【ジャパニーズウイスキーレビュー】山崎12年を評価

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

日本のシングルモルトを語るうえで、必ず名前が挙がるのが「山崎12年」です。1984年の発売以来、世界の蒸溜所に肩を並べる存在へとジャパニーズウイスキーを押し上げ、今では国際的な定番銘柄として知られています。

この記事では「山崎12年」の特徴やテイスティングレビュー、蒸溜所の背景、18年との比較、そしておすすめの飲み方まで詳しく解説していきます。

山崎の魅力を知りたい方はもちろん、ジャパニーズウイスキーの奥深さを味わいたい方にも、読み応えのある内容となっています。

 

 

 

サントリー山崎蒸留所とは?

サントリー山崎蒸留所
日本最古のモルトウイスキー蒸溜所であり、1923年にサントリーの創業者である鳥井信治郎によって建設されました。大阪府と京都府の狭間にある山崎の地に位置しており、美しい竹林と四季の表情を持つ理想的な気候・風土と名水を利用して、数多くの名酒を生み出しています。山崎は世界に誇るジャパニーズウイスキーの原点とも言える存在です。

サントリー山崎蒸留所 基本情報

創業者:寿屋(現サントリー)「鳥居信治郎」。初代工場長は「竹鶴政孝」。
所在地:大阪府三島郡島本町山崎5-2-1
敷地面積:約11万m²
標高:約20m
仕込み水:天王山を含む京都西山を水源とする地下水
水の硬度:約90度
蒸留器:ストレート型、バジルヘッド型 など
熟成庫:ダンネージ式、ラック式、近江エージングセラー(滋賀県にある集中熟成庫)
ビジター設備:あり
蒸溜所見学:要予約。リモート蒸留所ツアー有り。

 

 

【ジャパニーズウイスキーレビュー】山崎12年を評価

山崎12年 Yamazaki 12-year-old

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山崎12年とは?

「山崎12年」は、サントリー山崎蒸溜所が製造するシングルモルトジャパニーズウイスキーの代表銘柄。1984年に初めて発売され、日本のシングルモルトウイスキー市場を牽引した存在として知られています。

「山崎12年」は、熟成年数12年以上の原酒を使用しており、これにより安定した品質としっかりとした熟成感を実現。甘みとスムースさを両立させた典型例であり、ジャパニーズウイスキーの象徴として、高い人気を誇っています。

山崎12年は、基本的にノンピートのモルトを使用しており、クセが少なく飲みやすいのが特徴です。原酒はシェリー樽・バーボン樽・ミズナラ樽など複数の樽で熟成しており、これらをバランスよくブレンドしています。特にミズナラ樽原酒は、香木のような独特のエキゾチックな風味を加え、複雑で奥行きのある味わいを形成。ミズナラ樽の原酒は、「山崎12年」の特徴を生むのに欠かせない存在です。

 

香り

蜂蜜、レモン、オレンジ、洋梨、アップルミント、ドライレーズン、ドライパイナップル、ドライイチジク、キャラメル、アーモンド、香木。

加水すると、青りんご、マスカット、ライチ、白桃、フルーツタルト。

 

味わい

甘くてまろかや。フルーティーさのあと、樽香が続きます。ミディアムボディ。徐々にドライに変化し、フィニッシュにかけてはややビター。飲み口の優しさと骨格のある味わいが両立しています。余韻はやや長め。レーズン、バニラ、線香。

加水後はなめらかで芳醇。エステリーで品のある個性。

 

評価

「山崎12年」の評価としては、「ミズナラ原酒がキーモルト⁉複数の原酒が生み出すオリエンタルなシングルモルト日本代表」です。

ミズナラがもたらす個性

ノンエイジの山崎と比べると、「山崎12年」は香りのバリエーションが格段に豊かで、口当たりもより丸みを帯びています。アメリカンオーク、スパニッシュオーク(シェリーカスク)、そしてミズナラ樽の原酒が見事に調和し、他のシングルモルトには見られない複雑さと、どこかオリエンタルな雰囲気を漂わせています。

ノンエイジボトルでは赤ワイン樽原酒がブレンドされていますが、12年には使われていないようで、その分ミズナラ由来の香木のような風味が一層感じられます。本来なら“隠し味”に近い役割を果たすことの多いミズナラですが、「山崎12年」ではむしろ主役級の存在感。キーとなる原酒といっても過言ではないほど、強い影響力を放っています。やはりミズナラのポテンシャルは、改めて驚かされるものがありますね。

モルトウイスキーの熟成には、通常「バーボン樽」や「シェリー樽」が中心に用いられます。しかし「山崎12年」は、それらだけに頼らず、個性の異なる複数の原酒を緻密に組み合わせているのが特徴的。

その結果、どの銘柄にも似ていない独自の複雑さが生まれ、特有の樽香、フルーティーさ、そして香木を思わせるスパイシーな余韻を持っています。その配合は、まるでブレンデッドウイスキーのように計算し尽くされたもの。

甘さと余韻

しかし「甘さ」という点においては、ノンエイジよりもやや控えめです。これは、熟成年数が長い原酒が増えることで、樽由来のタンニンやウッディさがより強く表れるためと考えられます。そのため後味には、軽やかな甘みよりも、ほどよいビター感が残り、落ち着いた印象を与えてくれます。

とはいえ、シングルモルトスコッチと比べれば「山崎12年」にも全体的にまろやかな甘さがしっかりと感じられます。ここで甘さが控えめといっているのは、あくまでもノンエイジ版の山崎との比較において。実際に12年とノンエイジを並べて飲み比べると、ノンエイジはより甘くフレッシュで、12年は落ち着きと奥行きを備えていることがはっきりと分かります。

「山崎12年」の魅力は、やはりその複雑さと飲みごたえにあります。ボディにしっかりと厚みがあり、余韻も長い。飲むたびに新しい表情を見せてくれるため、決して飲み飽きることがありません。幾層にも重なったフレーバーが織りなす世界観は、グラスを重ねるたびに深まっていくような印象を与えてくれます。

「山崎18年」との比較

「山崎18年」が示すのは、圧倒的なシェリー樽熟成由来の重厚感と、長期熟成ならではの深い渋みや重層的な甘みです。そのため、一度グラスに注げば“特別な時間をじっくり楽しむための一本”という印象を強く与えます。

一方で「山崎12年」は、樽感とモルト感のバランスが際立ち、ウイスキーらしいエステリーな香りや瑞々しい果実感もきちんと残っています。オレンジや熟した桃、蜂蜜、ナッツといった華やかなフレーバーが生き生きとしていて、同時にシェリー樽やミズナラ樽由来の複雑さも感じ取れる。この“多面的でありながら飲みやすい”絶妙なポジションこそ、世界的に高く評価される理由だと思います。

「山崎18年」が“深遠な森の奥に分け入る体験”だとすれば、「山崎12年」は“花々が咲き誇る庭園を散策するひととき”のような存在。重厚さとバランス、そのどちらを求めるかで好みは分かれるでしょうが、シングルモルトとしての普遍的な完成度という意味では、12年が最も秀逸だと評する声があっても不思議ではありません。

おすすめの飲み方

最後に飲み方について。ストレートからのトワイスアップが、このウイスキーのポテンシャルを最も引き出せる飲み方です。ハイボールや水割りが美味しいのは分かりますが、正直言って加水量が増えると、ノンエイジ山崎との差を感じにくくなります。(そういった意味ではノンエイジ山崎もなかなか凄い)

日本を代表するシングルモルトウイスキー「山崎12年」。ブームが落ち着き、流通量は増えつつありますが、まだまだ簡単に手を伸ばせるボトルではありません。もしBARで飲む機会があれば、ぜひストレート&トワイスアップで、12年以上の原酒の重厚な個性と、その完成度の高さに酔いしれてみてはどうでしょうか。

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公式テイスティングノート↓

色 琥珀色
香り 熟した柿、桃、バニラ
味 奥行きのある甘味、厚みのある味わい
フィニッシュ 甘いバニラ、樽香、心地よく長い余韻

 



 

日本を代表するシングルモルト「山崎12年」。その完成度は、ジャパニーズウイスキーにおいては“原点にして頂点”とも呼べる存在です。もし出会うことがあれば、ぜひ一杯のグラスにじっくり向き合い、その深みと調和の妙を味わってみてください。

「山崎12年」及び、サントリーウイスキーを飲みたい方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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