【ジャパニーズウイスキーレビュー】竹鶴21年ピュアモルトを評価

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では、ニッカウヰスキーが誇る長期熟成のブレンデッドモルトウイスキー「竹鶴21年 ピュアモルト」のテイスティングレビュー、ボトル評価、販売当時の定価や、終売後の価格推移についても解説致します。

「竹鶴21年 ピュアモルト」の味わいを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

【ジャパニーズウイスキーレビュー】竹鶴21年 ピュアモルトとは?

「竹鶴21年 ピュアモルト」は、ニッカウヰスキーが過去に製造していたブレンデッドモルトウイスキー(ピュアモルトウイスキー)であり、現在は終売となっています。

日本のウイスキーの父と称される「竹鶴政孝」氏の名を冠しており、ニッカウヰスキーの2つの主要な蒸溜所である「余市蒸溜所」と「宮城峡蒸溜所」で造られた、その名の通り21年以上熟成されたモルトのみをブレンド。深みのある複雑な味わいと圧倒的なバランスを実現しています。

単一蒸溜所で造られるシングルモルトとは異なり、異なる蒸溜所のモルトウイスキーをブレンドすることで、より広がりのある味わいを表現しています。それぞれの個性を生かしながらも調和のとれた味わいに仕上げられています。

また、「竹鶴21年 ピュアモルト」は世界的なウイスキーコンペティションで数々の賞を受賞しており、ジャパニーズウイスキーの中でも極めて評価の高い1本です。

ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)
World’s Best Blended Malt Whisky(世界最高のブレンデッドモルト)を6回受賞
ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)
金賞受賞

「竹鶴21年 ピュアモルト」はブレンデッドモルトウイスキーのカテゴリーにおいて、世界最高峰の品質を誇る銘柄となっています。

 

構成原酒とブレンドの特徴

余市モルト(北海道・余市蒸溜所)

  • ヘビーピーテッドかつ石炭直火蒸溜によるクラシックな製法
  • 力強いスモーキーな香りとオイリーな質感
  • 樽熟成によるダークフルーツやチョコレートのニュアンス
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宮城峡モルト(宮城県・宮城峡蒸溜所)

  • ノンピートまたはライトピートの華やかなモルト
  • 果実のような甘みとエレガントなフローラルな香り
  • シェリー樽・バーボン樽熟成による複雑な風味
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この2つのモルトをバランスよくブレンドすることで、余市の力強さと宮城峡のエレガンスを兼ね備えた味わいが生み出されています。

 

2020年3月に終売

「竹鶴21年ピュアモルト」は、2020年3月に終売となりました。この際、21年物を含む、3種が販売終了となっています。

終売ボトル(2020年3月31日)
竹鶴17年(税抜7,000円)
竹鶴21年(税抜15,000円)
竹鶴25年(税抜70,000円)

国産ウイスキーの需要増に伴い、ニッカウヰスキー(アサヒビール)は2015年から出荷調整を実施。同年には、熟成年数表記の「余市」4商品と「宮城峡」3商品が販売終了し、2023年4月には「ザ・ニッカ12年」も終売となりました。こうした動きにより、2020年~2023年の間に多くの年数表記ウイスキーが姿を消し、2025年現在では「シングルモルト余市10年」のみが残る状況です。

一方で、ニッカウヰスキーは生産能力の強化を進めており、2017年の原酒生産量は2015年比で約1.8倍に拡大。余市蒸溜所では、これまで1日1回だった蒸留を2回に増やし、原酒の増産に取り組んでいます。

現時点では「竹鶴21年」の復活は難しいと思われますが、今後、原酒不足が解消されれば、限定生産という形で再び登場する可能性も期待したいところ。いつか「新・竹鶴21年」を味わえる日が来ることを願っています。

 

定価と価格推移

竹鶴21年の価格推移

  • 2001年:「竹鶴21年ピュアモルト」発売当初の定価不明 / 流通価格10,000~15,000円
  • 2020年3月終売:定価15,000円(税抜き)/ 流通価格10万円以上
  • 2023年1月:流通価格84,000~92,000円
  • 2024年1月:流通価格79,000~89,000円
  • 2025年1月:流通価格75,000~90,000円

「竹鶴21年 ピュアモルト」は2020年に終売となり、現在では流通量が極めて少なく、プレミア価格で取引されています。終売後、日本国内外での需要が急増し、一時はオークションサイトや専門店で10万円を超える価格がつくこともありました。

特に、コレクター需要の高まりにより、箱付きで状態の良いボトルはさらに高額で取引される傾向があります。

終売から約5年が経過した今もなお、「竹鶴21年 ピュアモルト」の人気と評価は衰えず、多くのウイスキー愛好家から高く支持され続けています。

 

 

【ジャパニーズウイスキーレビュー】竹鶴21年 ピュアモルトを評価

竹鶴21年 ピュアモルト
Taketsuru 21 year old Pure Malt

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香り

メープルシロップ、オレンジ、マンゴー、パイナップル、ドライイチジク、メープルシロップ、アプリコットジャム、メープルシロップ、ハチミツ、洋梨グミ、レモンバーム、シナモン、カルダモン、ココナッツオイル、アーモンド、接着剤。

全体的に香りのボリュームが豊かで、抜栓から6年以上経過してもその芳醇さは健在。グラスからあふれるように広がるアロマは、フレッシュフルーツとドライフルーツが織りなす複雑なフルーティーさに満ちています。トロピカルな印象が際立ちながらも、どこか懐かしい甘い駄菓子を思わせる個性も。

加水すると、わずかに潮気が現れ、青りんごやヨーグルトタブレットのようなアロマが加わり、より奥行きのある香りへと変化します。

 

味わい

まろやかで豊潤。甘みと酸味のバランスが良い。ミディアムボディ。中盤以降はドライで、余市のスモーキーさも徐々に表れていきます。フィニッシュにかけてはクリーミーでアロマティック。余韻は長めで心地よく継続します。

加水するとオレンジや麦芽飴、ブラウンシュガーのようなコクが現れます。トロピカルフルーツ、サンザシ、白い花。リッチで複雑な余韻。

 

評価

「竹鶴21年 ピュアモルト」の評価としては、「飲まなきゃ後悔するレべチなブレンデッドモルト。1滴1滴がうまい!」です。

現行品の「竹鶴ピュアモルト」と比べ、香りのバリエーション、複雑さ、なめらかな味わい、余韻の長さ…などなど、21年物に相応しい、圧倒的なポテンシャルを持っています。ノンエイジの竹鶴も非常に良くできたウイスキーですが、「竹鶴21年ピュアモルト」と比べるのは可哀そうですね。まぁ、21年物ですから差があって当然ですが。

21年以上の原酒を使用している訳ですが、なめらかな口当たりとコクのある味わいがあり、そのバランスは秀逸。これが「竹鶴25年」ともなれば、前提的にソフトな個性が引き立ってくるのですが、「竹鶴21年ピュアモルト」は飲みごたえと研ぎ澄まされたまろやかな風味が絶妙で、ある意味25年物よりも良くできています。

また、加水後の味わいも優れています。一滴一滴にパワーがあって、水を加えることでも旨味を増すような感覚。この希少なウイスキーをストレート以外の飲み方で試すことは恐れ多いため、今回はできませんでしたが、ハイボールや水割りでもかなり美味しいと思います。

かつて販売されていた「竹鶴12年」(税抜2,450円)や「竹鶴17年」(税抜7,000円)と比較しても、21年物のクオリティは格別。特に17年物とは酒齢的に近いものの、味わいの奥深さや余韻の違いから、価格以上の価値を感じます。

「竹鶴17年」も「余市」と「宮城峡」の17年以上の原酒をブレンドしており、今振り返れば非常に贅沢なウイスキーでしたが、当時はそこまで強い印象を受けませんでした。むしろ、コストパフォーマンスの面では「竹鶴12年」のほうが評価が高く、「12年物で十分」と感じることもあったほど。

しかし、「竹鶴21年ピュアモルト」となると話は別。定価15,000円(税抜)は、当時の価格としても破格で、そのクオリティを考えると非常にお買い得なウイスキーでした。ウイスキーブーム前はほとんど注目されておらず、酒屋によっては定価以下で販売されていたことさえあります。

現在、「竹鶴21年ピュアモルト」は市場で約7万円前後で取引されています。終売当時の定価と比較すると大幅に値上がりしていますが、21年以上のジャパニーズモルトウイスキーをブレンドしていることを考えれば、この価格も極端ではないかもしれません。仮に再販されるとしても、現在の市場価格が基準となる可能性は高く、10万円で販売されたとしても即完売するでしょう。

「竹鶴21年ピュアモルト」は、創業者「マッサン」の名を冠した、世界的にも最高峰のブレンデッドモルト。もし機会があれば、現行の「竹鶴ピュアモルト」や、終売となった「竹鶴12年」「竹鶴17年」と飲み比べながら、その奥深い魅力を改めて堪能してみてはいかがでしょうか。

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「竹鶴21年 ピュアモルト」は、長期熟成ならではの深みと調和が際立つ、まさに珠玉のウイスキーです。「終売=レア」なだけではなく、確かなクオリティをもっており、ニッカウヰスキーが誇る素晴らしい銘柄です。終売となった今は、その価値はさらに高まり、ウイスキー愛好家にとって憧れの一本となりました。

「竹鶴21年ピュアモルト」を飲みたい方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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