【初心者向け講座】ウイスキーのテイスティングについて|おすすめグラスも紹介|テイスティング方法・具体的なやり方について
ウイスキーテイスティングの基本的なやり方について解説。
ティスティング方法は人によってさまざまな方法がありますが、今回紹介するのは蒸留所で行われているウイスキーセミナーなどでも紹介される方法と、わたくしユースケが普段から実践しているやり方を組み合わせた独自の方法となります。
ティスティングの基本
- 色をみる。
- 香りを嗅ぐ
- 味わう
- 余韻を感じる
- 加水する
- 加水後の香りを嗅ぐ
- 加水後の味わい
- テイスティングノートに記録する
1、色をみる
ウイスキーの色を観察しましょう。グラスを傾けて、光の当たる角度を少し変えたり、グラスとウイスキーの「淵の部分」を見ることで、より鮮明に色彩を見ることが可能です。そして色彩の特徴をつかむことで、熟成年数や熟成樽の種類を想像することができます。
また、ウイスキーの清澄度や濃淡、粘性を見ることも重要。例えば同じシェリーカスク熟成のウイスキーだとしても、蒸留所の違い、樽ごとの個性、酒齢によっても変わる部分なので注目して見ていきましょう。
2、香りを嗅ぐ(ノージング)
グラスを手に取って、ゆっくりと鼻に近づけて香りを嗅ぎます。
この時に、鼻を近づけすぎると、アルコールの刺激のほうを強く感じてしまうことがあるので、ゆっくりと近づけて適度な距離で香りを嗅いでください。
一度香りを嗅いだら、次は軽くグラスをふって(スワリング)ウイスキーを混ぜます。ウイスキーのなかに小さな気泡が入り、それがウイスキーの液面にあがったときに割れて、グラスからさらに香りが放たれるのです。
香りを嗅ぐ時に口を少し開けてみよう!ウイスキーの香りが通り抜けることで、フレーバーをより強く感じることができます。
3、味わう
グラスを手に取って、唇に当てて、ゆっくりと少量だけ口に含みます。
すぐに飲み込むのではなく、口内にとどまらせるようなイメージです。
時間が経過すれば、自然に喉へ落ちていきます。
口内で感じる口あたり・舌触り・のどごし、などを感じましょう。ウイスキーを口にいれて味わうと、香りを嗅いだ時とはまた違ったフレーバーを見つけることができます。
一般の人が参加できるウイスキーセミナーに行ったときは、ウイスキーのテイスティングをしてゲホゲホしている人が結構いました。ストレートで飲みなれていない人は、ウイスキーを「喉」で飲んでしまう訳です。
4、余韻を感じる
ウイスキーに限らずすべてのお酒の醍醐味といえます。特にアルコール度数が高いウイスキーは、余韻が豊かに感じられ、徐々に変化していくところも魅力のひとつ。
鼻から、のどから、ゆっくりとアロマが巡っていき、ノージングでは感じ取れなかったフレーバーが、余韻からは不思議と感じることができたりします。
普段ウイスキーを飲む時に、余韻はあまり意識していないと思いますが、良いウイスキーは余韻が長く、複雑でバリエーション豊かなアロマを放ちます。
一口飲んでから、少しだけ間隔を空けてみましょう。余韻の良さに気付くことができると思います。
5、加水する
ウイスキーのテイスティングにおいて、加水ほど重要な要素はありません。
テイスティンググラスに少し水を入れて、ウイスキーを加水します。アルコール度数を下げることで、ウイスキーの香りや味わいを感じやすい濃度に調整することができます。
入れる水の量はウイスキーによっても異なりますが、まずは2,3滴だけ入れて、香りに変化があるのかどうか様子をみます。
あまり変化がなければ、もう少し水を入れます。何回かにわけて加水。最終的にはウイスキーと同量程度(トワイスアップの状態)まで進めていき、再度テイスティングをしていきます。
加水によってウイスキーの風味が良くなることもあれば、濃縮感がなくなり弱ってしまうこともあるので、加水は慎重に行いましょう。
アルコール度数が強い「カスクストレングス」のウイスキーに関しては加水が必須です。単に飲みにくいから加水を行うのではなく、アルコール度が強すぎるとアロマが嗅ぎとりにくいから。
6、加水後の香りを嗅ぐ
アルコールの刺激が少なくなったので、加水前には感じとれなかったフレーバーを見つけることが可能となります。
これは香りのバランスが変わるため。ウイスキーによっては印象が大きく変化することもあります。
7、加水後の味わい
ストレートではアルコールの刺激が強く、舌で感じ取りにくいところもあると思います。
加水によって刺激が弱まり、ウイスキーの甘み、塩味、酸味、渋み、うま味などの複雑な要素がわかるようになります。
加水をすることで「味わいの分析」はしやすくなりますが、「ウイスキーが美味しくなる」という訳ではありません。銘柄によっては加水するとバランスが崩れ、風味が弱くなってしまうこともあります。ウイスキーの飲み方は個人的な嗜好の問題ですが、「水割りに向かないウイスキー」があることは事実です。
8、テイスティングノートに記録する
テイスティングしたウイスキーの情報や、感じたことを記録しましょう。
積み重ねていくことで、ウイスキーのテイスティング能力は向上します。日にちがあいてから再度、同じウイスキーをテイスティングをすれば、一回目と二回目では感じ方に差が出ていることもあります。
テイスティングノートを書くことによって、新たなフレーバーに気が付くことができるかもしれません。記録をとるのは重要。簡単でもいいので、何かしら書いて情報を残していきましょう。
【初心者向け講座】ウイスキーのテイスティングについて|おすすめグラスも紹介|記載する項目について
ウイスキーのテイスティングノートに記載するべき項目をご紹介。テイスティングを始めたばかりだと、全ての項目を埋めるのは難しいと思うので、まずは書ける所だけでOKです。
テイスティングノートに記載する項目例
- 実施日
- 銘柄(できる限り詳細に)
- 熟成年数
- 樽のタイプ(わかれば)
- 値段、購入先
- 色、外観
- 香り
- 味わい
- 総合評価
- おすすめの飲み方
総合評価は「10点満点」などの、点数をつけるのをおすすめします。テイスティングノートを見返したときに、ウイスキーの総評が一番目につく項目です。点数を付けていた方が、後々わかりやすく分析できます。
また、純粋においしいと思うかはもちろん、コストパフォーマンスに優れているのかも、ポイントやランク付けなどして記録しておきましょう。
私はバーテンダーなので、おすすめの飲みについても記載していました。ウイスキーの点数をつけるのは結構たのしいですよ!
【初心者向け講座】ウイスキーのテイスティングについて|おすすめグラスも紹介|アロマの分類例
ウイスキーは「飲む香水」と呼ばれるくらい、豊富なアロマが存在しています。テイスティングでは、そのアロマを具体的な物に表現して評価していきます。
アロマの具体的な分類例は、ウイスキー文化研究所の書籍から引用させて頂きました。数が多すぎるので、一部を抜粋してご紹介致します。
アロマ(香り)の分類例 ウイスキー文化研究所作成
(一部を抜粋して引用)
シリアル系・・・穀物由来の香り、穀物様
モルティ(麦芽様)、ハスキー(ハスク)、もみ殻、フスマ、マッシュポテト、コーン臭、コーンポタージュ、ライ麦、ライ麦パン、小麦粉、焼きたてのパン、オートミール、温野菜、段ボール(紙様)etc
※原料の大麦に関する、または大麦から連想される香り
フェノール系・・・ピート香、ピーティ
薬品、クレオソート、消毒液、リノリューム、ヨード、タール、スモーク(燻製)、焚火、バーベキュー、漁船、腐葉土 etc
※主として原料の大麦に付加されたピート香に由来する香り
エステル系・・・フルーティー、エステル香
柑橘系 / レモン、グレープフルーツ、オレンジ、ライム
砂糖漬けシトラス / レモンピール、オレンジピール
赤い果実 / イチゴ、ラズベリー、チェリー、マラスキーノチェリー
黒い果実 / ブラックベリー、カシス
その他の果物 / ブルーベリー
核果 / アンズ、白桃、ビワ、梅
種子のある果物 / リンゴ(青りんご、紅玉)、梨、洋梨、メロン、ブドウ
加熱された果物 / ジャム(砂糖漬け)、コンポート、(シロップ漬け)
ドライフルーツ / 干しぶどう、干しアンズ、干しイチジク、プルーン
トロピカルフルーツ / ライチ、マンゴー、パイナップル、バナナ、パッションフルーツ
溶剤系(アルミ系)/ 溶剤、リムーバー、セメダイン、シンナー、ニス
※果実の香りは、同じ種類を指しても「新鮮な果実」と「熟した果実」に分けて表現する場合がある
アルデヒド・・・フローラル、花のよう
干し草様 / 干し草、青草、ワラ
葉っぱ様 / 青葉、シダ、シソ、枯れ葉
花様(フローラル) / 白い花、モクレン、ジャスミン、スミレ、バラ、ハナミズキ、梅、桜
ハーブ系 / ミント、ペパーミント、タイム、ローズマリー、バジル、セージ、ローリエ
スパイス系(ハーブ以外) / クミン、ナツメグ、クローブ(丁子)、シナモン、山椒、胡椒
香油系 / アマニ油、ユーカリ油、コーン油、オリーブオイル
※「白い花」、「黄色い花」、「赤い花」といったイメージで捉える場合もある。
甘い感じ
ハチミツ様 / ハチミツ、ヘザーハニー、蜜ろう
バニラ様 / バニリン
砂糖系 / ジャム、フルーツケーキ、キャンディー、マジパン、黒糖、人口甘味料(駄菓子)
グリセリン様 / 粘性甘味
フェインツ系・・・フェインティ、余留臭
なめし革、革製品(レザー)、たばこ、バター、ミルク、チーズ、ワックス、石鹸
※再留の後半の余留液から主に生じる香りで、特有のクセのある香りが多い。多量に感じると不快になるが、少量では複雑さに貢献する
サルファリー・・・硫黄系
硫黄、マッチ箱、ゴム、タイヤ、消しゴム、ゆで卵、温泉、ザワークラウト、イースト
ウッディ・・・樽由来の香り
バニラ、カスタード、メープルシロップ、トフィー、コーヒー、紅茶、香木(キャラ)、白檀
ワイン樽系
オロロソシェリー、ポート、チョコレート、ココナッツ、アーモンド、クルミ、バルサミコ酢
オイリー・・・脂肪系
ファッティー / 脂肪、油、油脂
バター様 / バター、マーガリン
ナッツ様 / アーモンド、クルミ、ココナッツ、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ
酸化様 / 油の酸臭、バター油製品のむかつくような不快感
酸臭
酢酸様 / ワインビネガー、バルサミコ酢
チーズ様 / チーズ(青カビ、白カビ、その他)、ヨーグルト
その他
ネギ、玉ねぎ、パセリ、セロリ、ピーマン、ゴボウ、粘土、塩、魚、マニキュア、石油、石炭、ガソリン、モロミ、甘酒、かつお節、昆布、英国家具ウイスキー文化研究所発行『ウイスキーコニサー資格認定試験教本2018上巻』より引用
ウイスキーのアロマは非常に豊か。バリエーションが多すぎて、正直にいうと私も「これなんだっけ?」とよく理解してないものがあります(笑)
ティスティングのコメントをする際、かっこよく表現したい時は、そのウイスキーに合ったものを上記から見つけて使ってみましょう。
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スコットランドのウイスキー鑑定家「チャールズ・マクリーン」氏と、フランスの美食評論家である「マルティン・ノエ」氏によって開発されました。香りのサンプルは54種類。
ウイスキーのテイスティング能力を鍛えるためのエッセンスであり、ウイスキーやワイン業界で活動するプロフェッショナルにとっても魅力的な商品と言えるでしょう。
【初心者向け講座】ウイスキーのテイスティングについて|おすすめグラス紹介【3選】
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少し大げさにいうと、床に落としても割れないこともあるくらい。衝撃を弾き飛ばすようなタフさと、テイスティンググラスとしても優れたデザインと性能を兼ね備えています。
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1910年に創業された木村硝子店のウイスキー用テイスティンググラス。
木村硝子は日本の老舗グラスメーカー。バー、レストラン、高級割烹料理店など、飲食業界向けの高品質なグラスを製造しています。日本独自の進化を遂げたそのグラスは、薄くて繊細なデザインが最大の特徴。
バーテンダー御用達のテイスティンググラス。最近は外国人観光客の間でも人気が高くなっています。
まとめ
テイスティングとは?
→ウイスキーの利き酒のことで、すべての感覚をつかって品質を判断すること。
テイスティングに必要な物
→グラス、水、テイスティングノートが必要。適切な環境で行う。
テイスティング方法について
→色をみる、香りを嗅ぐ、味わう、余韻を感じる、加水する、加水後の香りを嗅ぐ、加水後の味わい、テイスティングノートに記録する。
アロマの分類例
→引用を参照。ウイスキーのアロマ(香り)の表現は非常に豊か。
ウイスキーのティスティングについて、何か「コツ」があるのか聞かれたことがあります。 私はこのように答えます。
「テイスティングは感じるのではなく、探していくこと。」
素直に感じたことも大切ですが、それ以上にウイスキーのアロマを積極的に探していくことが重要だと思います。
それを意識するだけで、ティスティングの能力は格段に成長します。テイスティングは奥が深くて、大変そうに思う方もいるかもしれません。最初は難しく考えず、気軽に始めてほしいと思います。
この記事を参考に、ウイスキーのテイスティングが身近になり、より楽しめるようになって頂ければ嬉しく思います♪
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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