ポートワインカスクで熟成させたおすすめのウイスキー5選

ユースケ
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こんばんは ユースケです。

自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAK をオープン。YouTubeTikTokでカクテル動画を公開中!

この記事では、酒精強化ワインの一種「ポートワイン」の樽(カスク)で熟成させた、おすすめのウイスキーをご紹介致します。

ポートワインに使用した樽は、ウイスキーの熟成用に再利用することがあります。ポートワインカスクならではの個性をウイスキーにすることができるため、その利用頻度は増加傾向にあり、新たな熟成樽として注目されています。

そこで今回は「ポートワイン」についての説明と、ポートワインカスクで熟成させた代表的なウイスキーを5本解説。ぜひ最後までご覧ください。

 

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ポルトガルの酒精強化ワイン「ポートワイン(Port Wine)」とは?

「ポートワイン(Port Wine)」は、ポルトガルのドウロ地方で造られている世界3大酒精強化ワインの一種で、「ポルトワイン」と呼ばれることもあります。

アルコール発酵が行われている間にブランデー(グレープスピリッツ)を添加。酵母の働きを止め、糖分をアルコールに変換することを防ぐことで、ワインの中に糖分が多く残っている甘口ワインに仕上げたものが「ポートワイン」です。

 

ポートワインにはいくつかの種類がありますが、ウイスキーを熟成するポートワインカスクには、「ルビーポート」と「トゥニーポート」の樽を使用するのが一般的。

ポートワインカスクで熟成することで、ウイスキーにリッチで甘やかな個性を与え、フルーティーさと深みのある味わいを引き伸ばす効果が期待できます。

 

ポートワインの歴史

ポートワインの歴史は17世紀末にさかのぼります。

当時イギリスとフランスは戦争状態にあり、イギリスがフランスワインの輸入を禁止したことから、イギリスのワイン商は代替となるワインを求めることになります。

彼らが見つけたのが色素や渋味の強い「辛口」ワインで、これにブランデーを添加して船積み前に安定させる手法によって、ワインを劣化させることなく運びことができました。

この手法は、当時のシトー派修道院でのワイン造りでも行われていました。しかし彼らのワインはイギリスが行っていた製法とは少し異なり、発酵途中にブランデーを添加し、ワインの糖分を残した「甘口」ワインに仕上げるものでした。

そして、このシトー派のワイン造りは、イギリスのワイン商によってポートワインに応用されるようなります。甘口となったポートワインはイギリスで爆発的な人気を博し、現代にまでそのスタイルを残すことになります。

 

1756年には、「フランス・ボルドーの格付け」よりも早く「原産地統制制度」を導入。ポートワインは原産地統制によってブランドが守られ、250年以上経った今でも「世界3大酒精強化ワイン」として全世界で愛飲されているのです。

 

 

ポートワインの種類

ウイスキーの熟成樽となる「ルビーポート」と「トゥニーポート」について解説します。

ルビーポート

ルビーポートは樽での熟成期間が短く、通常のスティルワインと同じく瓶内熟成をメインとしているタイプになります。

ルビー(Ruby)と呼ばれる早飲みタイプから、ヴィンテージポート(VintagePort)のような数十年以上の瓶内熟成を経てから愉しむタイプまであり、奥深い魅力のあるポートワインとなっています。

ルビーポートの樽をウイスキーの熟成に使用すると、フレッシュフルーツと完熟フルーツが混じり合った、複雑で濃厚なアロマを与えることができます。

 

トゥニーポート

トゥニーポートはルビーポートとは反対に、樽での熟成を長期間行い、酸化熟成を促して造ったポートワイン。ルビーポートよりもドライフルーツやナッツのような、香ばしさと熟成感のある味わいが特徴的です。

トゥニーはウイスキーのように熟成年数(10年、20年、30年、40年のような)を表記しているタイプが一般的ですが、なかには「コルヘイタ(Colheita)」と呼ばれる、単一年から造られる「ヴィンテージ表記」のあるタイプもあります。

トゥニーポートはルビーポートのように「瓶内熟成」を行わないため、ボトリング後は常温か冷暗所で保存します。ウイスキーのようにボトルは立てたままで、アルコール度数もルビーポートに比べ高めに設定されています。

トゥニーポートの樽で熟成させたウイスキーには、オロロソシェリーのようなドライレーズン、ドライイチジク、ビターチョコレートやコーヒーのような深みとコクを付与することができます。

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ポートワインカスクのサイズ

ポートワインの樽は「ポートパイプ」と呼ばれるサイズが最も一般的です。

容量は600〜650ℓ。ホグスヘッドに組み替えられると250ℓ程。さらに小さい100ℓくらいのサイズに組み替えることもあります。

サイズが小さくなればなるほど熟成のスピードは速まります。ただし、早ければ良いというものではないのが熟成の神秘です。ポートパイプはシェリーバット(500ℓ程)と比べれば大きい訳ですが、ゆっくりと熟成することで上品な甘さの他、複雑さを形成することでウイスキー全体の飲みごたえが向上し、より美味しくなるとされています。

 

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ポートワインカスクで熟成させたおすすめのウイスキー5選

  1. タリスカー ポートリー
  2. グレンモーレンジィ キンタルバン 14年 ポートカスクフィニッシュ
  3. グレンターナー ヘリテージ ダブルカスク ポートカスク フィニッシュ
  4. アラン ポートカスクフィニッシュ
  5. グレンアラヒー 10年 ルビーポートウッドフィニッシュ

 

タリスカー ポートリー

タリスカー ポートリー

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タリスカーはスカイ島にある蒸留所。「ポートリー」は「ポートワイン」から付けられた名前ではなく、スカイ島の北東部にある港の名称から名付けられています。

「タリスカー ポートリー」は、アメリカンオーク樽とヨーロピアンオーク樽のリフィル(2回目以降の古樽)と、ヘビーチャーカスクの3種類の樽で熟成させた原酒をヴァッティング。その後、ポートワインカスクで数か月間後熟をおこなっています。

タリスカーのスモーキ―でスパイシーな個性の中に、ポートワインカスク由来のフルーティーなアロマと柔らかい甘みが溶け込んでいます。

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グレンモーレンジィ キンタルバン 14年 ポートカスクフィニッシュ

グレンモーレンジィ キンタルバン 14年 ポートカスクフィニッシュ

  • シングルモルトスコッチウイスキー
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「グレンモーレンジィ キンタルバン ポートカスク14年」は、バーボン樽で10年以上熟成させた後、ルビーポートワインカスクで4年間後熟してつくられています。

「キンタ”QUINTA”」はポルトガル語で「ブドウ園」、「ルバン”RUBAN”」はゲール語で「ルビー」を意味しており、ルビーのように輝く美しさもウイスキーの魅力を引き立てているように思います。

チョコレート、ミント、ドライレーズンやイチジク、ハチミツ、ナッツのような豊かなアロマ。ルビーポートワインカスクによって、甘くソフトな味わいに仕上がっています。

 

 

グレンターナー ヘリテージ ダブルカスク ポートカスク フィニッシュ

グレンターナー ヘリテージ ダブルカスク ポートカスク フィニッシュ

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「グレンターナー」は、スペイサイドにあるグレンマレイ蒸留所で造られているシングルモルトウイスキーで、グレンマレイとは別ブランドとしてリリースされています。

「グレンターナー ヘリテージ ダブルカスク ポートカスク フィニッシュ」は、バーボン樽で4~5年熟成させた後、トウニーポートワインカスクで1年間後熟。

通常の「グレンターナー」は、スムースであまり個性的なタイプとは言えませんが、ポートカスク フィニッシュを施したこのボトルは、バーボンカスクのバニラ香に、トゥニーポートらしいドライフルーツやチョコレート、ナッツのニュアンスを感じます。

グレンターナーは元がシンプルなだけあって、ポートワインカスクの影響が良く出ていますね。お値段も2000円台と、かなりリーズナブルでおすすめです。

 

 

アラン ポートカスクフィニッシュ

アラン ポートカスクフィニッシュ

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アラン島にあるロックランザ蒸溜所のシングルモルトウイスキー。オフィシャルラインナップが充実している「アラン」ですが、「アラン ポートカスクフィニッシュ」は限定商品としてリリースされているボトルです。「トラディショナルオーク樽」で熟成後、ポートワインカスクで後熟しています。

「トラディショナルオーク樽」というのは聞きなれない言葉ですが、他のアランモルトにも使用されているオーク樽の1種。恐らくバーボンバレルのことです。

トラディションは「伝統的な」という意味があり、本来スコッチで最も伝統的な熟成樽といえば「オロロソシェリー」ですが、このウイスキーの持つ個性からして、それは流石にないだろうと(笑)ポートワインカスクでのフィニッシュを行うとすれば、普通に考えるとやはりアメリカンホワイトオーク(バーボン樽)だと言えるでしょう。

「アラン ポートカスクフィニッシュ」はフルーツ香に加えてスパイス、ハーブの複雑さと、上品なキャラメルを思わせる甘やさがあり、リッチなウイスキーに仕上がっています。

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グレンアラヒー 10年 ルビーポートウッドフィニッシュ

グレンアラヒー 10年 ルビーポートウッドフィニッシュ

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「グレンアラヒー 10年 ルビーポートウッドフィニッシュ」は、バーボンバレルで7年以上熟成させた後、ルビーポートワインカスクを「ホグスヘッド」のサイズに組み替えた樽で3年間後熟しています。

「グレンアラヒー」のシングルモルトといえば、シェリーカスクをメインに使用したリッチなスタイルが得意なイメージ。定番ラインアップの「グレンアラヒー 8年」「グレンアラヒー 15年」などにはオロロソシェリーを使用しており、華やかでピートのクセがほとんど無い酒質によくあっています。

ルビーポートワインカスクもシェリーカスクと同様に、フルーツアロマの形成を主軸として使用されているため、全く違和感なく個性が溶け込んでいます。ルビーポートの個性が全面に感じられ、フレッシュなブラックベリー、ブラックチェリー、カシス、イチゴジャムのはっきりとした甘い香りが存在しています。

 

 



 

 

ポートワインカスクで熟成されたウイスキーは、その特有の甘みや複雑なアロマが楽しめるため、蒸留所やウイスキー愛好者にとって魅力的な選択肢となっています。

ポートワインカスクに限らず、ウイスキーの「熟成樽」は奥深い…。その探求はキリがありませんね。

新たなウイスキーの発見や、お気に入りの一本の見つけに役立てていただければ幸いです。

ユースケ
ユースケ

あなたの人生がウイスキーによって幸せになることを願っています。最後までご覧頂きありがとうございました。それでは、また。

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