こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
アメリカンウイスキーの一種で、原料にライ麦を51%以上使用し、内側を焦がした新樽で熟成させたウイスキーのこと。160プルーフ(80%)以下で蒸留し、125プルーフ(62.5%)以下で樽詰めして、熟成させる。2年以上熟成させると「ストレート・ライウイスキー」と名乗ることができる。バーボンウイスキーに次いで生産量が多い。
この記事では1万円以内(5000円~1万円)で購入できる、アメリカン・ライウイスキーを5選ご紹介致します。アメリカでは近年、クラフトウイスキー蒸留所の創業ラッシュとなっていますが、バーボンに次いで人気のあるライウイスキーの生産量も増加傾向です。バーボンウイスキーのブランドが新たにライウイスキーをリリースするなど、大手メーカーも生産に入れています。
予算1万円となると、ライウイスキーとしては高級品となりますが、クオリティが高く、バーボンに負けないくらい豊かなフレーバーをもつ銘柄ばかりです。普段はライウイスキーを飲まない方にもおすすめできる5本となりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【1万円以内】バーテンダーおすすめアメリカン・ライウイスキー5選
- ミクターズ US-1 シングルバレル ストレートライウイスキー
- コーヴァル シングルバレル・ウイスキー ライ
- ウッドフォードリザーブ ライ
- ホイッスル ピッグ 10年 スモールバッチ ライ
- サゼラック ライ
※2022年11月時点のアマゾン税込価格を参考に選出しております。
【1万円以内】バーテンダーおすすめアメリカン・ライウイスキー5選|ミクターズ US-1 シングルバレル ストレートライウイスキー
ミクターズ US-1 シングルバレル ストレートライウイスキー
700ml 42.4%%
参考価格:6700円
ミクターズはケンタッキー州のルイビルにあるミクターズ・シャイヴリー蒸留所で造られています。ウイスキーの製造方法は、他のアメリカンウイスキー蒸留所とは異なる点が多くあり、自社製品にたいしてのこだわりが強いブランドです。
例えばミクターズの樽詰め度数は、一般的なバーボンよりも低い103プルーフ(51.5%)。さらに熟成後に行う加水調整も最小限。エイジングセラーにはヒーター導入し、常に温暖な環境で熟成させています。また、熟成樽にもこだわっており、樽の内側を焦がす(チャー)の工程を2段階にし、樽材の糖分を凝縮させています。ミクターズはコストのかかる製造方法を用いて、風味豊かなウイスキー造りを続ける蒸留所なのです。
ミクターズUS-1シングルバレルストレートライウイスキーは、良質なライ麦を主原料に仕込み、4年以上熟成させたシングルバレル・ストレートウイスキー。豊潤でアロマティック。バニラ、スパイスのバランスが良く、ライウイスキーらしいシトラス系も感じます。数多くあるアメリカン・ライウイスキーの中でも目を見張るクオリティ。ストレートでも十分に愉しめます。
【1万円以内】バーテンダーおすすめアメリカン・ライウイスキー5選|コーヴァル シングルバレル・ウイスキー ライ
コーヴァル シングルバレル・ウイスキー ライ
750ml 40%
参考価格:6600円
コーヴァルはイリノイ州・シカゴにあるコーヴァル・ディスティラリー社のクラフトウイスキー蒸留所。2008年に誕生した比較的新しい蒸留所で、ウイスキーの他スピリッツも生産しています。日本ではまだ知名度は低めですが、ウイスキーの品質と製造についてのこだわりは本物。原料は契約農家が有機栽培でつくったものを使用。遺伝子組み換えを一切行っていない穀物で仕込みをしており、アメリカ農水省のオーガニック認定されたものだけを採用しています。
コーヴァル シングルバレル・ウイスキー ライは、オーガニックライ麦100%でつくられたライウイスキー。「比率が高い」とかそんなレベルではなく、完全にライ麦だけで造られたウイスキーは全米でも珍しい存在です。ドライでスパイシー。ボディがしっかりしておりアロマは複雑。他社のアメリカン・ライウイスキーとは全くの別物です。
【1万円以内】バーテンダーおすすめアメリカン・ライウイスキー5選|ウッドフォードリザーブ ライ
ウッドフォードリザーブ ライ
1000ml 45.2%
参考価格:6200円
ウッドフォード・リザーブはケンタッキー州・フランクフォート地区にあるウッドフォードリザーブ蒸留所で造られているスモールパッチ・バーボンウイスキー。スコットランド製の単式蒸留器で3回蒸留されており、通常の連続式蒸留器で造られたバーボンとは異なる、豊かなフレーバーを生み出しています。
ウッドフォードリザーブ ライは2019年に日本で販売開始された新しい商品。マッシュ比率はライ53%、モルト14%、コーン33%。ちなみに通常のウッドフォードリザーブはライ18%、モルト10%、コーン72%となっているので、当然のことながらライの比率は圧倒的に高く、個性の差も明確です。ライウイスキーのほうがややライトボディですが、軽さの中に豊潤さがあり、モルトのようなクリーミーさと華やかな風味があります。ストレートでも加水しても一定の安定感を保ちつつ、個性を出すのが難しいアメリカン・ライウイスキーのなかでは奥深い味わい。
このレベルになると、もはやカクテルのベースにするのは勿体ないくらい。ですが、これだけクオリティの高いライウイスキーだと、バーテンダーとしてはあえてカクテルでも使ってみたくもなるのも事実です。
【1万円以内】バーテンダーおすすめアメリカン・ライウイスキー5選|ホイッスル ピッグ 10年 スモールバッチ ライ
ホイッスル ピッグ 10年 スモールバッチ ライ
700ml 50%
参考価格:8000円
アメリカで最も注目されているライウイスキーの造り手。2017年の「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」では最優秀ウイスキー(Best in Show)を獲得しています。ホイッスルピッグ蒸留所はバーモント州のショアハムにあり、500エーカー(東京ドーム約43個分)のファーム内にあります。熟成樽にはファームとその周辺地域で伐採したバーモントオークを使用しているのが最大の特徴。ケンタッキーバーボンと同様、内側を焦がして(チャー、またはトースト)造られた自家製樽によって、これまでのアメリカンウイスキーでは得られなかった深みのある味わいのライウイスキーを生み出しています。
ホイッスルピッグ10年スモールバッチライはフラッグシップ商品。原料のほとんどがライ麦となっており、通常のライウイスキーよりも熟成年数は長めに設定されています。十分な熟成期間と巧みな樽使い、原料に対する強いこだわりによって、唯一無二の個性的な風味を持つホイッスルピッグは、今やアメリカを代表するライウイスキーブランドとなっています。
【1万円以内】バーテンダーおすすめアメリカン・ライウイスキー5選|サゼラック ライ
サゼラック ライ
750ml 45%
参考価格:7200円
バッファロートレース蒸留所で造られているストレート・ライウイスキー。サゼラックライを語る上で最も優先しなければいけないのが、最も歴史のあるカクテル「サゼラック」のベースとなっていることでしょうか。このカクテルは1800年代、ニューオーリンズの「サゼラックコーヒーハウス」で誕生。世界最古のカクテルとも呼ばれています。(そもそもカクテルという言葉すら、はっきりとした誕生の由来が不明なので、サゼラックが世界最古なのかは全く不明だと思いますが…)
「サゼラックライ」が公開している公式レシピは以下のとおり。
- サゼラックライ 45ml
- アブサン 5ml
- アンゴスチュラビターズ 2ダッシュ
- 角砂糖 1個(シュガーシロップの場合は5ml)
- レモンピール
ウイスキーとしての個性は、昔ながらのライウイスキーといった印象。甘やかなバニラクッキーの後に、スパイス、ハーブ。口に含むとドライでビター。カクテルのベースとして適したバランスなので、サゼラック以外のベースとしても使いたいところです。
予算5000円以内のライウイスキーと比べると、1万円以内の銘柄はかなりクオリティがあがっています。5000円を越えるとアメリカンウイスキーとしては高級品。物価上昇の影響により、ここ数年で相場が高くなったこともありますが、普段飲みとしてはいい値段ですからね。しかしライウイスキーの個性をしっかりと愉しめる銘柄ばかりですので、興味が沸いた方にはぜひ飲んでほしいと思っています。
あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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