【ブレンデッドウイスキーレビュー】ジョニーウォーカー ブルーラベルを評価

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では、世界で最も売れているブレンデッドスコッチウイスキー「ジョニーウォーカー」シリーズの中から、「ジョニーウォーカー ブルーラベル」に注目し、テイスティングレビューやボトルの評価、構成原酒について詳しく解説します。

「ジョニーウォーカー ブルーラベル」の味わいを知りたい方や、「ジョニーウォーカー」ブランドについて深く理解したい方におすすめの内容です。ぜひ最後までお楽しみください。

 

 

 

世界で最も売れているスコッチウイスキー「ジョニーウォーカー」とは?

ジョニーウォーカーは、世界で最も売れているスコッチウイスキーのブランドです。2022年の統計によると、ウイスキーの売上ランキングで世界5位にランクインし、年間2,270万ケースを販売するほどのビッグブランドとなっています。

創業者ジョン・ウォーカーとビジネスの始まり

ジョニーウォーカーの歴史は、1820年にジョン・ウォーカー(1805〜1857年)がスコットランドのキルマーノックで開業した小さな食料雑貨店から始まりました。ジョンは14歳の時に父を亡くし、家畜や農機具を売った資金537ポンドを元手に商売を始めました。

この店では、紅茶、香辛料、ワイン、スピリッツ類などを扱っていましたが、キルマーノックの急成長とともに事業も発展。やがてウイスキーのブレンドに目を向けるようになります。

ブレンデッドウイスキーへの転換

1831年、イーニアス・コフィーによる連続式蒸留機の発明をきっかけに「ブレンデッドウイスキー」が誕生。この技術革新により、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドする新たなスタイルが生まれました。

1853年、エジンバラの酒商アンドリュー・アッシャー2世がブレンデッドウイスキーを商業化したとされていますが、ジョン・ウォーカーも同時期にブレンド技術を研究していました。彼は紅茶のブレンド技術からヒントを得て、「ウォーカーズ・オールド・ハイランド・ウイスキー」を生み出します。これが後の「ジョニーウォーカー」へと発展していきます。

事業の拡大とブランド戦略

ジョン・ウォーカーの死後、事業は息子のアレクサンダーが引き継ぎます。彼は優れたブレンダーであり、ビジネスの才能にも長けていました。1877年には「ウォーカーズ・オールド・ハイランド・ウィスキー」を商標登録し、ブランドの差別化を進めます。

アレクサンダーは、当時としては珍しい「四角形ボトル」を採用し、さらに「24度傾いた斜めのラベル」をデザイン。このアイデアがジョニーウォーカーの象徴となり、現在まで続くブランドイメージを確立しました。

「レッドラベル」と「ブラックラベル」の誕生

1889年にアレクサンダーが亡くなると、息子のジョージとアレックが事業を継承。彼らはウイスキーの安定供給を確保するため、1894年にキーモルトを生産する「カードゥ蒸留所」を買収しました。

その後、アレックは1906年に「ジョニーウォーカー レッドラベル」を開発。また、「ウォーカーズ・オールド・ハイランド」を改良し、「ジョニーウォーカー ブラックラベル12年」を誕生させました。

1909年には「ジョニーウォーカー」「レッドラベル」「ブラックラベル」が正式に商標登録され、現在に至るまでスコッチウイスキーを代表するブランドとして世界中で愛されています。

 

 

「ジョニーウォーカー ブルーラベル」の特徴

「ジョニーウォーカーブルーラベル」は、ジョニーウォーカーの中でも最高峰に位置するウイスキーです。数百種類の原酒の中から厳選されたモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして作られています。

この特別なブレンデッドウイスキーは、長期間熟成された希少な原酒が使われており、他のジョニーウォーカーのラインナップと比べても格別な存在。1992年に発売され、毎年わずか4000本のみが生産される、希少なウイスキーでもあります。

 

ブルーラベルの歴史

ジョニーウォーカーは、1820年にスコットランドのキルマーノックで創業され、その後、世界的に名を馳せたブレンデッドウイスキーのブランドです。ブルーラベルは、1992年に登場しましたが、当初は「オール・デイ」という名前で発売されました。

この名前は、創業者ジョン・ウォーカーが「最も古いブレンド」の意味で使用したものです。ブルーラベルは、特に希少な原酒や熟成された原酒を使用しており、まさにジョニーウォーカーの集大成ともいえる品質を誇っています。

 

製造過程とブレンドの特徴

ブルーラベルの特徴的な点は、使用される原酒の選定にあります。

特に50年から60年以上熟成された非常に古い原酒が含まれており、これによりウイスキーの複雑で深い味わいが生まれます。使用される原酒はスコットランド各地の蒸溜所から調達。その中には「ロイヤル・ロッホナガー」や、「タリスカー」、「アードベッグ」などの名門蒸溜所のものが含まれています。

最も特筆すべき点は、ブレンドに使用される原酒の数が非常に多いこと。緻密なブレンドを施すことで、複雑で豊かな香りや味わいを生み出しています。

 

定価・価値推移

「ジョニーウォーカーブルーラベル」の定価(メーカー希望小売価格)は、税抜28,000円。その品質の高さゆえに、ジョニ赤、黒、緑などと比べても、高級品です。それでも非常に多くのウイスキー愛好者にとって「買う価値のある一本」とされています。

2025年4月時点の、一般的なブルーラベルの流通価格は、18,000円~22,000円ほど。2023年頃までは、16,000円~20,000円で購入できましたが、相場は上昇しています。

 

ブルーラベルの種類

ジョニーウォーカーのブルーラベルには、いくつかのバリエーションが存在しており、代表的な商品をいくつか紹介します。

ジョニーウォーカーブルーラベル ゴースト&レア

希少な蒸溜所の「ゴースト蒸溜所」と呼ばれる、閉鎖された蒸溜所の原酒を使用した限定品。このウイスキーは、過去に稼働していたが現在は存在しない蒸溜所からのウイスキーをブレンドし、その希少性と特異性を楽しめるものとして提供されています。

「ゴースト&レア」の特徴は、廃止された蒸溜所の原酒が加わることで、一般的なブレンドウイスキーとは異なる、深みと複雑さを持つ味わいが生まれる点。これにより、通常のブルーラベルとは一線を画した個性が楽しめます。

「ゴースト&レア」の名が示す通り、これらの原酒は非常に希少。このシリーズは生産本数が少ないため、ウイスキー愛好家やコレクターにとっては貴重な一本となっています。

 

ジョニーウォーカー ブルーラベル ウマミ

魅力的で定義が難しい味覚「うま味」にインスパイアされた限定ボトル。ジョニーウォーカーのマスターブレンダー、エマ・ウォーカーとシェフの小林圭氏が共同で開発し、内陸部と沿岸部の蒸溜所から厳選した樽を使用。25,000樽の中から一つだけ、うま味のピークに達したものを選び、独特な風味を引き出しました。

 

ジョニーウォーカー ブルーラベル アイスシャレー

「アイスシャレ―(ICE CHALET)」は、ジョニーウォーカーブルーラベルの2024年冬季限定品。スコットランドの最北部の希少なシングルモルト、特にダルウィニーやブローラの原酒をブレンドしています。リンゴ、クローブ、シナモンの香りと、スキーリゾートの暖炉を思わせるスモーキーなタッチが特徴の、バランスの取れた味わい。

映画監督兼プロスキーヤーのThierry Donardと、ラグジュアリースキーウェアブランド「パーフェクト・モーメント」のコラボレーションにより、スキーとアフタースキーの文化を象徴するスタイリッシュなデザインが施されています。

 

ジョニーウォーカー ブルーラベル 干支シリーズ

「干支」をテーマとした、新年を祝う特別なデザインボトルのブルーラベル。このシリーズは、スコッチウイスキーの伝統と、日本の文化を融合させた特別な商品であり、毎年干支にちなんだ異なるデザインが施されています。

中身のウイスキーは通常のブルーラベルと同じものとなります。

↓【2025干支ボトル】 ジョニーウォーカー ブルーラベル イヤー オブ ザ スネーク (巳歳)

 

 

【ブレンデッドウイスキーレビュー】ジョニーウォーカー ブルーラベルを評価

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香り

洋梨、オレンジピール、青りんご、レーズン、いちじく、ホワイトチョコレート、キャラメル、マドレーヌ、アップルミント、シナモン、カルダモン、オーク材、かすかにヨード臭と燻製。

加水するとよりオーキーになり、フレグランスのようなエステリーさも現れます。アロエ、グラッパ、フルーツキャンディー、ヨーグルト、モルト。

 

味わい

リッチな甘さと芳醇な味わいが、口に入れてからすぐに開いていきます。リッチでまろやか。ミディアムボディ。中盤以降はドライで華やか。若干ピートの香りを感じますが、全体的にクセのある感覚はなく、ピーティーさが上品に溶け込んでいます。フィニッシュにかけては複雑なアロマバランス。余韻はやや長め。

加水するとピーティーな風味は少し強まり、よりスコッチらしい個性に変化。バランスは加水前よりもよくなり、上品でありながら飲みごたえもあります。

 

評価

「ジョニーウォーカー ブルーラベル」の評価としては、「ジョニーウォーカーの最高峰は加水後に本領発揮⁉高級感のある仕上がりに脱帽」です。

「ジョニーウォーカー ブルーラベル」は、シリーズ登場以来、通常ラインアップの中で最上位に位置づけられ、ブランド全体の格を高める存在として君臨してきました。価格帯から見ても明らかに高級品であり、一部では「値段ほどの価値があるのか」といった厳しい声も聞かれますが、今回のテイスティングを通じて、改めてこのウイスキーの魅力を実感することができました。

具体的にどの原酒が使用されているかは公表されていませんが、ブランドの最高峰にふさわしいラグジュアリーな味わいを生み出すために、非常に緻密なブレンドが行われていることは間違いありません。年数表記はないものの、長期熟成原酒や、熟成年数にこだわらず品質の高い原酒が厳選されており、看板商品である「ジョニ赤」や「ジョニ黒」よりも、格上のウイスキーが優先的に使われていると考えられます。

言葉にするのは難しいのですが、「ジョニーウォーカー ブルーラベル」には、グラス一杯、一滴一滴から繊細な品質の高さがにじみ出ています。他のラインナップにはない上品さと高級感があり、飲み終えた後に深い満足感が残る――まさに贅沢な時間を演出してくれる、本物のブレンデッドスコッチウイスキーです。

ひと言で表すなら「通好み」のウイスキー、と言えるかもしれません。日常的にウイスキーを楽しんでいる方であれば、その完成度の高さや繊細なバランスに気づくことができるでしょう。

一方で、あえてネガティブな言い方をするならば、普段あまりブレンデッドウイスキーを飲まない方や、ウイスキー初心者にとっては、そのラグジュアリーさが伝わりにくく、「高いけど、そうでもなくない?」という印象を抱かれてしまう可能性もあります。強いインパクトや分かりやすい個性に欠ける、という点がその理由になるかも。

元々、高級ウイスキーとは一部の方にだけに愛される、評価されるという状態であっても、なんら問題ないとは思いますが、そもそも値段が高いのならば、「ジョニ赤」や「ジョニ黒」を圧倒するほどのクオリティを見せつけ、「いつかは飲みたい」と思わせる、「高品質かつ幅広い層に受け入れられる味わい」であっても良いのかもしれません。

つまり、価格に見合う高品質であることはもちろんのこと、できればより多くの人々にその魅力が伝わる、間口の広い味わいであることも、高級ウイスキーとしてのひとつの理想でしょうか。

しかし「ジョニーウォーカー ブルーラベル」は、初心者にはわかりにくさがあっても、そのクオリティは世界中のウイスキー愛好家から認められています。正直、大衆層を狙うのは、リーズナブルな「ジョニー兄弟」に任せておけば問題ないので、プロフェッショナル向けとして、このクオリティを維持して欲しいと思います。

 

「ジョニーウォーカー ブルーラベル」の個性について、もうひとつ触れておきたいのが、加水後の味わいの素晴らしさです。

これまで多くのブレンデッドウイスキーをテイスティングしてきましたが、一般的にブレンデッドウイスキーは、加水しても個性を保てるよう緻密に設計されています。そのため、水を加えることで香りや味わいが広がる銘柄は少なくありません。

しかし、「ストレートよりも加水した方が美味しい」と思えるウイスキーは、決して多くはないのが実情。そんな中でブルーラベルは、加水によってより滑らかさと奥行きが増し、その上質さがいっそう際立つ、稀有な存在だと感じました。

ご承知の通り、ウイスキーには様々な飲み方があって、ハイボールにせよロックにせよ、飲み方は自由。それがウイスキーの魅力でもあります。しかし、「テイスティング」であれば話が少し変わります。ウイスキーの個性を見極め、そのクオリティを感じ取れる飲み方は、ストレートの一択(加水後のトワイスアップ含む)。

やはりストレートこそが、ウイスキーの持つポテンシャルを最大限に味わえる飲み方であり、加水に対して強いブレンデッドウイスキーですら、加水後はストレートのときよりも、その風味では少し劣ってしまうケースがあるのです。

しかし、「ジョニーウォーカー ブルーラベル」に関しては、加水後もウイスキーの個性はハツラツとしています。バランスがとれた中で、スコッチらしいアロマも解放され、食欲が増すような旨味もあります。

むしろ、水を1:1の割合で加えることで、その真価がより明確に感じられるとも言えるでしょう。こうしたウイスキーは珍しく、「さすがはジョニーウォーカーの最高峰」と唸らされる完成度の高さ。

やや話が重複しますが、「ジョニーウォーカー ブルーラベル」の魅力が伝わりにくい背景として、「ジョニ赤」や「ジョニ黒」のクオリティが非常に高い、という事実も見逃せません。

「ジョニ赤」は1,000円台、「ジョニ黒」も2,000円台で購入でき、その価格帯における完成度と満足感はトップクラス。一方で「ブルーラベル」は、どんなに安くても18,000円前後。いくら品質が優れていても、単純なコストパフォーマンスで比べれば、「ジョニー兄弟」に軍配が上がるのも無理はありませんね。

もし、価格を度外視し、純粋に味と完成度で評価するなら、個人的にはやはり「ジョニーウォーカー ブルーラベル」がシリーズ最高のボトルだと思いますし、18,000円台の価格もその価値は十分にあるので、コスパで他のシリーズに劣るとはいえ、決して高すぎるウイスキーではないと思います。

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「ジョニーウォーカー ブルーラベル」は、ただのウイスキーではなく、ジョニーウォーカーの誇りが詰まった、究極のブレンデッドスコッチウイスキーです。その複雑で豊かな香りと深みのある味わい、繊細なバランスは、ウイスキー愛好者にとって、まさに一度は味わいたい特別な一本。

ウイスキー初心者にとっては少し敷居が高いかもしれませんが、ウイスキーの奥深さを感じたい方にはぜひおすすめです。ブレンデッドスコッチウイスキー「ジョニーウォーカー ブルーラベル」を飲みたい方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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