- 地域:スペイサイド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:7,698円
オスロスクは、1974年にディアジオ社によって設立された、比較的新しい蒸溜所です。スペイサイド地方に位置し、主にジョニーウォーカーなどのブレンデッド用原酒として使われることが多く、現在でもシングルモルトとしてのリリースは多くありません。
「オスロスク 10年 花と動物」は、このシリーズでは比較的早い段階からリリースされており、当時のオフィシャルボトルとして存在していました。
ラベルにはワシ(イヌワシ)が描かれており、オスロスク蒸溜所が立地する、自然豊かな丘陵地帯を象徴しています。
オルトモア 12年 花と動物 / Aultmore 12 Year Old

出典:https://theultimatespirits.jp/products/aultmore-orutomoa-ud-hua-todong-wu-sirizu-12nian
オルトモア 12年 花と動物
- 地域:スペイサイド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:在庫なし
オルトモア蒸溜所は1896年、アレクサンダー・エドワードによってスペイサイドのキースに設立。長らくブレンデッドウイスキー向けの原酒供給を主としてきたため、一般消費者向けのシングルモルトとしての流通は極めて少なく、知名度も高くありませんでした。
「オルトモア 12年 花と動物」は、12年熟成のオフィシャルボトルとしてリリースされていましたが、1998年に蒸留所がバカルディ社へ売却されたことで、現在は生産終了となっています。
オルトモアは、2014年にバカルディ社からの初リリースボトルが登場していますが、それまでは「オルトモア 12年 花と動物」が、唯一のオフィシャルボトル。ラベルに描かれているのはオルトモア蒸留所の付近に生息する小型の鳥「カワガラス(Dipper)」。
バルメナック 12年 花と動物 / Balmenach 12 Year Old

出典:https://www.kameya.jp/shopdetail/001001000771/?srsltid=AfmBOopZdvT-F2KjjPKW-UGKFiLNtelYhPS6RMjH5yQHa01rHRXnUvg-
バルメナック 12年 花と動物
- 地域:スペイサイド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:在庫なし
バルメナック蒸留所は、20世紀初頭にディアジオの前身である「DCL社(Distillers Company Limited)」の傘下に入り、同社のブレンデッドウイスキーの原酒供給をメインに稼働していました。1980年代以降のウイスキー不況の影響を受け、1993年に一時閉鎖。その後、2001年にインバーハウス社(タイ・ビバレッジの傘下企業)に買収され、「バルメナック 12年 花と動物」は終売となります。
バルメナックのオフィシャルボトルは「バルメナック 12年 花と動物」以来リリースされることはなく、インバーハウス社からのリリースは未だにありません。したがって、一部のボトラーズ製品のみ、入手が可能です。
ベンリネス 15年 花と動物 / Benrinnes 15 Year Old
ベンリネス 15年 花と動物
- 地域:スペイサイド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:9,350円
ベンリネス蒸溜所は、1834年創業の歴史を持ち、その名はスペイサイド最高峰、標高840mのベンリネス山に由来しています。蒸溜所はその北麓、標高約213mに位置しており、冷涼で豊かな水源に恵まれた土地柄は、ウイスキーづくりに理想的な環境です。
ベンリネスは“ディアジオの異端児”とも称される個性的なウイスキー造る蒸溜所です。その所以は、スプリングバンクやモートラックと共通する特殊な蒸留方法にあり、すべてを3回蒸溜するのではなく、一部のウォッシュ(もろみ)のみを三回蒸溜する「2.5回蒸溜」を採用しています。
「ベンリネス 15年 花と動物」のラベルに描かれた動物は、ベンリネス山の周辺に多く生息する黒ライチョウ(Black Grouse)。メインの熟成はシェリー樽とされており、甘美なfルーティーさとスパイシーな味わいは、15年物という熟成期間もあいまって、リッチな味わいに仕上がっています。
一部では、すでに終売との情報もあります。2023年までのボトリングは確認できました。今後もリリースが続けられるか注目です。
ブラッドノック 10年 花と動物 / Bladnoch 10 Year Old

出典:https://theultimatespirits.jp/products/bladnoch-buradofalsetuku-10nian-ud-hua-todong-wu-sirizu
ブラッドノック 10年 花と動物
- 地域:ローランド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:在庫なし
ブラッドノック蒸溜所は、スコットランド南西部ダンフリーズ・アンド・ギャロウェイ州にあり、スコットランド本土で最も南に位置する蒸溜所として知られています。
「ブラッドノック 10年 花と動物」は、1989年〜1993年頃までリリースされており、販売時期が短いボトルです。1994年に、当時のオーナーであるUD社からレイモンド・アームストロング氏へ売却され、終売となりました。ちなみに現在のブラッドノック蒸留所のオーナーは、オーストラリアの実業家「デヴィッド・プライアー」氏となっています。
「ブラッドノック 10年 花と動物」は、流通は短期間であったため、2000年頃までは市場で見かける機会があったものの、現在ではほとんど見かけない希少なボトルとです。
ブレアアソール 12年 花と動物 / Blair Athol 12 Year Old
ブレアアソール 12年 花と動物
- 地域:ハイランド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:8,499円
「花と動物シリーズ」の中でも、比較的入手しやすく、シェリー樽の影響を色濃く感じられる1本が「ブレアアソール 12年 花と動物」。
ハイランド地方のピトロッホリーに位置するブレアアソールは、1798年創業の歴史ある蒸溜所で、主にブレンデッドウイスキー「ベル」のキーモルトとして知られています。シングルモルトとしてのリリースは限られており、オフィシャルボトルの定番は、「花と動物シリーズ」のみとなります。
ラベルの動物はカワウソ(Otter)。蒸溜所敷地内の小川に生息していたカワウソを描いたボトルは、カワイイと評判です。
「ブレアアソール 12年 花と動物」はシェリー樽の原酒が主体とされています。フルーティーでリッチな風味と、ハイランドモルトらしい力強さを兼ね備えており、現在もブレアアソールを象徴するボトルとして愛されています。
カリラ 15年 花と動物 / Caol Ila 15 Year Old
カリラ 15年 花と動物
- 地域:アイラ島
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:59,400円
カリラは、1846年にアイラ島で創業された、歴史ある蒸溜所です。アイラ島の北東部に位置し、その名はゲール語で「アイラ海峡(Sound of Islay)」を意味します。
カリラが「花と動物シリーズ」のひとつとして名を連ねていることを、知らない方も多いと思います。それも無理は無い話で、この「カリラ 15年 花と動物」は、シリーズの中でも比較的短命なボトルです。2002年に「カリラ12年」、「カリラ18年」、「カリラ カスクストレングス」の3種類(ヒドゥンモルトシリーズ)が登場したことで、生産終了となりました。
カリラのオフィシャルボトルとして、ヒドゥンモルトシリーズは登場するまでは代表的な銘柄ではありますが、流通期間の短さと生産量の少なさから、現在では非常に希少なウイスキーです。
ラベルには、カリラ蒸溜所周辺の海域に生息するアザラシの一種「ハーバーシール(Harbour Seal)」が描かれています。
クライヌリッシュ 14年 花と動物 / Clynelish 14 Year Old
クライヌリッシュ 14年 花と動物
- 地域:ハイランド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:55,000円
「クライヌリッシュ 14年 花と動物」は、2002年にヒドゥンモルトシリーズの14年物が登場するまで、オフィシャルボトルとして発売されていました。その後継ボトルも同じ14年熟成でしたが、販売終了後、当時のファンの間では「花と動物」シリーズのクライヌリッシュ14年こそ「真のクライヌリッシュ」として語り継がれています。
「クライヌリッシュ 14年 花と動物」のラベルには、スコットランドの北部に生息するハイランド・ワイルドキャット(山猫)が描かれており、これはクライヌリッシュ蒸溜所が位置するブローラの荒野を象徴する存在でもあります。この動物はまた、蒸溜所の創業に関わったサザーランド公爵家の家紋にも登場することから、歴史的なつながりも感じさせます。
早期に終売となったカリラと同様、生産期間が短く生産量も少ないことから、希少性の高いボトル。ウイスキーとしての純粋な評価も高いことから、人気のオールドボトルとして高値で取引されています。
クライゲラキ 14年 花と動物 / Craigellachie 14 Year Old

出典:https://theultimatespirits.jp/products/craigellachie-14nian-ud-hua-todong-wu-sirizu
クライゲラキ 14年 花と動物
- 地域:スペイサイド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:在庫なし
「クライゲラキ 14年 花と動物」は、1998年にクライゲラヒ蒸留所がバカルディ社に売却されたことで、終売となりました。
クライゲラキ蒸溜所は、1891年創業という比較的新しい部類の蒸溜所ながら、個性的なスタイルで知られています。最も特徴的なのは、クライゲラキが採用する伝統的な「ワームタブ冷却器」。この冷却システムにより、重厚なボディ感とほのかな硫黄香が生まれ、熟成を経て複雑なモルト原酒となり、花と動物シリーズの中では、いわゆる「クラシック・スペイサイド」とは一線を画す、ややクセのある武骨な個性的を持ちます。
ラベルには、「パイプフィッシュ(Pipefish)」が描かれています。パイプフィッシュは、細長い体を持つ魚で、タツノオトシゴに近い種。この魚は、スコットランドの海岸線や河口などに生息し、とくにクライゲラキ蒸溜所の周辺地域ではよく見られるとのこと。
ダルユーイン 16年 花と動物 / Dailuaine 16 Year Old
- 地域:スペイサイド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:13,980円
「ダルユーイン 16年 花と動物」は、現在でも生産されているボトルで、シェリー樽熟成によるリッチでフルーティーな味わいが特徴です。ラベルには、アナグマ(Badger)が描かれています。
ダルユーイン蒸溜所は、1853年にウィリアム・マッケンジーによって設立。「ダルユーイン(Dailuaine)」はゲール語で「緑の谷(Green Valley)」を意味し、スペイサイド地方の美しい自然に囲まれた場所に位置しています。
この蒸溜所は、長い発酵と短時間の蒸留、そしてステンレス製のコンデンサーを使用することで、肉厚で力強いニューメイクスピリッツを生み出しています。そのため、ジョニーウォーカーなどの、ブレンデッドウイスキーの原酒としても広く使用されています。
「ダルユーイン 16年 花と動物」は、古くから欧州市場で人気の高いウイスキーですが、シェリー樽由来の風味がしっかり感じられると定評があり、今では入手困難になりつつある1本です。
ダフタウン 15年 花と動物 / Dufftown 15 Year Old

出典:https://theultimatespirits.jp/products/dufftown-dahutaun-15nian-ud-hua-todong-wu-sirizu
ダフタウン 15年 花と動物
- 地域:スペイサイド
- 700ml 43%
- 楽天市場価格[2025年5月]:在庫なし
ダフタウン蒸溜所は、1896年にスコットランド・スペイサイド地方に誕生。もともと食品工場だった建物を改装してスタートした歴史を持ち、現在ではディアジオ社の傘下にある蒸溜所の中でも最大クラスの規模を誇ります。1980年代までは生産された原酒の98%以上が、ブレンデッドウイスキー「ベル(Bell’s)」の主要構成原酒として使われていました。そのため、長らくシングルモルトとしてリリースは少ない状態でした。
そんな中、「ダフタウン15年 花と動物」は、唯一のオフィシャルボトルとして登場。ラベルには、蒸溜所周辺にも生息する美しい鳥「カワセミ(Kingfisher)」が描かれています。
2002年に惜しくも生産が終了し、以後は後継の「シングルトン・オブ・ダフタウン」シリーズへと切り替わっています。当時は比較的手頃な価格で流通していた本ボトルも、現在では入手困難。市場価格は上昇傾向にあります。
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