ウイスキー用語集 は行

ウイスキー用語「は」

ハート(Heart)

ポットスチル蒸留において、熟成用原酒として回収される中央部分の留出液。本留液とも呼ばれる。

通常の2回蒸留ではスピリットスチル、3回蒸留では最終蒸留器から得られる留出液のうち、ヘッド(前留)とテール(後留)の間にある部分を指す。ハートの採取範囲、すなわちカットポイントは蒸留所の酒質設計に大きく関わる。

バージンオーク(Virgin Oak)

過去にワイン、ウイスキー、蒸留酒などの熟成に使用されていない、新しいオーク樽。新樽(New Oak)ともいう。

バーボンウイスキーは、内側を焦がした新しいオーク容器で熟成させることが要件となっている。バージンオークは、バニラ、キャラメル、ココナッツ、トースト香、スパイスなど、木材由来の香味を比較的強く与えやすい。

バックセット(Backset)

主にバーボンウイスキーのサワーマッシュ製法で使用される、前回の蒸留後に残る酸性の蒸留残液。

新しいマッシュへ一部を加えることで、pHの調整、雑菌の抑制、発酵環境の安定化などを図る。蒸留所によって量や使用方法は異なる。

バッチ(Batch)

同じ仕様・計画に基づいて、まとめて製造、ブレンド、または瓶詰めされる単位。ウイスキーでは仕込み単位、ブレンド単位、ボトリング単位など、文脈により意味が異なる。

限定品やクラフトウイスキーでは、バッチ番号やリリース番号が表示されることがある。同じ銘柄でもバッチごとに原酒構成や香味に差が出る場合がある。

バーボン・マッシュビル(Bourbon Mash Bill)

バーボンウイスキーの原料となる穀物の配合比率。バーボンはトウモロコシを51%以上使用する必要がある。

残りの原料にはライ麦、小麦、大麦麦芽などが使われる。ライ麦を多く使うスタイルはスパイシーさ、小麦を使うスタイルは柔らかさや甘味を特徴として語られることが多いが、香味は酵母、蒸留、熟成など複数の要素にも左右される。

バーボンウイスキー(Bourbon Whiskey)

アメリカ合衆国でつくられるアメリカンウイスキーの一種。原料の51%以上にトウモロコシを使用し、160プルーフ以下で蒸留、125プルーフ以下で樽詰めすることなどが要件となる。

熟成には、内側を焦がした新しいオーク容器を使用する。最低熟成年数はバーボンの表示自体には定められていないが、ストレートバーボン(Straight Bourbon Whiskey)を名乗るには2年以上の熟成が必要である。

バーボンバレル(Bourbon Barrel)

バーボンウイスキーの熟成に使われる、内側を焦がした新しいオーク樽。一般にアメリカンホワイトオーク(American White Oak/主に Quercus alba)が用いられる。

容量はおおむね180~200リットル程度が代表的だが、製樽会社や仕様によって差がある。バーボン熟成に一度使用された樽は、スコッチ、アイリッシュ、ラム、テキーラなどの熟成に再利用されることが多い。

バット(Butt)

大型の熟成樽を指す容量区分・樽型の一つ。シェリー樽の文脈ではシェリーバット(Sherry Butt)が代表的で、容量はおおむね500リットル前後とされる。

ただし、シェリーカスクがすべてバットであるわけではない。シェリー熟成やシーズニングに用いられる樽には、パンチョン、ホグスヘッド、バレルなどもある。

バレル(Barrel)

樽を指す一般的な英語表現であり、ウイスキー業界では特定の容量・形状の樽を意味することもある。

アメリカンウイスキーでは約180~200リットル級のバーボンバレルを指すことが多い。バレルはバーボン専用の呼称ではなく、用途や地域によって意味の幅がある。

バレルエントリープルーフ(Barrel Entry Proof)

蒸留後の原酒を熟成樽へ詰める際のアルコール度数。樽詰め度数、エントリープルーフともいう。

バーボンウイスキーでは、樽詰め時の度数は125プルーフ、すなわち62.5%ABV以下でなければならない。樽詰め度数は、熟成中の樽成分の抽出や最終的な酒質設計に関わる要素の一つである。

ハイボール(Highball)

ウイスキーを炭酸水で割る飲み方、またはそのカクテル。日本では「ウイスキーハイボール」が一般的な呼び方として定着している。

英語圏におけるハイボールは、蒸留酒を炭酸飲料などで割るロングドリンク全般を指すことがある。ウイスキー&ソーダはその代表例である。

ハイプルーフ(High Proof)

一般的な製品より高いアルコール度数で瓶詰めされたウイスキーを指す慣用表現。カスクストレングスやバレルプルーフに近い意味で使われる場合がある。

ハイプルーフに世界共通の法的な度数基準はない。製品の実際の度数、加水の有無、濾過の有無はラベルや公式情報で確認したい。

ハイランド(Highland)

スコットランド北部および中部の広い地域を指す地理名称であり、スコッチウイスキーの保護地域の一つでもある。

ハイランドは範囲が広く、蒸留所や原酒の個性も多様である。「東ハイランド」「西ハイランド」「北ハイランド」「南ハイランド」といった区分は解説上使われることがあるが、法定の地域分類ではない。

ハウススタイル(House Style)

蒸留所、ブレンデッドブランド、ボトラーなどが長期的に目指す香味の方向性や個性を示す言葉。

原料、発酵、蒸留、樽の選定、熟成、ブレンド、瓶詰め度数などの方針が積み重なり、ハウススタイルが形成される。厳密な法的分類ではなく、造り手や飲み手が酒質を説明するために使う慣用表現である。

パテントスチル(Patent Still)

イーニアス・コフィー(Aeneas Coffey)が改良・特許化した連続式蒸留器。コフィースチル(Coffey Still)とも呼ばれる。

グレーンウイスキーの大量かつ効率的な蒸留を可能にし、ブレンデッドウイスキーの発展を支えた。連続式蒸留器全般を指す言葉ではなく、コフィーの特許に由来する蒸留器の名称である。

パラタイズ式(Palletised Warehouse)

パレット上へ樽を縦置きし、フォークリフトなどで効率的に管理する熟成庫の保管方式。パレタイズ式とも表記される。

ダンネージ式やラック式に比べ、保管・移動の効率を高めやすく、大量の樽を管理しやすい。温度変化、保管階層、樽栓の管理、熟成庫の構造などが熟成に影響する。

パレート(Palate)

ウイスキーを口に含んだ際に感じる味わい、香味、口当たりを表すテイスティング用語。テイスティングノートでは、ノーズ(Nose)、パレート(Palate)、フィニッシュ(Finish)という構成で使われることが多い。

甘味、酸味、苦味、塩味、スパイス感、果実味、ピート香、質感などを総合して記述する。

パンチョン(Puncheon)

比較的大型の熟成樽を指す名称。シェリー樽では約450~500リットル級のパンチョンが知られるが、地域、用途、製樽会社によって容量や形状には幅がある。

一般にバットより胴が太く短い形状として説明されることが多い。樽の大きさは、原酒と木材の接触比率や熟成の進行に影響する。

麦芽(Malt)

大麦を発芽させ、乾燥させたもの。モルトウイスキーやビールの主原料となる。

発芽によってデンプンを糖へ分解する酵素が活性化し、糖化に利用できる状態となる。麦芽の乾燥工程でピート煙を使ったものは、ピーテッドモルト(Peated Malt)と呼ばれる。

発酵(Fermentation)

糖化によって得られた糖を含む麦汁やもろみに酵母を加え、エタノールと二酸化炭素を生成する工程。

発酵はアルコールを生み出すだけでなく、果実香やエステル香など、蒸留後の酒質につながる香味成分の前駆体をつくる重要な工程でもある。

ウイスキー用語「ひ」

ビアスチル(Beer Still)

主にバーボンウイスキーの製造で使われる、初留用の連続式蒸留塔。発酵後のもろみであるビア(Beer)を蒸留し、低度数の蒸留液を得る。

得られた留出液は、ダブラー(Doubler)やサンパー(Thumper)などで再蒸留・精留されることが多い。設備構成や名称は蒸留所によって異なる。

ピーテッド(Peated)

ピートを燃料として用い、煙を当てて乾燥させた麦芽、またはその麦芽を使ったモルトウイスキーを指す。

ピート由来のフェノール香を持つことが特徴で、スモーキー、薬品香、ヨード、焚き火、土、海藻など、さまざまな香味表現で語られる。原料麦芽のppm値だけでなく、蒸留・熟成・ブレンドの影響によって、完成品の印象は変わる。

ピート(Peat)

植物遺骸が長期にわたり部分的に分解・堆積してできた有機質土壌。日本語では泥炭という。

モルトウイスキーでは、麦芽のキルン乾燥時にピートを燃やし、その煙を当てることでスモーキーな香味を与える。ピートの香味は産地だけで単純に決まるものではなく、植物組成、採掘層、燃焼条件、煙を当てる時間などにも影響される。

ピュアモルトウイスキー(Pure Malt Whisky)

モルトウイスキーのみを使用した製品に対して使われてきた表現。ただし、国際的に統一された法的カテゴリー名ではない。

日本市場では、複数蒸留所のモルト原酒を組み合わせたブレンデッドモルトの意味で使われた例がある。現在のスコッチウイスキーの分類では、複数蒸留所のモルト原酒のみをブレンドしたものをブレンデッドモルトウイスキー(Blended Malt Scotch Whisky)と呼ぶ。

ピュア・ポットスチル・ウイスキー(Pure Pot Still Whiskey)

アイリッシュウイスキーで旧来使われたカテゴリー名称。現在の正式名称は、アイリッシュ・シングルポットスチルウイスキー(Irish Single Pot Still Whiskey)である。

モルト化大麦と未モルト大麦を主原料とし、単一蒸留所のポットスチルで蒸留される。必要に応じて他の穀物を使用できるが、「5種類の穀物を混ぜてつくる」という定義ではない。

ピュリファイアー(Purifier)

ポットスチルのラインアーム途中などに設置される還流促進装置。蒸気の一部を冷却・凝縮し、スチルへ戻す役割を持つ。

還流を増やすことで、比較的軽やかでクリーンな酒質へ寄与すると説明されることが多い。ただし、影響は設置位置、冷却条件、蒸留器形状、加熱条件などによって変わる。

ウイスキー用語「ふ」

ファーストフィル(First Fill)

ある酒類の熟成に使われた樽を、初めてウイスキー熟成に使用すること、またはその樽を指す表現。

たとえば、シェリーを入れて樽の内面を整えた後、初めてウイスキーを詰める樽はファーストフィル・シェリーカスクと呼ばれる。新品のオーク樽を意味する言葉ではなく、ウイスキー熟成における使用回数を示す。

フィニッシュ/フィニッシング(Finish / Finishing)

フィニッシュには二つの主な意味がある。一つは、ウイスキーを飲み込んだ後に残る余韻。もう一つは、通常の熟成を終えた原酒を別の樽へ移して追加熟成する後熟工程である。

後熟の意味では、ウッドフィニッシュ(Wood Finish)、カスクフィニッシュ(Cask Finish)とも呼ばれる。どちらの意味かは文脈で判断する必要がある。

フェノール(Phenols)

ピート煙に由来する香味と関係する化合物群。フェノール類は、スモーキーさ、薬品香、ヨード香、タール香などを連想させる要因の一つとして知られる。

ただし、ウイスキーの香味はフェノール類だけで決まるものではない。原料麦芽、発酵、蒸留、熟成、ブレンドなどの影響が重なって最終的な印象が形成される。

フェノール値(Phenol Level)

ピート乾燥麦芽に含まれるフェノール類の量を、ppmで示す指標。麦芽をピートでどの程度燻煙したかを把握する目安として使われる。

フェノール値は、完成したウイスキーのスモーキーさやピート香の強さを直接保証する数値ではない。糖化、発酵、蒸留、熟成の各工程を経るなかで香味の印象は変化する。

フェインツ(Feints)

ポットスチル蒸留の後半に得られる留出液。テール(Tails)、後留液とも呼ばれる。

ハートとして回収されない留出液であり、多くの蒸留所ではローワインやフォアショッツと合わせ、次回のスピリットスチル蒸留へ戻される。

フォアショッツ(Foreshots)

ポットスチル蒸留の初期に得られる留出液。ヘッド(Heads)、前留液とも呼ばれる。

ハートとして回収されない留出液で、多くの蒸留所ではフェインツとともに、次回のスピリットスチル蒸留に回される。ヘッドからハートへ切り替える時点は、酒質を左右するカットポイントの一つである。

フロアモルティング(Floor Maltings)

床に広げた大麦を発芽させる伝統的な製麦方式。水を吸わせた大麦を床へ均一に広げ、定期的に攪拌して発芽熱の蓄積や根の絡まりを防ぐ。

現在は専門製麦会社から麦芽を購入する蒸留所が多いが、一部の蒸留所や製麦所ではフロアモルティングが続けられている。スコットランド固有の方式ではなく、各地で見られる伝統的製麦法である。

プライベートカスク(Private Cask)

個人、バー、酒販店、企業、団体などが、蒸留所またはボトラーから選定・購入・保有する樽、あるいはその樽からの瓶詰めを指す。

樽の所有形態、熟成管理、ラベル表記、販売可否、ボトリング時期などは、契約内容と各国の酒類制度によって異なる。プライベートカスクが必ずしも単一樽で一般販売されるとは限らない。

フレーバリングウイスキー(Flavouring Whisky)

カナディアンウイスキーの伝統的な製造・ブレンド用語。比較的軽快なベースウイスキーに対し、ライ麦などを用いて香味の骨格や個性を与える原酒を指す。

カナダの製造現場では、必ずしもすべての生産者が同じ言葉・方法で分類しているわけではない。ベースウイスキーとフレーバリングウイスキーの考え方は、伝統的なカナディアンのブレンド設計を理解するうえで有用である。

プルーフ(Proof)

アルコール度数を示す伝統的な単位。現在の米国では、プルーフ値は原則としてアルコール度数(ABV)の2倍である。

たとえば、80 Proofは40%ABV、100 Proofは50%ABVに相当する。英国プルーフは歴史的な制度で、100 British Proofは約57.15%ABVに相当するが、現代の表示ではABVが主流である。

ブレンダー(Blender)

複数の原酒を組み合わせ、目標とする香味・品質・製品の一貫性を設計する専門職。

ブレンダーは官能評価に加え、熟成原酒の在庫、樽の状態、分析情報、製品方針などを踏まえてブレンドを組み立てる。新商品の開発や既存ブランドの品質維持も重要な役割となる。

ブレンデッドウイスキー(Blended Whisky)

複数の原酒を組み合わせてつくられるウイスキーの総称。定義は国・地域の制度によって異なる。

スコッチウイスキーでは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたものをブレンデッド・スコッチウイスキー(Blended Scotch Whisky)という。複数蒸留所のモルト原酒だけを使う場合は、ブレンデッドモルトウイスキーに分類される。

ブレンデッドグレーンウイスキー(Blended Grain Scotch Whisky)

複数の蒸留所でつくられたグレーンウイスキーのみをブレンドしたスコッチウイスキー。

モルトウイスキーは使用しない。スコッチウイスキーにおける5つの法定カテゴリーの一つであり、流通量はブレンデッドスコッチやブレンデッドモルトより少ない。

ブレンデッドモルトウイスキー(Blended Malt Scotch Whisky)

複数の蒸留所でつくられたモルトウイスキーのみをブレンドしたスコッチウイスキー。グレーンウイスキーは使用しない。

以前はバッテッドモルト(Vatted Malt)、ピュアモルト(Pure Malt)などの表記が使われたが、現在のスコッチウイスキー規則ではブレンデッドモルトが正式なカテゴリー名となっている。

ブレンディング(Blending)

複数の原酒を組み合わせ、目標とする香味や品質をつくる工程。モルトとグレーンを組み合わせるブレンデッドスコッチだけでなく、複数のモルト原酒を組み合わせるブレンデッドモルトにも用いられる。

同一蒸留所の複数樽を合わせる場合は、ヴァッティング(Vatting)と表現されることもある。ただし、実務上は両語が厳密に使い分けられない場合もある。

ウイスキー用語「へ」

ヘッド(Heads)

ポットスチル蒸留の初期に得られる留出液。フォアショッツ、前留液とも呼ばれる。

一般に揮発性の高い成分を多く含むため、熟成用のハートとは分けられる。蒸留所では、ヘッドからハートへの切り替えをヘッドカットと呼ぶことがある。

ヘビリーピーテッド(Heavily Peated)

強いピート香を持つ麦芽、原酒、またはウイスキーを表す言葉。一般に高いフェノール値を持つピーテッド麦芽を使用した製品に対して使われる。

ただし、ヘビリーピーテッドに世界共通のppm基準はない。麦芽のフェノール値と、完成品の香味の強さは必ずしも一致しないため、製品ごとの製法や官能評価も確認したい。

ヘリテージバーレイ(Heritage Barley)

過去に蒸留・醸造用途で使われた大麦品種、または伝統的品種を指す表現。

Golden Promise、Maris Otter、Bereなどが代表例として挙げられる。一般に、近代的な高収量品種とは異なる個性や歴史性を訴求する限定製品で使われることが多いが、統一された法的な定義はない。

ウイスキー用語「ほ」

ホグスヘッド(Hogshead)

スコッチウイスキーの熟成で広く使われる中型樽。容量はおおむね225~250リットル程度とされる。

解体したバーボンバレルの側板を増やして組み直す方法が代表的だが、すべてのホグスヘッドが同じ製法でつくられるわけではない。樽の容量・製法は製樽会社によって異なる。

ホワイトオーク(White Oak)

ウイスキー樽に使用されるオーク類の一種。アメリカンホワイトオークは、主に北米原産の Quercus alba を指す。

バーボン樽の代表的な材であり、スコッチやアイリッシュウイスキーの熟成にも、使用済みバーボン樽として広く利用される。一般に、バニラ、ココナッツ、キャラメル、甘いスパイスなどを連想させる香味と関連づけて語られる。

ホワイトドッグ(White Dog)

アメリカンウイスキーの蒸留直後で、まだ樽熟成をしていない無色透明の原酒。ホワイトウイスキーと呼ばれることもある。

ニューメイクやニューポットに近い概念だが、ムーンシャイン(Moonshine)は歴史的に非合法蒸留酒を含む文化的な言葉であり、完全な同義ではない。ホワイトドッグはトウモロコシ、ライ麦、小麦などの原料由来の香味を直接感じやすい。

ホイートウイスキー/ウィートウイスキー(Wheat Whiskey)

アメリカンウイスキーの一種。原料の51%以上に小麦を使用し、内側を焦がした新しいオーク容器で熟成させる。

小麦を主体にしたマッシュビルは、一般に柔らかく穏やかな甘味を持つ酒質として説明されることが多い。ただし、酵母、蒸留、樽、熟成年数によって香味は大きく変わる。

ボトラーズ(Bottler / Independent Bottler)

蒸留所から原酒を調達し、自社で熟成管理、樽選定、瓶詰め、販売を行う事業者。独立瓶詰業者は、インディペンデントボトラー(Independent Bottler/IB)とも呼ばれる。

蒸留所が自社ブランドとして販売するオフィシャルボトルに対し、ボトラーズ品は独自の樽選定、熟成年数、度数、フィニッシュ、ラベル表記を持つことが多い。すべてのボトラーがブレンドを行うわけではなく、シングルカスクを中心に扱う会社もある。

ボトリング(Bottling)

熟成を終えたウイスキーを瓶に詰め、製品化する最終工程。

製品によっては、加水による度数調整、濾過、着色、複数原酒のヴァッティングまたはブレンド、ラベル貼付、封栓、ロット管理などがボトリング前後に行われる。

ボトリングストレングス(Bottling Strength)

ウイスキーを瓶詰めする時点のアルコール度数。一般的な製品では加水により、40%から46%程度へ調整されることが多い。

カスクストレングスは、通常のボトリングストレングスへ大きく加水調整せず、樽出しに近い度数で瓶詰めした製品を指す。両者は対立する概念ではなく、カスクストレングスも瓶詰め時の度数を持つ。

ボトリングデイト(Bottling Date)

ウイスキーが瓶詰めされた日付。蒸留日、樽詰め日、熟成年数、リリース日とは異なる。

シングルカスクやボトラーズ品では、蒸留日とボトリング日が併記されることが多い。これらを確認すると、実際の熟成期間や製品の流通時期を把握しやすい。

ボトルド・イン・ボンド(Bottled in Bond)

アメリカのボンデッド法に基づく表示。単一蒸留所で、同一蒸留シーズンに蒸留された原酒を、政府の監督下にある保税倉庫で4年以上熟成させ、100 Proof、すなわち50%ABVで瓶詰めすることなどが要件となる。

複数蒸留所の原酒や異なる蒸留シーズンの原酒を混ぜず、製造主体と熟成期間を明確にする歴史的な品質保証制度として知られる。

ボディ(Body)

ウイスキーを口に含んだ際に感じる厚み、重さ、粘性、質感を表すテイスティング用語。

ライトボディ、ミディアムボディ、フルボディなどと表現される。アルコール度数だけでなく、蒸留方法、原料、発酵、樽、濾過、熟成などがボディの印象に影響する。

ボンデッド・ウェアハウス(Bonded Warehouse)

酒税の管理下で、未納税の蒸留酒を保管できる保税倉庫。熟成中のウイスキーを保管する施設として使われることがある。

一般的な熟成庫を意味するウェアハウス(Warehouse)とは必ずしも同義ではない。保税倉庫としての要件・運用は国や時代により異なる。

ポットエール(Pot Ale)

モルトウイスキーのウォッシュスチル蒸留後に残る液状の蒸留副産物。蒸留所では回収・濃縮・処理され、ドラフと組み合わせてダークグレインの原料となる場合がある。

副産物の処理や再利用方法は、蒸留所の設備、地域の環境規制、飼料需要などにより異なる。

ポットスチル(Pot Still)

バッチ式で蒸留を行う単式蒸留器。モルトウイスキーの蒸留所では、銅製のポットスチルが一般的に使用される。

ポットスチルの形状、容量、ラインアーム、加熱方式、冷却装置、還流の程度、カットポイントは、原酒の香味形成に影響する。

 

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