こんばんは ユースケです。
自己紹介：BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中！
この記事では、シェリーカスクのみで熟成されたジャパニーズシングルモルトウイスキーをご紹介します。
芳醇で甘やかな香り、深くまろやかな味わい…そんな魅力を存分に楽しめるのが、シェリーカスク100％で仕上げられたウイスキーです。原酒の一部ではなく、すべてをシェリー樽で熟成させるという贅沢な造りは、ウイスキー愛好家の間でも注目を集めています。
そこで今回は、香り・味わい・造り手のこだわりに焦点を当て、シェリーカスク100％のジャパニーズシングルモルトの中から、特におすすめの銘柄３本を厳選。ぜひ最後までご覧ください。
【2025年版】シェリーカスク100％のジャパニーズシングルモルトウイスキーおすすめ３選
- 桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTION
- シングルモルトあかし 5年 ヘビリーピーテッド シェリーカスク カスクストレングス
- JAPANESE SINGLE MALT WHISKY 御岳 2025
桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTION
桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTION
- 700ml 50％
- 蒸留所：SAKURAO DISTILLERY
- 楽天市場価格[2025年6月]：11,800円
広島県・廿日市市にあるSAKURAO DISTILLERY（桜尾蒸留所）がリリースする「桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTION」は、2種のクリームシェリー樽で熟成させたジャパニーズシングルモルトウイスキーです。通常、シェリーカスクは「オロロソ・シェリー」や「ペドロヒメネス・シェリー」を用いることが多いので、「クリームシェリー」の樽で熟成させた商品は、ジャパニーズはもちろんスコッチでも珍しいものとなります。
クリームシェリー（Cream Sherry）とは、スペイン・ヘレス地方で造られる甘口のブレンドシェリーのこと。オロロソ（辛口タイプ）をベースに、ペドロヒメネス（極甘口タイプ）をブレンドし、甘みを加えたタイプで、上品な甘さとまろやかな口当たりが特徴です。この樽で熟成されたウイスキーには、シェリーカスク由来の甘い香味が色濃く移り、リッチでフルーティーな風味が生まれます。
「2種類のクリームシェリー樽使用」という表現については、具体的な内訳は明らかにされていませんが、考えられるのは以下の2点。
- ブレンド比率の異なるクリームシェリーを使用。
- 使用されている樽材（アメリカンオーク／スパニッシュオーク）の違い。
いずれにしても、桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTIONでは、この異なる2種のクリームシェリー樽で熟成された原酒をブレンドすることで、ひとつの樽だけでは表現しきれない奥行きのある甘さと、芳醇な香りを見事に引き出しています。
“シェリーカスク100％”という贅沢な造りと、クラフトマンシップが詰まった「SAKURAO DISTILLERY」の秀作。オロロソシェリーとは異なる、クリームシェリーならではの個性を愉しめる数少ないウイスキーです。
シングルモルトあかし 5年 ヘビリーピーテッド シェリーカスク カスクストレングス
シングルモルトあかし 5年 ヘビリーピーテッド シェリーカスク カスクストレングス
- 500ml 62％
- 蒸留所：江井ヶ嶋蒸留所
- 楽天市場価格[2025年6月]：13,750円
兵庫県・江井ヶ嶋蒸留所の手がける「シングルモルトあかし 5年 ヘビリーピーテッド シェリーカスク カスクストレングス」は、ピーティーでスモーキ―な風味の中に、シェリーカスクのフルーティーな個性が融合したジャパニーズシングルモルトウイスキーです。
麦芽はフェノール値50ppmという非常にスモーキーなピーテッドモルト。熟成にオロロソシェリーカスクを100％使用し、5年間熟成。
オロロソ・シェリーとは、辛口のシェリー酒で、ドライでナッツのような風味をもち、「フィノ・シェリー」と比べると、長期熟成タイプとなります。ウイスキー熟成樽としはは、ドライフルーツ、カカオ、スパイスのようなニュアンスを与えます。
「シングルモルトあかし 5年 ヘビリーピーテッド シェリーカスク カスクストレングス は、ピートスモークの中に、しっかりとオロロソシェリーカスク由来のチョコレートやレーズンのような甘い香りと、ほのかなタンニンの渋みが感じられ、個性的かつ複雑な味わい。
また、加水調整を一切行わない「カスクストレングス」であるため、アルコール度数は非常に高く、そのぶん、原酒の風味がパワフルで飲み応えがあります。
一般的なシェリーカスクのシングルモルトと比べると、少しクセが強いタイプになりますが、スモーキーさとシェリーカスクの個性を好む層におすすめの１本です。
JAPANESE SINGLE MALT WHISKY 御岳 2025
JAPANESE SINGLE MALT WHISKY 御岳 2025
- 700ml 43％
- 蒸留所：御岳蒸留所
- 楽天市場価格[2025年6月]：14,300円
鹿児島の自然と180年の技術が織りなす、極上のシェリーカスク「JAPANESE SINGLE MALT WHISKY 御岳 2025」は、南国・鹿児島の豊かな自然と、西酒造が180年かけて培ってきた蒸留技術が融合した、こだわりのジャパニーズシングルモルトウイスキー。全量をシェリーカスクで熟成した、贅沢な1本です。
手がけるのは、薩摩の焼酎文化を支えてきた名門・西酒造。その西酒造が新たな挑戦として2019年に立ち上げたのが、鹿児島県日置市、標高約400mの冷涼な丘陵地にある御岳蒸留所です。桜島（御岳）を望むこの地は、豊かな森に囲まれ、ウイスキーの貯蔵に最適な清澄な空気と、毎分1,000リットル以上湧き出す天然の軟水に恵まれています。
このウイスキーは、2023年のファーストエディションに続く第2弾。原料には、厳選された国産の二条大麦と、自社で選抜・培養した独自酵母を使用。発酵から蒸留、熟成に至るまで、全てを御岳蒸留所内で一貫して行っています。
最大のこだわりは、熟成に使用された「ソレラシェリーバット」を使用していること。これは本来「味わうためにつくられた本物のシェリー酒」が長年熟成されていた樽であり、ウイスキーのために人工的に香りづけされた「シーズニング・シェリーカスク（こちらの方がウイスキー熟成用としては一般的）」とは異なり、本格的な深みと芳醇な香味をもたらします。
さらに御岳では、樽の選定にも並々ならぬ情熱を注いでおり、スペイン・アンダルシアのシェリー蔵まで足を運び、一樽一樽の香りを自らの目と鼻で確かめて選別。その後、現地の職人の手で丁寧なリペアを施されたものだけを使用しています。
特筆すべきは、使用するすべての樽がファーストフィル（一度目の熟成に使う樽）であること。通常、2回目・3回目と繰り返し使うリフィル樽が混ざることが多い中で、「御岳2025」はあくまでもシェリーカスクの個性を最大限に引き出すことを目指しています。
ジャパニーズシングルモルトウイスキーの中でも、原酒すべてをシェリー樽で熟成させた商品は、実はごくわずかしか存在しません。加えて、シェリー樽そのものが高価で調達も難しいことから、その多くが数量限定か、プレミアムな価格帯での展開となっています。
だからこそ、そこに込められた造り手のこだわりは、確かな感動をもたらしてくれるはず。濃密で華やかなシェリーカスクの余韻をゆっくりと味わいながら、“本物”の一杯に酔いしれてみてはいかがでしょうか。
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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