

こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
メーカーズマークは、アメリカンバーボンウイスキーの中でも、特にその滑らかな口当たりと飲みやすさで多くのファンに愛されている銘柄です。創業以来、サミュエルズ家による伝統的な製法でウイスキーを造り続けています。
この記事では、「メーカーズマーク」のテイスティングレポートを中心に、ボトル評価や、製造元の「メーカーズマーク蒸留所」の歴史、メーカーズマークの各ラインナップ、さらにはおすすめの飲み方に至るまで、詳細に解説していきます。
メーカーズマーク蒸留所 (Maker’s Mark Distillery)とは?

出典:https://www.makersmark.com/distillery
メーカーズマークは、アメリカ・ケンタッキー州ロレットに位置するバーボンウイスキーの蒸留所で、現在はサントリーグローバルスピリッツが所有していますが、ウイスキー造りは創業から継続してサミュエルズ家の当主によって行われています。そのユニークな特徴は、原料の選定や製法、さらにはボトルデザインに至るまで、他のバーボンとは一線を画す点にあります。
歴史と創業
メーカーズマーク蒸留所の起源は、1780年にスコットランドから移住したロバート・サミュエルズが、家庭用規模でウイスキー造りを始めたことに遡ります。しかし、商業的な生産が本格的に始まったのは、1840年に彼の孫であるテイラー・サミュエルズが経営を引き継いだ時から。蒸留所の規模は次第に拡大し、当初は「バークス蒸留所」という名前で運営されていました。
禁酒法の影響により一時的に閉鎖されるものの、ウイスキー生産は1951年に再開されます。この再開には、5代目のビル・サミュエルズが関与しており、1959年には初のバーボンウイスキー「メーカーズマーク」が発売され、業界で注目を浴びることとなりました。
製造工程と特徴

メーカーズマークの最大の特徴は、原料に使用される「小麦」です。通常のバーボンでは、トウモロコシ、大麦麦芽、ライ麦を使われることがほとんど。しかし、メーカーズマークはあえて冬小麦を使用することで、他のバーボンと一線を画す「柔らかい口当たり」を実現しています。
原料の比率「マッシュビル(mash bill)」
・トウモロコシ:70%
・大麦麦芽:14%
・冬小麦:16%
この原料選びが、メーカーズマークのフレーバーを特徴づけ、滑らかな味わいを生み出しています。
また、メーカーズマークでは、バーボンの瓶に特徴的な赤い蝋封を施すことで有名です。この蝋封はすべて手作業で行われており、ボトルごとに微妙に異なる形が見られるのも魅力の一つ。蝋封作業には、誰が行ったのかを記載するため、個々のボトルに職人の名前が記されており、この作業の過程が透明であることもファンに愛される要因と言えるでしょう。
禁酒法と復活
メーカーズマークは、禁酒法の影響を受けるなど波乱に満ちた歴史を歩んできましたが、その後もサミュエルズ家によって製造が継続され、1951年にウイスキー生産が再開されます。特に1959年に販売された「メーカーズマーク」は、他のバーボンとは一線を画すマイルドで滑らかな味わいが評価され、瞬く間に市場で注目を集めました。
その後、他社のバーボンと差別化を図るため、メーカーズマークはボトルデザインにもこだわり、独特の形状と赤い蝋封を採用。ブランドとしてのアイデンティティを確立しました。
現在の運営とビームサントリー社の傘下
メーカーズマークは、2011年にビーム社の傘下に入り、その後サントリーがビーム社を買収する形で、現在は「サントリーグローバルスピリッツ社(旧名:ビームサントリー社)」の一員となっています。とはいえ、ウイスキー造りの運営は依然としてサミュエルズ家によって行われており、代々受け継がれてきた伝統が守られています。
蒸留所の拡張も進んでおり、2015年には生産能力を高めるための施設増設が発表されました。この拡張により、より多くのバーボンが生産されることとなり、世界中のバーボンウイスキーファンに愛される銘柄としての地位を確立しました。
主なラインナップと限定品

メーカーズマークにはいくつかの代表的なラインナップがあります。定番の「メーカーズマーク」をはじめ、メーカーズ46(メーカーズマーク蒸留所の46番目のレシピに由来)も人気です。また、限定版の終売ボトル「VIP」に至っては、中古市場で高値が付けられています。
その他、プライベートセレクションというプログラムでは、提携小売店や飲食店とコラボして、オリジナルのシングルバレルボトルを制作することもできます。
1. メーカーズマーク(Maker’s Mark)
メーカーズマークの代表的なバーボンウイスキーで、柔らかくスムーズな口当たりが特徴です。冬小麦を使用し、ライ麦を使わないことで、一般的なバーボンに比べて丸みのある味わいが楽しめます。
2. メーカーズ46(Maker’s 46)
メーカーズマーク蒸留所の「46番目のレシピ」に由来するバーボン。熟成過程で新たに焦がしたオークの「インナースティーブ」を樽内に追加することで、バニラやキャラメルの風味が強調され、より豊かな味わいとなっています。オリジナルのメーカーズマークよりも、さらに深みと複雑さが増した一品です。
3. メーカーズマーク カスクストレングス(Maker’s Mark Cask Strength)
限定リリースボトル。通常のラインアップとは異なり、熟成が完了したウイスキーを加水せず、樽からそのままの強度で瓶詰めしたものです。このため、通常のメーカーズマークよりもアルコール度数が高く、より力強い風味が特徴です。フルボディで、香りや味わいが一層豊かに感じられます。
4. メーカーズマーク VIP ゴールドトップ【終売品】(Maker’s Mark VIP Gold top)
メーカーズマークVIPゴールドトップは、贈答品として販売されていた蒸留所限定ボトル。現在は製造中止となっているオールドボトル(古酒)。当時のメーカーズマーク蒸留所では、このウイスキーの箱に同封されている「ハガキ」を投函することで、オリジナルのラベルが作れるというサービスを行っていました。
メーカーズマークの公式見解で、「メーカーズマークVIPゴールドトップ」をもう作ることはないとのこと。(レッドトップのVIPは製造しています…)
メルカリなら買えるかも⁉
【バーボンウイスキーレビュー】メーカーズマークを評価

メーカーズマーク Maker’s Mark
- アメリカンバーボンウイスキー
- アルコール度数:45%
- 容量:700ml
- 抜栓時期:2022年2月
- テイスティング時期:2025年12月
- whiskybaseでの評価:80.00/100
- Amazon価格[2025年12月]:2,308円 送料別
- 楽天市場価格[2025年12月]:3,694円 送料無料
香り
レモンバーム、洋ナシのコンポート、メープルシロップ、シナモン、カシューナッツ、オレンジ、キャラメル、バニラ、イチジク、ドライアップル、コーンフレーク。
加水後も特段な変化はありません。
味わい
甘みが広がった後に、バニラ、柑橘の風味が広がります。若干の酸味。ドライで上品なビターテイスト。ミディアムライトボディ。フィニッシュにかけては穏やかで、樽香を中心にドライフルーツとスパイスが続きます。余韻の長さはやや短め。
加水すると滑らかでスムース。苦みはやや強くなりますが、バランスは悪くありません。
評価

「メーカーズマーク」の評価としては、「冬小麦が決め手!滑らかな口当たりで飲みやすいバーボン」です。
日本では大定番のバーボンウイスキーである「メーカーズマーク」。現在はサントリーの傘下にありますが、ウイスキー造りに関しては手を加えていないとのこと。創業から現在に至るまで、サミュエルズ家による生産が続いており、正真正銘の老舗ブランドとしてその名を轟かせています。
香りと味わい
香りはリッチとは言えませんが、柑橘やバニラなどの樽香、そして控えめなスパイシーさがバランスよく調和。特に、サルファリーのような不快なアロマは感じられません。低価格ながら、非常に整った個性を持つバーボンです。
口に含んでも雑味を感じることはなく、柔らかく広がります。バーボン特有の力強さはやや控えめですが、苦味が少なく飲みやすい仕上がりになっています。
小麦の使用
メーカーズマーク最大の特徴は、原料に冬小麦を使用しているところ。一般的なバーボンは、トウモロコシに加え、ライ麦を使用しますが、メーカーズマークはライ麦を使わず小麦を採用。この小麦によって、他のバーボンにはない滑らかな口当たりが実現されています。
「ライ麦と小麦では、そこまで違いが出ないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実際にはわずかな差でもバーボンの個性には大きな影響を与えます。ライ麦使用のバーボンに比べ、「メーカーズマーク」は、飲みやすく、まろやかな印象が特徴です。
ウィートウイスキーとライウイスキーの違い
ウィートウイスキーとライウイスキーを飲み比べると、メーカーズマークが小麦を使用している理由や、ライ麦主体のバーボンとの違いがはっきりと感じられます。
例えば、ウィートウイスキーの代表的な銘柄である「バーンハイム オリジナル」と、ライウイスキーの代表格「オールド・オーバーホルト」を比べると、風味の違いが際立ちます。「バーンハイム オリジナル」は、クリーミーでソフトな風味が特徴です。穀物感が豊かで、滑らかな口当たりが楽しめます。一方で、「オールド・オーバーホルト」は、スパイシーさが強調されており、シャープで力強い味わいが特徴です。
このように、ウィートウイスキーとライウイスキーでは、使用する原料の違いが風味に大きな影響を与えます。たとえマッシュ比率がわずか2割程度であっても、「ライ麦」と「小麦」では風味に明確な違いが生まれます。小麦を使用する「メーカーズマーク」の場合でも、こうした微妙な差異が反映され、他のバーボン銘柄とは一線を画す独自の風味を生み出しています。
手作業へのこだわり
メーカーズマークは、ウイスキー造りの多くの工程で手作業を大切にしています。例えば、赤い蝋栓が手作業で施されているだけでなく、熟成の過程でもこだわりがあります。
メーカーズマークでは、3年ごとに樽の位置を手動で入れ替える作業を行っています。一般的に、ウイスキーの樽は移動させないことが多いのですが、熟成環境は場所によって異なります。
そのため、メーカーズマークではできるだけ均等に熟成が進むよう、樽をローテーションしており、位置を変えることで、ウイスキーの品質を安定させることができ、最終的にその品質向上にもつながっているのです。
おすすめの飲み方
安定した品質と飲みやすい味わいを誇るメーカーズマークは、加水してもその個性をしっかりと保ちます。そのため、ロック、ハイボール、水割りなど、さまざまな飲み方で楽しめます。どんなシーンでも活躍する、幅広い楽しみ方ができるバーボンウイスキーです。

「メーカーズマーク」は、原料や製法における細かなこだわりが光るバーボンウイスキーです。冬小麦を使用した滑らかな口当たり、手作業による熟成工程、そして赤い蝋封のシンボルが特徴的。リーズナブルでありながら、高品質で飲みやすい。幅広い飲み方で楽しめる一本。
「メーカーズマーク」を飲みたい方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。
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