
こんばんは ユースケです。
自己紹介:BAR WHITE OAK 店主。ウイスキー文化研究所認定 ウイスキーエキスパート。JSA認定ソムリエ。2022年1月 東京・銀座にBAR WHITE OAKをオープン。YouTube、TikTokでカクテル動画を公開中!
2023年2月現在、日本には開業準備中も含め76カ所のウイスキー蒸留所が存在しています。この記事では日本国内でウイスキーをつくっている蒸留所と、おすすめのウイスキーを解説致します。
ジャパニーズウイスキーの輸出量は年々増え続けており、国産ウイスキーに対する海外からの注目度はまだまだ高い状態です。それに伴い、ジャパニーズクラフトウイスキー蒸留所の開業ラッシュも続いており、国産ウイスキーはこれから競争が激化し、戦国時代を迎えることになりそうです…
そこで今回は増え続けている日本のウイスキー蒸留所、全76カ所を解説。まだ情報が入ってこない蒸留所に関しては、随時最新情報に更新。
蒸留所は北から南にかけて、都道府県順にご紹介しております。内容が非常に多い記事となりますので、ページを保存していつでも見れるようにすることをおすすめ致します♪


スコットランド閉鎖蒸留所の解説記事↓
【2023年版】日本のウイスキー蒸留所76か所解説|一覧
「蒸留所名」 <都道府県> 「オーナー」 「創業年」の順に記載。
1ページ目
1. Kamui Whisky K.K. <北海道> Kamui Whisky 2022年~
2. 余市蒸溜所 <北海道余市町> ニッカウヰスキー 1936年~
3. 馬追蒸留所 <北海道> MAOI 2022年~
4. 厚岸蒸溜所 <北海道厚岸町> 堅展実業 2016年~
5. ニセコ蒸留所 <北海道> ニセコ蒸留所 2021年~
6. 千歳蒸留所 <北海道> AZE(エイジ) 準備中
7. 秋田蒸留所岨谷峡(仮称) <秋田県> ドリームリンク 準備中
8. 月光川蒸留所 <山形県> 月光川蒸留所 準備中
9. 遊佐蒸溜所 <山形県遊佐町> 金龍 2018年~
10. 宮城峡蒸溜所 <宮城県仙台市> ニッカウヰスキー 1969年~
11. 吉田電材蒸留所 <新潟県> 吉田電材工業 2022年~
12. 新潟亀田蒸留所 <新潟県> 新潟小規模蒸留所 2021年~
13. 忍蒸留所 <新潟県> 新潟麦酒 2018年~
14. 津川蒸留所 <新潟県> 新潟麦酒 2022年~
15. 安積蒸溜所 <福島県郡山市> 笹の川酒造 1946年~
16. 高藏蒸留所 <茨城県> 明利酒類 1952年~
17. 八郷蒸留所 <茨城県> 木内酒造 2020年~
18. 日光街道小山蒸留所 <栃木県> 西堀酒造 2022年~
19. 羽生蒸留所 <埼玉県> 東亜酒造 2021年~
20. 鴻巣蒸留所 <埼玉県> 光酒造 2020年~
21. 秩父蒸溜所 <埼玉県秩父市> ベンチャーウイスキー 2008年~
22. 秩父第2蒸溜所 <埼玉県秩父市> ベンチャーウイスキー 2019年~
23. 須藤本家 <千葉県> 須藤本家 2018年~
24. 熊澤酒造 <神奈川県> 熊澤酒造 2020年~
25. 白州蒸溜所 <山梨県北杜市> サントリースピリッツ 1973年~
26. 源流醸造所 <山梨県> Far Yeast Brewing 2022年~
27. 富士北麓蒸留所 <山梨県> 井出醸造店 2020年~
28. 富士山蒸留所 <山梨県> SASAKAWA WHISKY 準備中
29. 野沢温泉蒸留所 <長野県> 野沢温泉蒸留所 準備中
30. マルス信州蒸溜所 <長野県宮田村> 本坊酒造 1985年~
31. 飯山マウンテンファーム蒸留所 <長野県> きよかわ 2019年~
32. 軽井沢ウイスキー蒸留所 <長野県> 軽井沢ウイスキー 準備中
33. 小諸蒸留所 <長野県> 軽井沢蒸留酒製造 準備中
34. Whiskey&Co.蒸留所計画 <静岡県> Whiskey&Co.(ウイスキーアンドコー) 準備中
35. 富士かぐや蒸留所 <静岡県> 時之栖富士 2020年~
36. 富士御殿場蒸溜所 <静岡県御殿場市> キリンディスティラリー 1973年~
37. 静岡蒸溜所 <静岡県静岡市> ガイアフローディスティリング 2016年~
38. 井手蒸留所 <静岡県> 十山 2020年~
39. 三郎丸蒸留所 <富山県礪波市> 若鶴酒造 1952年~
40. 武部織物蒸留所計画 <石川県> 武部織物 準備中
41. オリエンタル金沢蒸留所 <石川県> オリエンタルブルーイング 2022年~
42. 飛騨高山蒸留所 <岐阜県> 舩坂酒造店 準備中
43. 養老蒸留所 <岐阜県> 玉泉堂酒造 2018年~
44. 清州桜醸造 <愛知県> 清州桜醸造 2014年~
45. 碧南蒸留所 <愛知県> 相正ユニピオ 2019年~
46. 知多蒸溜所 <愛知県知多市> サントリー 1973年~
47. 長濱蒸溜所 <滋賀県長浜市> 長濱浪漫ビール 2016年~
48. 山崎蒸溜所 <大阪府島本町> サントリー 1924年~
49. 紀州熊野蒸留所 <和歌山県> プラム食品 2019年~
50. ウィズワン養父蒸留所(仮称) <兵庫県> ウィズワン
51. 丹波蒸留所 <兵庫県> 黄桜 2018年~
52. 神戸蒸留所 <兵庫県> グロースターズ 2022年~
53. 六甲山蒸留所 <兵庫県> アクセス 2021年~
54. 海峡蒸留所 <兵庫県> 明石酒類醸造 2017年~
55. 江井ヶ嶋酒造 <兵庫県明石市> 江井ヶ嶋酒造 1919年~
56. 倉吉蒸溜所 <鳥取県倉吉市> 松井酒造 2015年~
57. 千代むすび酒造 <鳥取県> 千代むすび酒造 2021年~
58. 岡山蒸留所 <岡山県> 宮下酒造 2011年~
59. SETOUCHI DISTILLERY <広島県> 三宅本店 2022年~
60. SAKURAO DISTILLERY(桜尾蒸留所) <広島県廿日市市> サクラオブルワリーアンドディスティラリー 1920年~
61. ニッカウヰスキー門司工場 <福岡県> ニッカウヰスキー 2010年代~
62. 新道蒸留所 <福岡県> 篠崎 2021年~
63. 久住蒸留所 <大分県> 津崎商事 2021年~
64. 山鹿蒸留所 <熊本県> 山鹿蒸留所 2021年~
65. 大石酒造場 <熊本県> 大石酒造場 2022年~
66. 常楽酒造 <熊本県> 常楽酒造 2022年~
67. 尾鈴山蒸留所 <宮崎県> 尾鈴山蒸留所 2019年~
68. 大隅蒸留所 <鹿児島県> サントリー 2016年~
69. ニッカウヰスキーさつま司蒸留蔵 <鹿児島県> ニッカウヰスキー 2018年~
70. 嘉之助蒸溜所 <鹿児島県日置市> 小正醸造 2017年~
71. マルス津貫蒸溜所 <鹿児島県南さつま市> 本坊酒造 2016年~
72. 日置蒸留蔵 <鹿児島県> 小正醸造 2020年~
73. 御岳蒸留所 <鹿児島県> 西酒造 2019年~
74. 菱田蒸留所 <鹿児島県> 天星酒造 2022年~
75. 許田蒸留所 <沖縄県> ヘリオス醸造 1963年~
76. 洲崎蒸留所 <沖縄県> 新里酒造 2021年~
※創業年はウイスキーの生産開始年を表記。
日本のウイスキー蒸留所|Kamui Whisky K.K.

出典:https://www.kamuiwhisky.com/
オーナー: Kamui Whisky
創業年:2022年
所在地:北海道利尻郡利尻町沓形字神居 128-2
公式HP:https://www.kamuiwhisky.com
北海道利尻島にあり、日本最北の蒸留所として創業しました。「Kamui(カムイ)」は、アイヌ語で神が宿る「聖なる水」という意味。名水百選に選ばれた水「甘露泉水」を仕込み水にしており、まさに利尻島の自然と共にある蒸留所です。オーナーは横浜在住のアメリカ人ケイシー・ウォール氏。
ワンバッジの仕込み量は175kgと日本最小規模となる、小さな蒸留所。マッシュタンは容量800ℓ。ウォッシュバックはステンレス製で900ℓのものが4基。
大麦麦芽はイングランド産と北海道の中標津産を使用しており、ノンピーテッドとフェノール値15ppmのライトピーテッドで造られています。
最北のジャパニーズウイスキー…日本の「ハイランドパーク」のような位置づけになるのでしょうか。楽しみですね。
日本のウイスキー蒸留所|余市蒸留所
スコットランドの蒸留所のように美しい。北の大地の蒸留所。
竹鶴政孝の目指したウイスキー造りが今もなお受け継がれ、本場スコットランドにも引け劣らないモルトウイスキーをつくっているのがニッカウヰスキー余市蒸留所。
石炭直火焚き蒸留、煉瓦造り、キルン塔、鉄道駅に近い場所、良質な仕込み水とウイスキー造りに適した気候…蒸留所を見学するとマッサンのこだわりが随所に感じられます。
ウイスキーブーム以降、余市の需要は高まるばかりですが、無理に生産拡大をはかるのではなく、坦々とこれまで通りウイスキーの生産を続けているところも魅力的です。
天国からマッサンが「ウイスキー造りには時間がかかる」と睨みを利かせているのかも知れません(笑)
北海道・余市町の年間平均気温はスコットランドと同じ約8℃。冷涼で湿潤な気候はウイスキーにとって最適な環境です。
ポットスチルは1936年当時から変わらない、ラインアームが下向けとなっているストレートヘッド型。竹鶴がロングモーン蒸留所から技術を学び導入した、石炭直火焚きの加熱方式によって、高温で蒸留が行われています。
直火焚きや下向けラインアームの影響により、重厚で芳ばしい酒質のウイスキーを生み出すことができるのです。
蒸留所には製造設備の他、現在は使用されていませんが麦芽を造る際に使われるキルン塔があります。
そのほか、おみやげショップ、レストランバー、ウイスキー博物館、熟成庫(見学不可)、竹鶴とリタ夫人が共に暮らした旧竹鶴邸(見学不可・重要文化財)があり、ウイスキー好きなら1日中愉しむことができます。
2021年10月、旧ウイスキー博物館を改修し、ニッカミュージアムをオープン。2023年1月には第二期工事が完了し、日本でも有数のウイスキー博物館へと進化しました。ニッカミュージアムの主な設備は以下の通り。
• ブレンダーに焦点を当ててウイスキーづくりの時間の流れを紹介する「ブレンダーズ・ラボ」
• 「余市」「竹鶴」「ブラックニッカ」「フロム・ザ・バレル」に関する展示コーナー「ストーリー・オブ・ニッカウヰスキー」
• ブレンダーなどのスペシャル映像を放映する「ディスティラーズ・トーク」
• 蒸溜所限定商品を含む有料試飲コーナー
余市蒸溜所では、蒸留所施設の見学は予約制のガイドツアーとなっています。ニッカミュージアムやギフトショップ、レストランは自由に利用することが可能です。
ウイスキー好きとしては、必ず訪れたほうが良い蒸留所。ニッカウイスキーが、余市が、もっと身近になるでしょう。
また、ギフトショップには蒸留所でしか購入できない限定品もあるので、絶対に忘れずチェックしましょう!
余市蒸溜所|おすすめのウイスキー
シングルモルト余市
シングルモルト余市
シングルモルト余市10年
シングルモルト余市10年
日本のウイスキー蒸留所|馬追蒸留所

出典:https://maoidistillery.com/
2006年に「マオイワイナリー」として設立し、その後北海道自由グループ(北海道自由ウヰスキー)が買収。その後蒸留酒を製造する目的で2021年に蒸留を完成させ、2022年9月からウイスキーの生産を開始しています。
蒸留所はモルトウイスキー、グレ―ンウイスキーのほか、フルーツブランデーやグラッパ(ブドウの搾りかすブランデー)、北海道産のトウモロコシで「コーンウイスキー」も造っています。
ポットスチルはフォーサイス社製のハイブリットスチル。コラム塔付きで、グラッパなどの製造には使用していますが、ウイスキーを蒸留する際には使わずに、通常のポットスチルのような2回蒸留を行っています。
その他の設備も同社によるプランニングを受けており、ワンバッジの仕込み量は200kg。大麦麦芽は北海道産「りょうふう」とイギリス産のノンピーテッドモルトも使用しています。
日本のウイスキー蒸留所|厚岸蒸溜所
アイラモルトを目指してつくられた北海道厚岸町にある蒸留所。
北海道厚岸町は牡蠣の生産で有名な小さな港町。 アイヌ語の「アッケシイ」が名前の由来となっており、その意味はズバリ「カキのあるところ」。
厚岸蒸留所は生産開始から4年程しか経過していませんが、ウイスキーは品評会で高く評価されています。日本のモルトファンだけでなく、世界中が注目するモルトウイスキー界の新鋭といえる存在です。
「アイラモルトのようなウイスキーが作りたい」。蒸留所にコンセプトははっきりとしたものでした。
厚岸蒸留所はプラン作りから全ての蒸留器具、蒸留試験に至るまで、スコットランドのフォーサイス社(ポットスチルの製造メーカー)によるコンサルティングによってつくられており、フォーサイス社の技術者が2か月以上現地に滞在し、ウイスキーのノウハウを一から伝えています。
スコッチの伝統に乗っ取った形で生産が行われているのは、ジャパニーズウイスキー全体に言えることですが、全てのプランニングをフォーサイス社(スコットランド人)によって進められた蒸留所というのは日本で厚岸が初となっています。
仕込みは1バッチ麦芽1トン。麦芽はイギリス産のロリエット種がメイン。地元厚岸町で獲れた「りょうふう」という二条大麦も使用。
ノンピートとピーテッドの2種類のタイプを生産しており、比率は半々。アイラ島のようなウイスキーを造りたいのであれば、全てをピーテッド麦芽にしてもいい訳ですが、多種多様な原酒を生産し熟成されない限りは、蒸留所の未知なる可能性が開拓できません。

出典:http://akkeshi-distillery.com/company/overview/
シングルモルトだけでなくブレンデッドウイスキーを生産することも視野に入れた場合、クセの少ないモルト原酒も必要になりますので、生産比率が半々であることには納得できますね。
また、2022年5月には製麦設備を完備。自社での製麦にも力を入れています。
2018年からニューボーンシリーズ「ファウンデーション」をリリース。その後、2020年には初のシングルモルトとなる「サロルンカムイ」をリリースしています。
創業してからしばらくは200mlの小さなボトルでの販売でしたが、2020年10月には初の700mlボトルの3年物「厚岸シングルモルトウイスキー寒露」が15000本限定リリースされました。
その後、日本の24節気をタイトルにした「二十四節気シリーズ」も発売されており、海外グレーンをブレンドしたブレンデッドタイプと、厚岸のシングルモルトの2種類を製造しています。
厚岸蒸留所|おすすめのウイスキー
厚岸シングルモルトウイスキー大雪
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厚岸ブレンデッドウイスキー大暑
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厚岸シングルモルトウイスキー清明
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日本のウイスキー蒸留所|ニセコ蒸留所
オーナーの「株式会社ニセコ蒸留所」は、日本酒の八海山で全国的に有名な「八海酒造(新潟県)」のグループ会社。ウイスキーの製造免許を取得した当初は、新潟の焼酎蔵で米を使ったライスウイスキーを製造していました。しかし北海道の気候が良かったことから、ニセコの地で新たに本格的なモルトウイスキー造りをスタートすることになりました。
ワンバッジの仕込み量は1トン。ポットスチルはフォーサイス社製で初留・再留1基ずつ。
発酵槽は北米産のダグラスファー。ステンレス製よりもクリーンでエステリーなウイスキーを生み出すことができるとのこと。
蒸留所は観光地としても知られているニセコにあるため、ビジター設備もしっかりと完備しています。有料試飲のできるバーカウンターでは同社の八海山、ライスウイスキー、焼酎のほか、ハイブリッドスチルで蒸留した「オホロジン」をつかったカクテルも飲むことができます。
ニセコ蒸留所|おすすめのクラフトジン「ohoro GIN (オホロジン)」
ohoro GIN (オホロジン)
日本のウイスキー蒸留所|千歳蒸留所

出典:http://chitosedistillery.com/
千歳市のアウトレットモール・レラの駐車場跡地に建設予定。ウイスキーと日本酒を製造するとのこと。2024年開業を目指しています。
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