【ウイスキーレビュー】ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023を評価

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では、2023年にシングルモルトとして初リリースとなったスコッチウイスキー「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」のテイスティングレビューと、ボトル評価や定価、ローズアイル蒸溜所についても解説致します。

「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」の味わいを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

【ウイスキーレビュー】ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023を評価|蒸溜所解説

出典:By Kirsty Smith, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=12989540

ローズアイル蒸溜所 Roseisle distillery

  • 地域:スペイサイド
  • 創業年:2009年
  • オーナー:ディアジオ社
  • 蒸留器:初留x7基、再留x7基
  • 仕込み水:グレネベリー湖
  • 年間生産量:1250万リットル

ローズアイル蒸溜所

ローズアイル蒸溜所(Roseisle Distillery)は、2009年に創業し、スコットランドのスペイサイド地域に位置するディアジオ社の最大規模を誇るウイスキー蒸溜所です。年間生産量は1250万リットルに達し、精麦工場も併設されている重要な拠点となっています。

蒸留所には、初留7基、再留7基の計14基のポットスチルが設置されており、蒸留過程は非常に効率的。ローズアイルでは、グレネベリー湖から仕込み水を調達しており、モルトのピートレベルの調整や、原酒の酒質をライトからヘビーまで多様に造り分けることができる最新技術が導入されています。

また、蒸留所の運営は高度にコンピュータ化されており、スタッフは一人で操作することも可能。さらに、熱交換システムを活用して、蒸留所のエネルギーの85%を再生可能エネルギーとして使用しており、環境への配慮がなされています。

最新鋭の技術とエコロジーを兼ね備えたローズアイル蒸溜所は、その生産システムが世界中の蒸留所から注目される存在となっています。見学ツアーも実施されており、訪れる人々にその革新的な取り組みを紹介しています。

 

ラインナップ

ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023

「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023 THE Origami Kite(折り紙の凧)」は、ローズアイル蒸留所の初リリースボトル。日本では2024年5月に発売されました。

 

ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2024

「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2024 The Origami Kite 2」は、2ndリリースボトル。ファーストフィルのバーボン樽とリフィル樽で熟成。日本では2024年12月に発売されました。

 

 

【ウイスキーレビュー】ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023を評価

ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023
ROSEISLE 12yo DIAGEO SPECIAL RELEASE 2023 -The Origami Kite-

 

「ディアジオ スペシャルリリース」とは?

ディアジオ スペシャルリリース(Diageo Special Releases) は、ディアジオ社が毎年発表する、数量限定のウイスキーシリーズです。ウイスキー愛好家やコレクターにとって非常に注目されており、希少なシングルモルトウイスキーやシングルグレーンウイスキーが厳選されてリリースされます。

また、多くの商品がカスクストレングス(樽出し原酒)でボトリングされ、ウイスキー本来の力強い味わいやアロマが楽しめる点も魅力の一つとなっています。

スペシャルリリースでは、通常市場に出回らない蒸溜所のウイスキーや、長期間熟成された特別な樽が選ばれることが多く、一部の蒸溜所は閉鎖されている場合もあり、このシリーズでのみ入手可能なウイスキーも存在しています

このシリーズはスコットランド全土から選ばれた、さまざまな蒸溜所のウイスキーが含まれており、アイラモルトのようなピーティーなタイプから、「オーバン」のようにフルーティーでリッチなタイプまで、幅広いバリエーションが楽しめます。

毎年異なるテーマやコンセプトが設定されることが多く、ボトルデザインやストーリーがそれを反映しています。2023年のテーマは「Spirited Xchange(スピリテッド・エクスチェンジ)」。世界各国のウイスキー文化と伝統からインスピレーションを受け、蒸留所のこだわりを反映させたウイスキーを集めています。各国のウイスキーやワインの樽を使用したフィニッシュにより、異なる文化を感じさせるユニークな風味が楽しめます。

 

「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」とは?

ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023は、ローズアイル蒸留所から初めてリリースされたボトルです。具体的な熟成は公表されていませんが、厳選されたカスクからつくられており、ハイランド特有のナッツのようなスパイシーなノートと、スペイサイドの豊かな草の香りとフルーティーな甘さが見事に調和しています。

アルコール度数の高さから、幅広いアロマを感じることができます。また、フレーバーは繊細にまとまり、飲み手に心地よい味わいを提供してくれます。

 

香り

バニラ、カスタードクリーム、レモンタルト、洋梨、青りんご、ソフトキャンディー、シリアル、アプリコット、石鹸、白い花。

少しアルコール臭がありますが、バニラ、洋菓子などのスイートな個性を感じます。

加水するとハーバルでフルーティーな個性が開きます。アップルミント、レモングラス、セメダイン、ドライパイナップル、レーズン入りのパウンドケーキ。

 

味わい

甘くてクリーミー。フルーティーで心地良いバニラ。中盤以降はドライでモルトの風味。ミディアムライトボディ。アルコール度数の割には丸みのある口当たり。フィニッシュにかけても穀物と焼き菓子、紅茶の風味があり、余韻は中程度の長さ。

加水後はなめらかでオイリー。若干の酸味も加わり、ドライでモルティー&フローラル。最後までピートのニュアンスはなく、飲みやすいバランスです。

 

評価

「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」の評価は、「構成原酒の枠を超えた新鋭!期待が高まる一杯」です。

ローズアイルは原酒のほぼ全てをブレンデッドウイスキー用に供給。シングルモルトとしてはこのボトルが初となる記念すべき1本になります。全体的な個性としては、クセがなくて飲みやすいバランス。フルーティー、モルティー、バーボン樽由来のオーキーな風味が整っており、完成度の高い一本。

これまでブレンデッド用の構成原酒として目立たない存在でしたが、シングルモルトとしてリリースされても、このクオリティなら十分に通用するでしょう。今回は12年熟成でしたが、さらに長期熟成されたローズアイルもぜひ味わってみたいところ。今後の展開が楽しみです。

モルトウイスキーは、単に飲みやすいだけでは物足りなくなることもありますが、「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」は、クセが少ないながらも適度な個性を備え、飲みやすさと満足感のバランスが絶妙です。

アルコール度数は56.5%に設定されており、このウイスキーにはちょうど良い仕上がり。わずかにアルコールの香りは感じるものの、熟成の浅さは気にならず、ストレートで味わった際の濃縮感も心地よく、56度の強さが過度に主張することはありませんでした。

「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」のテイスティングを通じて分かったのは、ローズアイル蒸溜所が個性的なモルトウイスキーを造るというよりも、ブレンデッド用に使いやすい、比較的クセの少ない穏やかな原酒を生産していることです。

これは予想通りではあるものの、同じくブレンデッドの主要原酒を手掛ける他の蒸溜所と比べても、ローズアイルには飲みやすさの中に、独自の個性を感じさせる要素もあるので、シングルモルトとしての展開にも期待できる一面も感じました。

期待が持てる理由のひとつが、バーボン樽との相性の良さです。

現在のスコッチ業界では多種多様なカスクが用いられ、複雑な原酒造りが行われていますが、その中心にあるのは今も昔も変わらずバーボン樽。ほとんどの蒸溜所にとって、バーボン樽が生み出す個性が鍵となり、どのようにして独自の特徴を引き出すかが問われるのです。

ローズアイルでも、おそらくほとんど(あるいは100%)がバーボン樽で熟成されていると思われますが、バーボン樽由来のバニラやオークの風味は見事に調和しており、ウイスキー造りの方向性を含め、期待できますね。

今回のテイスティングで率直に感じたのは、ローズアイルの原酒をブレンデッド用だけに留めておくのは惜しいということ。シングルモルトとしても十分に魅力と可能性を秘めています。

ただし、「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」は限定ボトルであり、生産数が少なかったために「良質な樽」を厳選できた可能性もあります。そのため、今後定番リリースが実現した際に、今回と同じクオリティを維持できるかは未知数。

とはいえ、ローズアイルのポテンシャルは確かに感じられるため、ディアジオ社が本格的にシングルモルト展開を進めれば、今回と同等の味わいを再現することは十分に可能でしょう。

しかし、ローズアイル蒸溜所は「モルト原酒の生産拠点」としての役割が中心であるため、今後もリミテッドエディションとしてのリリースにとどまる可能性が高いでしょう。仮に定番ボトルが登場するにしても、ラインナップは限られると考えられます。

「ウイスキーあるある」ですが、ファーストエディションはたいてい美味しいですよね。初リリースは、その後の売上や蒸溜所の評価に直結するため、メーカーも細部までこだわり抜いて仕上げています。まさに気合の入った一本(笑)。

最後に飲み方についてですが、「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」は、バーボン樽の力強さとモルトウイスキーらしいフルーティーで甘やかなアロマがしっかりと感じられるため、ストレートはもちろん、オンザロックやハイボール、水割りなどでもその個性を失うことなく楽しめると思います。

また、ローズアイルのセカンドリリースである「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2024」が2024年12月に登場していますが、こちらも気になるところ。機会があれば、2023年リリースと比較してレビューしたいと思います♪

 

 



 

 

「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」の魅力は、その繊細なバランスと確かなポテンシャルにあります。今後のリリースに期待が高まる中、これからシングルモルトとしての展開がどのように進化していくのか、目が離せません。

シングルモルトスコッチウイスキー「ローズアイル12年 ディアジオスペシャルリリース2023」をまだ試していない方は、BARWHITEOAKで堪能してみては如何でしょうか♪

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーで幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

 

 

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